いろいろなことが押し寄せていると、あれがいつのことだったのか、今年なのか、もっと前なのか、と、錯覚する。
私は今年六月にロシアに行った。二週間。珍しく上演やワークショップのためでなかったせいもあって、記憶が緩やかだ。
遠い時間のようだが、あれは今年だった。
初のロシア。積年のイメージが、現実を前に、像を結んだ。
1991年、岸田戯曲賞受賞後第一作は、『汚名』という劇で、ロシアというか、ソビエトについての芝居だった。
いろいろなところで、ロシア、ソビエトのイメージが自分の中に潜在していたことを、あらためて思う。
で、今やっているいろいろな仕事に、有形に無形に、ロシアに行ったことの影響があらわれはじめている。
写真は、夜のボリショイ劇場。