在宅ワークの合間にこんなことを書いていては時間がもったいないのであるが、昨日今日は懸念の事案を幾つかこなし、あるいは、やっつけつつあるので、まあ、いいことにする。
在宅ワークの合間にこんなことを書いていては時間がもったいないのであるが、昨日今日は懸念の事案を幾つかこなし、あるいは、やっつけつつあるので、まあ、いいことにする。
小泉進次郎環境相は本日、閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスの感染リスクが高い状況下で働くごみ収集作業員のため、「激励と感謝の気持ちを伝えるメッセージや絵をごみ袋に描くこと」を提案したという。
小泉氏は「感謝の輪に加わっていただけたらありがたい。作業員の方々に大いに励みになる」というが、励みになるより、邪魔になる。
「いつもありがとう」とかメッセージが書いてあったとして、何かの注意書きかと思ってそれを読む、目に入れて確かめる手間を、考えて下さい。無視してどんどん捨てたほうが効率はいいですよ。
さて、小泉氏の言葉の続きでは、「休校や外出自粛で家にいる時間を使って、ごみ袋にメッセージを。SNSでも発信を」と訴えたそうだが、いったいどこに発信するのだ? そもそも気づかぬうちに感染していた者が何か書くために袋をいじってしまったら、かえって危険ではないか。
小泉氏は、外出自粛に伴い家庭からのごみが増えていることにも言及し、「できるだけ片付けごみを出すのを控えめに。または少しずつ出すような工夫をお願いしたい」と述べたというが、控えめにと言ったって、出さざるを得ないものである。きちんと閉じる、危なくないように詰める、それは合理性であり、たんに常識である。少しずつと言ったって、大きすや重すぎもいけないだろうが、袋一つが小さすぎても、労力は増す。
というか、この状況で大臣が言うことがこれか?!
関係ないけど、もう三十年前に初演した私の劇『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』は、ゴミを巡る劇だ。収集作業員の青年は、ピンク色のリボンが巻いてある、当時は真っ黒だったゴミ袋を捨てようとして、手を切ってしまい、憎悪に燃える。初演ではその青年を、猪熊恒和が演じた。
初演とその後の全国ツアーには私も出ていて、冒頭ではゴミ袋に入ったまま暴れ、やがて出てきて1ページの長台詞を喋る。アングラである。
「パパ」と呼ばれる教祖に自分のゴミ袋を差し出して中身を見せる血縁のない娘たちがいるという展開で、「リア王」の変奏曲であり、千石イエスのことも意識している。
もともとは廣木隆一監督の映画のシナリオとしてスタートした企画だった。
2001年の再演では「パパ」を柄本明さんが演じ、ヨーロッパツアーも敢行した。ベルリン、ライプチヒ、ワルシャワ等を巡った。
当時のことは最近もライプチヒに触れたブログに書いた ↓
https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/ab2a666ef5572931e363c20f15571164
いろいろ思い出深い。
而立書房から出ている戯曲集は現在、在庫切れである。重版の相談をしているところに、コロナ禍が来た。困った巡り合わせである。