Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『カウラの班長会議』の「男子」「女子」

2013-03-16 | Weblog
かなりしんどい書類作業を終える。劇場に行ってしまえば、今日はアフタートークもなく、落ち着いた日ではある。『カウラの班長会議』は大半が男性パートと女性パートに別れて構成される芝居だ。人数的にいっても「クラス」なので、「男子」「女子」という言い方が馴染んでしまう。「男子」「女子」に別れていると、やはりある部分、「男子」は体育会的に、「女子」は女子会的になっていくのが面白く、「男子」どうし「女子」どうしはともかく、「男子」と「女子」の組み合わせでは、あまりちゃんと話したことのない者どうしもいるのではないかという感じもして、別にそれが心配ということもまったくないのだが、なんだか担任の先生モードになってしまう。ある意味では日本的な空気を反映している。しかし演劇は自由だ。そのことを遊び、笑うこともできる。……安倍首相は環太平洋連携協定(TPP)交渉参加正式表明。「あらゆる努力で日本の農、食を守ると約束する」と明言しつつ「既に合意されたルールがあれば、遅れて参加した日本がひっくり返すことが難しいのは厳然たる事実だ」と。コメもサトウキビも国内で作れなくなっていいのか。「今がラストチャンスだ。この機会を逃すことは日本が世界のルールづくりから取り残されることにほかならない」というのは何を怖がっているのか。工業的生産国として落ち目の国、効率よい生産が期待できない国が何にすがりつく必要があるのか。負けるに決まっている土俵になぜ上がるのか。そもそも「聖域」などといっているのがおかしい。「原則」が共有できないのなら入るべきではない。「脱退を云々するのは国益に反する」とも言うこの人は、丸投げで国家を売り渡した。情報については「交渉に参加すれば入手しやすくなる」というが、そんな情報もない状態で一方的な押しつけを拒否できないテーブルに加わる必要はない。子供でもわかる理屈だ。

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『カウラの班長会議』劇評が出始める

2013-03-15 | Weblog
職業柄、他者に批評されるという機会は多々ある。アマチュア時代だとそういうことは少ないが、長いあいだやってきていると、もう世間は許してくれない。憶測や見当違いのことまで好き放題に書かれる場合もある。そんな愚痴を言いたいわけではない。読売新聞、朝日新聞に連日、『カウラの班長会議』について好意的な劇評が載ったのである。読売新聞の山内則史さんの評はシンプルで客観的。劇の印象がその筆致を導き出していることがわかる。同時代的共感もある。朝日新聞の山本健一さんの評は、ちょっと驚いた。新聞評としてはかつて読んだことがないくらいの高評価なのだが、短い字数の中で、これでもか、と、濃厚な指摘が続く。文楽的な要素に言及、「男女一組で二役」はいささかネタバレなのだが、適確。「能の坂手式序の舞」「霞ヶ関の班長会議」も、言い得て妙。情報量も多いのに無駄のないきっぱりとした文。田中、東谷という新進俳優にも言及。こんな評を読んだら私自身も観に行きたくなるだろう。ありがたい。……アフタートークは映画監督の緒方明さん。楽しく話をさせていただいた。本日、日中は公演とは違う仕事に追われグロッキーだったが、元気が戻ってきた。……安倍はTPP交渉に入ろうとしている。公明党とややこしい打合せをしたようだが、そもそも交渉に入らなければそんな苦労は要らないのだ。

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独立国家を云々するなら

2013-03-14 | Weblog
沖縄の、米軍北部訓練場一部返還に伴う東村高江のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設工事で、沖縄防衛局は琉球新報の質問に対し、高江集落に最も近いN4地区の工事が「2月末までにおおむね完成した」と明らかにしたという。伊集盛久東村長は、建設容認とオスプレイ配備への反対に「矛盾するという指摘はある」と認めた上で「CH46のためという使用目的や規模が変わったかはっきりしない。オスプレイは反対だが、現状は(建設を)認めざるを得ない」と、容認の姿勢を維持するという。しかしオスプレイの飛来は事実としてあり、集落を取り囲む形で計画されている新ヘリパッドがオスプレイ訓練に使われることは明らかである。村長も即刻反対しないと理屈に合わないではないか。……自民党石破幹事長は、大規模な災害などに適切に対応するため、政府が国民の権利を一時的に制限することができるように、憲法を変える考えを示した。「憲法に必要な条文が盛り込まれていないのは、憲法ができたときに日本が独立国家ではなかったからだ。国家が独立した以上、必要な条文を持つ憲法を作る」というが、以来続いている「対米従属」の日本外交そのものを改めることもしないで、何を勝手なことを言っているのか。独立国家を云々するなら日米地位協定を先に変えるべきだろう。安全保障面で日本は米国への隷属が続く。オスプレイ配備でも、じっさいは日本政府が米軍の配備を拒む力などないところからスタートしているのだ。……とんでもないニュースとしては、日本維新の会の西田譲衆院議員が衆院予算委員会で、「原発事故で飛散したセシウム線量は微量。個人の外部被曝線量は年間実績でわずか数ミリシーベルト。避難させることはおかしい」として避難者の即時帰宅を求め、「農作物にセシウムの被害はほとんど考慮に入れる必要はない」と言い放ったという。おそろしいまでに、政治が国民の安全と権利を真摯に考えていない状況である。……『カウラの班長会議』昼夜二公演の日。さすがにヘビー。アフタートークは中園ミホさん。懐かしい話もいろいろ出てくる。

