米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江のヘリコプター着陸帯(オスプレイのためでもある)工事が再開している。沖縄防衛局職員によると「確認作業」としているが、測量作業などだけで終わっているわけではない。資材・人員は朝早い時間帯を狙って入ってきているようだ。森本敏防衛相は22日の参院決算委員会で、オスプレイが米軍普天間飛行場周辺で訓練する場合の安全管理について「不測の事態でも安全に海域に出られる安全高度を維持することを日米で合意できれば、事故の被害・障害を最小限にくい止められる」「わざわざ民家の上で低空飛行する理由は軍事的に言えば、あまりない」「低空飛行する場合はそれなりの空域と安全空域を取り、例えば北部訓練場なりで訓練するのが普通のやり方だ」と言ってのけた。「北部訓練場」は、訓練場しかない山の奥ではない。そこには住民の暮らしがある。豊かな自然を湛えた森も破壊されてはならない。こんな理不尽が通れば、高江のたたかいが、この国全体から「無視」されていることになる。……アメリカ政府はハワイの二空港で予定していたオスプレイ着陸訓練計画を取り下げていた。「空港周辺の歴史的遺産に与える影響や騒音に関する住民意見などを考慮したため」という。普天間飛行場やその移設予定地についてはどうなのだ。環境影響評価(アセスメント)をやっても「問題ない」で片付けられてしまう。完全な「差別」が存在する。……かと思えば、米自治領・北マリアナ諸島テニアンのラモン・デラクルーズ市長は「日米両政府が将来的に米軍普天間飛行場の日本国外移設を検討した場合、テニアンへの移設に応じる」と表明。米軍と自衛隊の共同訓練についても歓迎するという。しかし日米両政府はテニアン案についてまともに討議はしない。アメリカは相変わらず「日本からの思いやり予算も付いて一つの島に機能がまとまった沖縄は住み心地がいい」「第二次世界大戦での多くの代償を払った〈戦利品〉である沖縄を手放したくない」というのが本音だし、韓中との領土問題に怯える日本は米軍に「沖縄から出て行かないで」と懇願している。……ベトナム戦争で枯れ葉剤が沖縄で使用、貯蔵されていた証言も集まっている。日米政府は真剣に取り組む姿勢を見せない。昔も今も変わらないということだ。……陸上自衛隊第15旅団の装甲車2両が22日昼過ぎ、沖縄市高原の国道329号を、機関砲の砲身が見える状態で、那覇訓練場から米軍ホワイトビーチ、キャンプ・ハンセンに移動しながら偵察訓練したという。「米海兵隊でさえ砲身全体を覆って移動するのに、陸自はむき出し。市街地を訓練場にしたあからさまな示威行為だ」と批判されている。……「戦闘」そのものは起きていないが、「危機」「破壊」「汚染」は、今、ここに既に確実に存在する。「軍隊」がその本性をあらわして住民を抑圧し、人々が身を持って抵抗したらどうなるか。その「ボーダー」は、実に頼りないものだ。……パレスチナ住民が身を挺してイスラエルの土地収奪の横暴と戦う記録の映画『壊された5つのカメラ -パレスチナ・ビリンの叫び-』を、土井敏邦監督のご厚意で観ることができた。土井さんは、来日する監督と「非戦を選ぶ演劇人の会」との対話の場も設けてくださった。これは必見の映画で、観れば必ず、撮影者でもあるイマード監督本人に会いたくなるはずである。そしてこの映画に感銘を受ける者は、かの国から遠く離れていても、イスラエルの抑圧に抗するたたかいに連帯したいと思うだろうし、それは、高江でのたたかいを、真に我がこととして捉えるという認識に繋がらなければならないはずである。
映画『壊された5つのカメラ -パレスチナ・ビリンの叫び-』
イマード&ガイ監督来日記念シンポジウム
「非戦を選ぶ演劇人の会」との対話
世界の映画祭で数々の賞を受賞し注目を浴びるパレスチナのドキュメンタリー映画『壊された5つのカメラ』がついに、9月下旬から日本で公開されることになり、それを記念してパレスチナ人、イスラエル人の両監督が8月下旬に来日します。
この映画を観て感動した「非戦を選ぶ演劇人」たちと、パレスチナを追い続けるジャーナリストが、両監督と、パレスチナ、占領、戦争、平和、そしてドキュメンタリー映画について語り合います。
【日 時】2012年8月30日(木)午後6時・開場/午後6時30分・開演
【場 所】明治大学リバティタワー1F 1011号室
【参加費】1,000円
【主 催】「土井敏邦 パレスチナ記録の会」
【共催】社会思想史研究会
【協力】非戦を選ぶ演劇人の会、浦安ドキュメンタリーオフィス
【問合せ】doitoshikuni@mail.goo.ne.jp
【内容】
〔1部〕映画「壊された5つのカメラ」(ダイジェスト版/30分)上映
〔2部〕両監督との対話
【出演】
イマード・ブルナート監督(パレスチナ人)
ガイ・ダビディ監督(イスラエル人)
渡辺えり(劇作家・演出家・俳優)
根岸季衣(俳優)
古居みずえ(ジャーナリスト/予定)
【司会】 土井敏邦(ジャーナリスト)
http://hisen-engeki.com/
映画『壊された5つのカメラ -パレスチナ・ビリンの叫び-』
イマード&ガイ監督来日記念シンポジウム
「非戦を選ぶ演劇人の会」との対話
世界の映画祭で数々の賞を受賞し注目を浴びるパレスチナのドキュメンタリー映画『壊された5つのカメラ』がついに、9月下旬から日本で公開されることになり、それを記念してパレスチナ人、イスラエル人の両監督が8月下旬に来日します。
この映画を観て感動した「非戦を選ぶ演劇人」たちと、パレスチナを追い続けるジャーナリストが、両監督と、パレスチナ、占領、戦争、平和、そしてドキュメンタリー映画について語り合います。
【日 時】2012年8月30日(木)午後6時・開場/午後6時30分・開演
【場 所】明治大学リバティタワー1F 1011号室
【参加費】1,000円
【主 催】「土井敏邦 パレスチナ記録の会」
【共催】社会思想史研究会
【協力】非戦を選ぶ演劇人の会、浦安ドキュメンタリーオフィス
【問合せ】doitoshikuni@mail.goo.ne.jp
【内容】
〔1部〕映画「壊された5つのカメラ」(ダイジェスト版/30分)上映
〔2部〕両監督との対話
【出演】
イマード・ブルナート監督(パレスチナ人)
ガイ・ダビディ監督(イスラエル人)
渡辺えり(劇作家・演出家・俳優)
根岸季衣(俳優)
古居みずえ(ジャーナリスト/予定)
【司会】 土井敏邦(ジャーナリスト)
http://hisen-engeki.com/