盤の沢山は、地図上では無名峰だが、国道230号を札幌に向かうと、豊滝地区の右手に細い稜線を際立たせる非常に目立つ山である。
この山には、昨年まで登山道はなく、主に積雪期に登られる山だったようだ。しかし、昨年この山に登山道が開削され、コース案内表示板が整備された。それを一人で成し遂げたのが、HP「老後楽登山」の管理人の82歳になるnagaiさんである。
nagaiさんは、この山だけでなく、南区の登山道のなかったあちこちの山に登山道を付け、丁寧な案内表示を設置している凄い方である。
メールや電話ではやり取りしているが、まだお会いしたことはなかった。今回、この山に登るには、ぜひご案内いただきながらご一緒に登りたいものだと思っていた。昨日の急なお誘いにも関わらず、ご快諾をいただき、初対面と初同行が叶った。
すでに車を手放しているので、6時前にお宅までお迎えに上がり、登山口となる盤龍山信行院を目指す。
nagaiさんのHPから借用したコース図
6:15、盤龍山信行院前の登山口をスタート。最初の内は市民の森の遊歩道を進む。
まもなく、分岐からnagaiさんが開削した登山道へと進む。そこには、市民の森の遊歩道ではなく、登山道であることの丁寧な説明板が設置されている。そのあとも、笹原を鎌で刈り払った新しい登山道を進む。
稜線のコルを目指す急な道となる。「頂上」方向を示す表示もnagaiさんの手製。
コルの手前から、鋸や鎌で切り開いた道を、急な尾根へトラバース気味に登っていく。迷うことがないようにとあちこちに赤テープが付けられている。
尾根は、山容からも想像できたが、かなりの急登である。周りの木を頼りに登って行く。
やがて、斜度が緩み、まもなくして、8:05に三角点ピークに到着。この三等三角点名が「盤の沢」である。これがこの山名となったのだろう。
そばの木に付けられた丁寧な表示板。
この山の最高点は、直線距離でさらに500m先である。途中の「中瘤」を越え、両側が着れ落ちた細い尾根のアップダウンを繰り返して進む。
8:35、尾根の一番奥の一気に展望の広がる最高点ピークに到着。
正面には左の空沼岳から札幌岳の連なり
右側には無意根山から余市岳の連なり
最後に、二人の記念写真を撮る。
風が強い上に非常に冷たい。それでも20分ほど休んで下山開始。
登り2時間20分、下り1時間35分。登山口に到着したら、雨が降って来た。
昨年この登山道を下から開削するのに、9回通ってようやく頂上に到着したと言う。よくも、この急な斜面に登山道を開削したものだと、82歳のエネルギーに頭が下がる。
これまで、80代の人とは登ったことはある。しかし、見た目も非常に若いが、これほどの健脚の方は見たことがない。しかも、ペースメーカーを付けているというのだから、信じられないパワーだ。自分がその年になったときに、このように歩けるかは全く自信がない。
お宅まで送り届けて、奥さまにも挨拶して失礼した。
明日の予定は、知床峠から、この時期限定の天頂山の予定だった。一気に中標津まで走るつもりだった。しかし、明日は、雨予報となった。無理せずに、士幌温泉の道の駅を今日のどこでもホテルにして、のんびりと温泉に入り、このブログを打つ。