車にセキュリティーを付けてみた。といってもシトロエンなんて盗難とは無縁のように思える。車上荒らしと傷への予防線というところか。セキュリティーもピンキリで高額なものははじめから除外して機能と価格から適当なものを絞り込んでみた。そのなかで知ったのは
「VAS基準」という全国自動車用品工業会の自主規制が最近始まったらしく、国内メーカーはそれをトリガーとして製品の打ち切りがあったようだ。使い勝手の良さそうなナショナルやオムロンは軒並み製品をディスコンにして事業を撤退してしまった。問題の「VAS基準」というのが曲者(くせもの)で、最近車両盗難が増えたのでサイレンは100dB以上で25秒~30秒鳴るようにせよというヘンテコな取り決めのようだ。それ以前の製品では、わざと警報音を鳴らさず手元のリモコンにだけアンサーバック機能で警報を送信することを特徴とするものが多かったのだ。日本の駐車場事情を鑑みても誤作動の多い警報機サイレンを100dB以上で25秒~30秒も毎回鳴らしては迷惑千万というものだ。そこで比較の為、ディスコンとなったナショナルのオートポリス(VDF-2040)とオムロンのカーモニ500をどちらも店頭在庫の新品で購入してみた。どちらの機種も車側の警報音を殺しておいてリモコンにだけ通報する機能がある。それに対人センサーが優秀で賊の侵入を音(マイク)以外の検出方法で探知するものだった。両機種とも甲乙つけがたい性能であったが結果として車外の対人検出に優れたオムロンのカーモニ500を使うことにした。マイクロ波を使ったドップラーセンサーはなかなかに優秀であったのだ。ナショナルの赤外線方式も車内侵入に対してはとても敏感に反応したことを報告しておく。カーモニ500にした理由はもうひとつあり本体が異常を検出すると通信機能で隠し設置したワイヤレスサイレンユニットを雷鳴させることができるのだ。万一車内に賊が侵入し警報機本体を破壊してもサイレンは鳴り止まない。また、最近の車は防音対策がとられている事が裏目に出て、車内でいくら大音響のサイレンが鳴っても車外にはあまり聞こえないということも問題だった。特にC5はラミネート合わせガラスでの防音性を売りにしているので余計に音が漏れないのだ。オムロンのワイヤレスサイレンはトランクルーム内のボディー板金に強力磁石で貼り付けておいてボディーを直接振動させて警報音を鳴らすことができるのだ。警報機の設定としては平日はサイレンを無音設定にしておいて、休日や出張中は短時間のサイレン発報にしようと思う。誤作動についても慎重にこの一週間ほど検証を重ねセンサーの向きや感度設定など様々条件を変えて最適な設定を模索した。いいこと尽くめのオムロンのカーモニ500だが、一点だけ厄介なのはワイヤレスサイレンはCR-V3電池を2個セットしなければならないのだ。これではランニングコストが嵩むというものだ。そこで単三型ニッケル水素電池(2000mAh)を四本使って代用することにした。これなら充電すれば何度でも使える。ただし普通に単三電池をセットしても通電しないので電極部分にクリップを差し込んでおく。電池の出し入れがしやすいように紙テープも挟み込んでおいた。トランクルームへのセットも説明書通りでは芸がないので、より効果的で出し入れしやすい場所を見つけユニットを磁石で貼り付けた。その行為はあたかも「地底GO!GO!GO!」でマグマライザーに搭載されたMS爆弾をユートムの地下基地にセットするが如し(誰もわからんって)。まあ、おもちゃみたいなセキュリティーではあるけれど防犯対策というよりは心の静穏を買ったようなものだと思う。