Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「あいちトリエンナーレ2019」への文化庁の補助金不交付の方針は、権力者判断の恣意的な表現の抑圧に繋がる

2019-09-26 | Weblog
「あいちトリエンナーレ2019」への、文化庁の補助金が不交付とされる方針であると、報道されている。
菅長官の問題発言から継続している問題である。

「事前の申請内容が不十分だった」「補助事業の申請手続きにおいて不適当な行為であったと評価した」と、理由を別なものにしているが、これらを容認することは、恣意的に「表現の自由への抑圧」を可能にしてしまうことに繋がらないか。

「慰安婦を象徴する少女像などの展示をめぐって脅迫めいた電話などが相次ぎ一部の展示が中止され」という報道がされているが、脅迫によって開催が危ぶまれてしまった事態に対して、「実現性が乏しい」という判断をし交付を取りやめるのであれば、問題があるのが「脅迫」そのものではなく、それを誘引した表現とその開催者ということにされてしまったに等しい。妨害者に対して「脅迫すれば中止に持ち込める」というお墨付きを与えたに等しい。

「少女像などの具体的な展示内容の説明がなく不十分だった」というが、「少女像などの具体的な展示内容の説明があった」ときに、どのような判断をされるのか、明らかにしてほしい。これが「事前検閲」的な評価に位置づけられるかどうかについて、私たちは、広く知る権利があるはずだ。

このままでは、今後、文化庁さんは、「脅迫される可能性のある表現活動には金は出さない」ということになるかもしれないのである。同時に、やらせてみて気に入らなければ、「脅迫されているじゃないか」という理由で、補助金交付もとりやめる、引き上げる、そういうことができるように方針を固めた、ということかもしれないのだ。このままでは、そのように不安に思われて、当然である。

愛知県はまだ公共団体だから経済的なリスクをなんとかできるのかもしれないが、民間団体の場合、時の政府の掲げた方針に少しでも反する表現は、自分たちの存亡の危機をかけて行わなければならなくなる、ということなのだろうか。国家批判も辞さないリベラルな表現を身上とする表現主体は、補助金をもらえなかったり取り下げられたりするかもしれないという不安と、常に闘わねばならなくなるかもしれないのだ。そして、じっさいにそうした判断が下されれば、へたすれば、いくつもの劇団が潰れる。

10年ちょっと前、私がパリ日本文化会館で講演会をしたとき、「日本にも真に愛国心のあるアーティストがいたのですね」と言われた。簡単に言えば、「自分の国の政府(ガバメント)を批判できることは愛国者の基礎条件だ」ということだったのである。

文化庁さんと繋がる以前に、別な公共団体と提携していたときなども、まっさきに「自己検閲」の対象にされる可能性がある。このままでは、「愛知県の轍を踏むな」ということになってしまうかもしれないからである。

今回の文化庁さんの判断は、自由な表現をする者にとっては、多大なリスクとなる。
おわかりになっていただけるだろうか。

愛知県の大村知事も26日、法的措置を取ることを表明したという。「正直言って驚いた。手順、手続きに従ってやってきて採択決定まで頂いている。それが抽象的な事由で一方的に不交付が決定されるのは承服できない。合理的な理由がない」と指摘したと聞く。決定の取り消しを求め、国を訴える考えを明らかにした、ともいう。大村知事は、中止となった企画展「表現の不自由展・その後」の再開を目指す意向も表明している。実現してほしい。

とにかく、他人事とは思ってはならないことである。表現者全体にとって。

 
……自分の仕事でパンク状態で、大半は昨日午前に記したまま、書き込むのが遅れた。新しい情報はあまり見られて鋳ない。情勢がその後変わっていたら、失礼。
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『なにもおきない』初日まで一週間。

2019-09-26 | Weblog

『なにもおきない』稽古場写真公開、第五弾。

大西孝洋、円城寺あや。

これは冒頭に近い場面だが、ラストシーンまで繋がった今の段階で、またこの場面も違って見えてくるだろう。

初日まであと一週間、楽しんでゆきたい。

舞台装置は上部以外はほぼ完成している。

自分たちのスタジオで上演する贅沢さ、である。

小道具も仮のものから本番用に転換が進んでいる。

さらにこだわる。

今回、二場面に登場する、ある「ブツ」も届いた。

情報公開できないのが、歯がゆい。

ともあれ、お楽しみに、である。

 

撮影・古元道広。 

………………………………………………………………

 

『屋根裏』以来の、演劇の革命。

 

『なにもおきない』

 

世界一小さな舞台空間が浮かぶ、圧倒的虚無の劇世界。演劇と「事件」の境界線が、いま解かれる。

 

猪熊恒和 大西孝洋 杉山英之  武山尚史 樋尾麻衣子 町田敬介 西村順子  川中健次郎 鴨川てんし 円城寺あや

10.2 Wed. - 16 Wed.

梅ヶ丘BOX  

 

開演時刻

10月2日(水) 19:00(プレビュー)

