翁長雄志沖縄県知事の死の重さは、沖縄の皆さんの間で、思った以上にずしりと響いているようだ。
健康状態のことは周知の事実であり、残念ながら予想されていた事態ではあるけれど、米軍基地建設に反対する人たちの初心は、ぶれることなく維持されているはずだ。
タイミング的にはずいぶん待たせたけれども、翁長知事が辺野古の埋め立て承認撤回を表明したことは事実であり、辺野古で基地建設に抗う人たちはじめ、残された者たちによって、その先へと反対の動きは進められていくはずだ。
新知事選挙については、困難が予想される。「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」を中心とした体制を見直すことも必要になってくるのかもしれない。
沖縄から離れて生きている者に何ができるかわからないが、少しでもやれることは見つけていきたい。
そんな状況下で、菅義偉官房長官は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について「日米同盟の抑止力維持、普天間飛行場の危険除去を考えたとき、唯一の解決策ということに変わりない」と改めて辺野古移設推進を強調した。何に対する「抑止」かさえきちんと説明できないくせに、何を言っているのか。正しい「解決策」は、基地を作らないということだけだ。
公明党の山口那津男代表に至っては、「ほかに現実的な選択肢がみられない以上、これからも丁寧に県民の理解を求めながら危険を取り除くための努力をしていかなければならないと思います。総じて、沖縄県の皆さまの基地負担を軽くしていくことが、政府の責任であると思っています。翁長知事も異は唱えられないと思っています」と発言。
これは、「万策尽きたら夫婦で一緒に(辺野古基地前に)座り込むことを約束している」と常々言っていた翁長県知事の意向・実情に反した、まったく事実無根のデマを飛ばしたことになる。「翁長知事も異は唱えられないと思っています」という有り得ない暴言は、死者への冒涜である。政権政党の代表がフェイクニュースを垂れ流す現実は、あまりに醜悪だ。
そもそも翁長知事の考えは「基地負担を軽く」、ではない。「基地をなくせ」と言っているのだ。
写真は、辺野古の抗議船。
抗議船の船長の一人、横山知枝さんが、「非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディングvol.22 」の、8/29(水) 全労済ホール/スペース・ゼロでの「リレートーク」に参加してくれることになりました。
https://www.facebook.com/HisenEngeki/photos/a.303791699798909.1073741828.141024729408941/1013424245502314/?type=3&theater