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風の強い日が多い

2013-03-13 | Weblog
芝居の初日前日だったか、昼間にものすごい砂埃が強風にあおられて吹きすさんでいた。「黄砂」かと思ったが関東地方の砂らしい。「黄砂」が中国から運んでくる微小粒子物質「PM2.5」は健康被害の恐れがあるらしい。私も呼吸器系や目の粘膜がそんなに頑丈ではないので、本当に困る。しかしあの昼間の空を暗くする砂嵐はなんだか世の終わりを感じさせる、おそろしい感じがした。……安倍晋三首相は第二次世界大戦の戦犯を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)について「大戦の総括は日本人自身の手でなく、いわば連合国側の勝者の判断によって断罪がなされた」という。東京裁判に懐疑的な見方を示せば世界中からの反発が予想されることをわかっているのだろうか。「歴史に対する評価は専門家に委ねるべきだ。政府が研究を行い意見を述べることは外交問題に発展する可能性もある」とも言っているらしいが、こんな二枚舌は他国には通用しない。TPT問題といい、これほど短期間に「国益」を一挙に失わせた人も珍しい。「A級戦犯は国内法的には戦争犯罪人ではない」と明言することは、外交を放棄したようなものだ。……『カウラの班長会議』、写真を一部公開します。……本日は大学一年の同級の友人たちが大挙十人で来てくれる。ありがたい。

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誕生日だった

2013-03-12 | Weblog
夕方、集中的に稽古をして、やっと終えたとき、劇場でサプライズというのか、皆からバースデーケーキを出された。ありがたいことだが、見事にそういうことがあり得ることを失念していて、不意打ちを食らった。偶然会った人にもおめでとうと言われる。フェイスブックの効用だと思う。……じっさいにカウラで脱走に加わったMさんが来てくださる。開演前に収容所内部のセットを見て、触れて、「こんなだった」「よく再現しましたね」「自分のいたハットにはあの位置には柱はなかった」等々。……山田真美さんとアフタートーク。……政府は12日午前の閣議で、1952年にサンフランシスコ講和条約が発効した「主権回復の日」に当たるとして、4月28日に政府主催の式典を開くことを決定した。同条約は51年9月、第2次大戦の対日講和会議で調印された。52年4月28日に発効し、日本が「主権を回復」したという理解であろう。しかし、本土が「主権を回復」するために、沖縄が差し出された事実を、どう考えるのだ。沖縄にとっては屈辱の日だ。……屋良朝博さんによれば、ハワイ大学東西センターで11日に開かれた沖縄基地問題フォーラムで講演したハワイ州のアバクロンビー知事が、沖縄海兵隊のハワイ受け入れプロジェクトを公表したという。家族向けの住宅建設計画も策定済み。ワシントンで国防省を中心に計画の売り込みを始めるらしい。財政難でハワイに駐留する陸軍の削減が検討されている中、基地収入の減少を懸念するハワイ州が沖縄海兵隊を呼び込もうとしているということなのだという。同知事は「占領状態が続く沖縄の現状はアンフェアーだ。冷戦が終わっても、軍部はなお世界大戦に備えようとするのか。海兵隊の沖縄配備は不要だ」としている。日本政府が沖縄に固執する「地理的優位性」はもはや論拠が消滅している。海兵隊の機能も知らずに「北朝鮮からの攻撃に対する防衛のため海兵隊の沖縄駐留は必要」と言い放った安倍に比べると、同知事のほうが現状をはるかに理解していると言えよう。昨年は米側から提示された海兵隊1500人の岩国移転案を日本政府が拒み、海兵隊は邪魔者扱いされているわけで、結局、米側ではなく日本政府が米軍を沖縄に押しつけているのだ。

