手稲山に登るたびに、西側へ延びる稜線の先に聳える北側に岩壁を巡らせた手稲山西峰(右端)が気になっていた。手稲山山頂からは垂直に切れ落ちた岩壁になっていて、直接下りることは不可能だ。もちろん登山道はない。積雪期に下から登るしかないと思っていた。
たまたま、「北海道山岳ニュース」の管理人である吉克さんが、GW中に、手稲山スキー場の駐車場から、雪面を繋いで、斜めにトラバースしながら、手稲山と西峰とのコルを目指して登頂し、ピストンしている記録をブログにアップしていた。
彼に聞いたら、頂上直下までほとんどヤブ漕ぎなしで登れたと言う。それから1週間以上経っているので、ヤブ漕ぎは覚悟でトライしてみた。幸い、まだ、第3駐車場から雪面は続いていた。
6:50、カンジキを背負って、プラブーツのツボ足でスタート。
まずは、沢型の中を登っていく。このあと右手の尾根を乗り越えるが、さすが尾根はヤブ漕ぎとなる。その隣の沢型の急斜面をトラバースし、もう1つヤブ尾根を横切って、コルを目指す。
途中で振り返ると、石狩湾と札幌の町並みが広がる。
3本目の沢型の急斜面をトラバースして、8:25、手稲山から延びる稜線の先端の岩峰へ上がる。
その岩峰から西峰を見上げるが、覚悟していた通り、ほとんどがヤブ漕ぎだ。ここでリタイアするわけにはいかない。邪魔になるストックをそこへデポし、ヤブに突入。それでも、所々に雪面が残っていて助かった。
8:50、25分のヤブ漕ぎで頂上に到着。山頂部は意外と広く、雪で覆われていた。
頂上は、その奥だが、ヤブの中で、標識もなく、古いピンクテープが結ばれているだけだった。樹間越しに手稲山の山頂部が見える。
9:05、頂上の東端から、手稲山山頂部を眺めて、下山開始。
岩峰まで戻って、岩壁を巡らせる手稲山の山頂部を眺める。良く見ると、左下にスキー場の管理道路のようなものが見える。
もし、それがそうなら、手稲山へも寄って、ゲレンデの中を下ることが可能だ。であれば、怖い急斜面の下りのトラバースはしなくて良いことになる。
近づいて行ってみたら、案の定その上にあるリフト終点から上へ続く管理道路だった。スキーのトレースもある。
それを辿って左から巻くようにアンテナ群の中を登って行き、一人の先行者に迎えられて、9:40、当初は考えていなかった手稲山頂上に到着。
早速、柵を乗り越えて、ヤブ漕ぎで往復した岩峰から西峰までの稜線を眺める。念願の西峰登頂が叶った満足感に浸る。
10分ほど休んで、下りは、まだ、コブの残るゲレンデの急斜面をグリセードまがいの立ち滑りを楽しみながらどんどん下る。最後は少し車道を歩いてゴール。10:30だった。
ゴール手前で目にしたエゾノリュウキンカ
今回の西峰から手稲山へのコースを逆に利用すれば、下から直接登らなくても、手稲山から往復することは可能だ。時期的に、もう少し早ければヤブ漕ぎもない。
登り、西峰まで2時間、手稲山まで35分、下り40分。それぞれの山頂での休憩時間を含めても、3時間40分の大満足の周回登山だった。
下山後は、ていね温泉ほのかでまったり過ごす。夜は、ブログ「田舎おじさん、札幌を見る!観る!視る!」のMaruさんから、登山中にお誘いの電話があり、軽く飲む予定となった。