森林浴コースのシラネアオイのエゾシカの食害の様子に愕然とする鎌鹿さん。
昨年までは、この辺り一帯には、多くのシラネオアイが見られたそうだ。
かつては、1000株ほどのシラネオアイが見られたという、ホテル恵風からの恵山登山道の森林浴コースに今年はほとんどその姿が見られなくなったという情報が、南北海道高山植物保護ネットの鎌鹿さんと函館植物研究会長工藤さんのところに入ったらしい。
そこで、そのお二人の調査への協力依頼を受けて、函館マウンテンクラブのNa女史とHYML仲間のmyuさんと5人で、自分にとっては今年になって3度目の磯谷道と森林浴コースの調査をした。
◎まずは磯谷道へ
メンバーの中の2人が、まだ歩いていないので、やはりエゾシカの食害が目立つ磯谷道を歩いた。
水無沢から恵山を見上げる
立木の食害が目に付き、やはりエゾシカの食害で下草が生えていない地面
これまでも一番目に付いた倒木の木の皮がエゾシカに食いつくされた典型的な事例
ここにもシラネオアイの食痕が目に付いた
下草が生えていないのも、エゾシカのせい
磯谷峠での記念写真
おなじみの「お経岩」の前で
お経岩のそばのトドマツのエゾシカの角による傷
この後、御崎海岸へ下りて、デポしておいた車でホテル恵風へ戻ったが、途中で、やはりエゾシカの食害が心配なユキワリコザクラの群生地にも寄ってみた。
◎ユキワリコザクラの群生地にもエゾシカの痕跡
4/28以来のユキワリコザクラは、まだ健在だった
しかし、その岩崖の根元にはエゾシカの食痕~いずれ低いところに咲くユキワリコザクラも心配。
4/28の時よりはほっこりと膨らんでいたタヌキラン
◎森林浴コースでシラネオアイの食痕調査
エゾシカに食べられたシラネオアイ
10m×8.5mの範囲で、シラネオアイの食痕を全員で探して数を数えた。この調査は人数が多いほど正確なデータが得られるらしい。
結局、食痕は40個、残っていた一枚葉だけのものが78個、すなわち、40/118(およそ1/3)の確率で食われていたことになる。しかし、その範囲では、花を付けたものや枝分かれしているものはゼロだった。
別な場所で健気に咲く食害から逃れたシラネオアイ
倒木が邪魔で食害から逃れたシラネオアイの群落・・・ここには3株が花を付けていた
このような状況がほかのシラネオアイが生えている場所に拡大していないことを願って、温泉に入って解散した。