10月3日(木) 19:30

10月4日(金) 14:00 / 19:30

10月5日(土) 14:00

10月6日(日) 14:00

10月7日(月) 14:00 / 19:30

10月8日(火) 19:00

10月9日(水) 14:00 / 19:00

10月10日(木) 19:00

10月11日(金) 14:00 / 19:00

10月12日(土) 14:00

10月13日(日) 11:00 / 16:00

10月14日(月・祝) 14:00

10月15日(火) 14:00 / 19:30

10月16日(水) 14:00 / 19:30

 

<全席自由> 「なにもおきないの会」会員券

一般前売 3,500円 ペア前売 6,000円 当日 4,000円  U-25/大学・専門学校生2,500円 高校生以下1,500円   ※U-25 以下の割引は前売・当日共通料金。当日受付にて要証明書提示。 【◎は前半割引】10/3(木)〜9(水)の期間は、どの回もどの券種も300円引き! ご予約順に番号をお取りする整理番号付チケットです。開場時に番号順にお入り頂きます。 開場時間を過ぎますと整理番号は無効になります。 

< 前売開始> 9月8日(日)11:00 受付開始|開演の30分前 開場|開演の15分前

10/2(水) はプレビュー、一律2,500円・人数限定・撮影等あり。   坂手洋二とゲストによるアフタートークを予定しています。 くわしくは追って劇団 HP 等でお知らせいたします。

 

【前売扱所】

◆[ 燐光群オンラインチケット ] http://rinkogun.com

    一般・ペア前売のみ扱い。WEB上でご予約頂き、セブンイレブンでチケットをお受け取り頂けます。

    お支払いは現金(セブンイレブン)、またはクレジットカードとなります(手数料はお客様負担)。※会員登録(無料)が必要です。


◆[ ご予約・お問合せ ]燐光群/(有)グッドフェローズ

    03-3426-6294

    当日精算予約フォーム  https://www.quartet-online.net/ticket/nh1002box

    ①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお知らせください。予約フォームでは自動返信にて予約完了となります。

       メール不着の際はご連絡ください。

    ②開演直前は受付が混み合いますので、開演の10分前までにお越し下さい。      

キャンセル・日時変更はできません。未就学児のご入場はご遠慮下さい。

開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。

 

照明|竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)

音響|島猛(ステージオフィス)

美術|じょん万次郎

音楽|太田惠資

振付|矢内原美邦

衣裳|ぴんくぱんだー・卯月

舞台監督|森下紀彦

擬闘|山村秀勝

演出助手|中山美里

文芸助手|清水弥生   久保志乃ぶ

宣伝意匠|高崎勝也

協力|浅井企画

制作|古元道広   近藤順子 主催|有限会社グッドフェローズ

助成|文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

 

http://rinkogun.com/Nanimo_Okinai.html

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地球温暖化ストップ

2019-09-26 | Weblog

スウェーデンの高校生グレタ・トゥンベリさんが、たった一人ではじめたという地球温暖化にストップをかける活動。

ずいぶん盛り上がっているようだけれど、彼女の活動を評価するならば、すべきことは、彼女のことを言挙げすることではなく、自分の町の、温暖化を阻止する活動する人達を支援し、共に行動するか、あなたの国の政策が間違っているならば、それを正してしてゆくことだろう。

「そういえば原発ってCO2出さないね」とか言っている人がなくなりますように。

 

いま現在、石炭のことを芝居で扱っているので、なかなか辛い気持ちでいます。

 

 

 

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第25回劇作家協会新人戯曲賞 最終候補作 6作品発表

2019-09-26 | Weblog
第25回劇作家協会新人戯曲賞 最終候補作 6作品は、以下の通りです。
 
『宮城1973 −のぞまれずさずかれずあるもの』 大西弘記 (神奈川県)
『月漸く昇る』   在原彩生 (千葉県)
『Gloria』      奥村千里 (東京都)
『郊外組曲』    方丈栖 (愛知県)
『泳げない海』   三吉ほたて (神奈川県)
『盲年 (もうねん)』 藤井颯太郎 (京都府)


応募戯曲到着順/2019年9月25日発表)

12月上旬には以下の作品が掲載された「新人戯曲集」(ブロンズ新社刊)が出版される予定です。

最終審査会の情報は、以下を御覧ください。


第25回劇作家協会新人戯曲賞 最終審査会
 [日時] 2019年12月15日(日) 18:30開始予定
 [会場] 座・高円寺2(地下2階ホール)


 正賞は時計、副賞として50万円が贈呈されます

最終審査員
 坂手洋二 篠原久美子 瀬戸山美咲 佃 典彦
 土田英生 マキノノゾミ 渡辺えり

審査会司会
 横山拓也


 二次審査員
石原 燃 長田育恵 鹿目由紀 篠原久美子 鈴江俊郎 鈴木 聡
瀬戸山美咲 佃 典彦 楢原 拓 マキノノゾミ 山田裕幸
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