Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

【座・高円寺】ドキュメンタリーフェスティバル・コンペティション部門大賞は、『ヤメ暴~漂流する暴力団離脱者たち’18〜』

2019-02-11 | Weblog

【座・高円寺】ドキュメンタリーフェスティバル・コンペティション部門大賞は、『ヤメ暴~漂流する暴力団離脱者たち’18〜』
(2018年/69分/Blu-ray/カラー/CBCテレビ ディレクター:下野賢志)が、選ばれた。

なんですぐにこの記事をアップするかというと、このバージョンが今夜というか明日未明というか深夜2時台に、TBS系で放送されると下野ディレクター自身が受賞の辞で語ったからである。(間違いないよね?)

テレビですぐ見れるのだ、ということでもあるが、私はスクリーンで見られてよかった。『ヤメ暴~漂流する暴力団離脱者たち’18〜』は、人間ドラマである。ラストのセリフは胸に迫る。今の日本がこの角度から見られる、という現実。劇団と暴力団は似たようなところがあるというような選者もいたらしいが、どうなのだろう。

途中からしか観られなかったが、『ラーマのつぶやき』も魅惑的だった。何より、シリアから日本に移住したティーンエージャーのラーマ自身の存在感が、素晴らしいのである。

座・高円寺が、ドキュメンタリー・ジャパンさんと一緒にこの催しを十年続けてきたことは、すごいことだ。『標的の村』以降の三上智恵監督の能動的な動きも、この大賞受賞から始まったのだと思う。

前夜に高円寺で受賞した『ヤメ暴~漂流する暴力団離脱者たち’18〜』、本当にTBS系で放送されたが、もう一度ラストだけ見たいと思って終わり頃を観たところ、あの、映画版で新たに追加されたラストは、放送しなかった。当然、あのセリフもない。ないのでネタバレになるも何も関係ないので防忘的に記せば、孤独についての言及である。

 

http://zkdf.net/competition/#yamebou

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この顔にピンときたら、

2019-02-11 | Weblog

Pカンパニー公演『拝啓、衆議院議長様』。2016年、神奈川県相模原市の障害者施設「やまゆり園」で起きた元職員による大量殺人事件が法廷で裁かれるまでを描いた。このところ新作を連続して多数発表している古川健・作。早々に完売し、評判も上々ということである。弁護士を主人公にした作劇。犯人が事件を起こす前に衆議院議長宛に自分の主張を届けていたことを示す『拝啓、衆議院議長様』というタイトル通り、現在の日本の政治にも肉薄するかと想像していたが、そちらの方向ではなかった。公演は本日まで。

私は個人的に、事件そのものとその後の報道や社会での反響について、被害者や被害者になっていたかもしれない人たち自身の人権が尊重されるべきという考え方が強くあるため、複雑な思いを抱いてしまう面はある。

犯人=被告役は、荻野貴継。

荻野は、昨年初演の燐光群『九月、東京の路上で』での衆議院議員を脅迫する自衛官役でも、その不気味さ、怜悧さへの指摘が多く、反響があった。この役を演じることが決まって一年前から役作りをしていたという今回の犯人役も、評価されているようだ。

荻野が引き続き自衛官役を演じる『九月、東京の路上で』は、再演される。3月15日 (金) ~31日 (日) 、下北沢ザ・スズナリ。四月はツアーに出る。

写真は、昨年秋、燐光群『サイパンの約束』稽古場での、荻野。この時は映画の助監督役で、危険な奴ではありません。(撮影・古元道広)

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