劇作家協会の広報紙「ト書き」、その大量頒布用として新たに構想された最新版がついに完成。劇場や公演などで手にとる機会もあると思いますので、よろしく。協会への入会を促す目的も籠めて、世代交代を果たした新人事による新役員揃い踏みの座談会を中心とした特集号だ。瀬戸山美咲 (ミナモザ)、前川知大 (イキウメ)、長田育恵 (てがみ座)、赤澤ムック (黒色綺譚カナリア派)、中津留章仁 (TRASHMASTERS)、谷賢一 (DULL- COLORED POP) 、進行役は土田英生 (MONO)。瀬戸山美咲責任編集による。というわけで、若手劇作家の方々には、こんな感じでやっているんなら自分も、ということで、ぜひとも協会に入っていただきたい。……幾つか感想。採録されていないことについてだけど、この座談会の中で出てきた、「劇作家どうしの夫婦はいない」というのは、考えてみると、確かにそうだな。ほんとうにいないのか。誰か忘れているかな。で、『熱海殺人事件』に一瞬はまったけれどと本人が語り、自覚はないらしいが、瀬戸山くんにつかこうへいの影響は、確かにあると思う。そして後半の話題に出てくる「エチュードから作った芝居」についてだが、ほんとはみんな認めていないのがよくわかる。なのに何となく認めたような空気で喋ってしまうのが、なんだかな。……斎藤憐さんにも聞かせたかった。そして今、協会が、「せりふの時代」という雑誌を持っていないことを、新たな世代に対して、申し訳ないと思う。……高校演劇特集の次回大量頒布用「ト書き」も、まもなく出回るはずである。協会全体がリフレッシュしたことが、あらためて、ほんとうに嬉しい。……引きこもり生活の末に、支援を続けた姉を刺殺したとして殺人罪に問われ、大阪地裁の裁判員裁判で求刑を4年上回る懲役20年の判決を受けた被告が、判決を不服として控訴。被告は発達障害の一種であるアスペルガー症候群と認定されている。地裁は「母親らが(社会復帰後の)同居を断るなど、社会的受け皿が用意されておらず、再犯が強く心配される」という。しかしそれはおかしくないか。「障害を理由に刑を重くすること」はもちろん、「社会に受け皿がない」と決めつけることによって罪状と関係のない理由によって刑期が延びるなどという不条理は、あっていいはずがない。そしてこの件に対する私のような批判が、裁判員裁判への批判に転用されないように注意することも必要だ。……私が「アスペルガー」というコトバに敏感なのは、専門家でもない人達が、該当者の日常の言動に対する感想として「あの人はアスペルガーではないか」と決めつける現場を見たことがあるからである。それが病理であるなら、医師に判断された結果として以外には、それがどんなに相手に寄り添ったものであったとしても(診断を受ける段階までつきあうのでない限り)、「あの人はアスペルガー」というようなコトバは発されるべきではないと思うのだ。こんなことは常識の範疇だと思うのだが。
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