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三月十一日

2013-03-11 | Weblog
私の誕生日は三月十一日である。フェイスブックの週まるごと紹介システムのため十日と勘違いされた方々(?)から一足早い前日お祝いメール等が来る。自分としては、積極的にはお祝いしたりされたりすることのできない誕生日なのだが、皆さまのご厚意に感謝する。ありがとうございます。……『カウラの班長会議』三日目。昼公演のみ。終演後、私をカウラに連れて行ってくださった元NIDA学長オーブリー・メローさん(写真)とアフタートーク。……終演後、私の好物ということになっている(否定はしないが)広島風お好み焼きを久しぶりに食べる。……今回の公演はオーディションで出会った若い俳優たちとの共同作業であることも楽しい。あまり多くは観ることのできていない最近の劇団の人たちとの出会いの場でもある。劇団に所属しているのは、谷賢一君の劇団〈DULL-COLORED POP〉から東谷英人さん、〈cineman〉の鈴木穣さん、〈TEAM JACKPOT〉の長谷川千紗さん、〈Utervision〉の佐次えりなさん、さらに、〈鹿殺し〉常連の水野伽奈子さん、といった方々である。他の俳優たちも小劇場界をいきいきと活動している方々。とにかく38人の俳優たちとの濃厚な時間をお約束する。

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ロジャー・パルバースさんとのアフタートーク

2013-03-10 | Weblog
『カウラの班長会議』二日目。ノート(世間で言うダメ出しのことをうちではそう言う)。稽古。ちょっと厳しく。初日も若干噛み合わないところがあり、ここで踏ん張らないと駄目だからだ。JAPAN TIMESの取材を受ける。カウラでじっさいに脱走に参加したMさんも劇場に来てくださる。急遽MさんもJAPAN TIMESの取材を受けることになったみたい。公演は満席。終演後、私をオーストラリアに送り込んでくださったロジャー・パルバースさんとアフタートーク。彼は元々アメリカ出身だがオーストラリアに帰化。四十五年住んだ日本を離れこの春からオーストラリアに移るという。トークは現在の日本の困った状況についてもいろいろ。三十分はあっという間に過ぎる。『カウラの班長会議』を絶賛してくださる。帰りしなにロビーで「最高!」と大声で言って帰って行かれた。韓国から来てくれたソン・ギウン君も「最高でした」と。ありがたい。オーストラリアのお客さんに見せたいという話も出ているが、大人数の芝居なので海外フェスティバル等は無理かと話していると、「維新派は六十人の大所帯でアデレードに行った」という話も出て、なるほど。ところで、清水弥生がニューヨーク短期留学から帰国。まだスズナリに顔を見せていないが、真面目な彼女の英語力はかなりアップしたようだ。写真は彼女がニューヨーク・シアター・ワークショップで行ったリーディング。3月20 日(水・祝)『カウラの班長会議』終演後は清水弥生作『My home town ~私がニューヨークに行くまで~』(仮題)リーディング&トークあり。
 
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『カウラの班長会議』開幕

2013-03-09 | Weblog
『カウラの班長会議』初日あく。私をカウラに連れて行ってくれた前NIDA学長オーブリー・メロー氏がわざわざ来日して観てくださる。この人、NIDAでメル・ギブソンやケイト・ブランシェットの師だったのである。七年前、そこに私を演出家として呼んでくれた。日本語がわからなくても相当楽しんでくれたようだ。38名の出演者の劇というのは、やはりとんでもない。全ての人間をそれぞれきちんと描いているところも、我ながらとんでもない。文字通りの大作である。でも正味二時間半内に収まった。物量攻勢のすごさもあるが、とにかくとくに若い俳優たちが初めての体験をしていることの臨場感は圧倒的である。まだ調整するところもあるので、二日目の昼間も早めに集合する。百聞は一見にしかず。控えめに言ってもこんな劇はそうそうないので、必見である。……写真は、カウラ事件の死者たちの墓の、命日である「1944.8.5」が刻まれた墓碑銘プレート。同じ日付けのこれが234枚、並んでいるのである。彼らのたましいに届くことを願う。

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『カウラの班長会議』いよいよ初日

2013-03-08 | Weblog
『カウラの班長会議』。まもなく幕開きである。私とオーストラリアの関係は、八年前、シドニーのNIDA(国立演劇学院)で演出し、二ヶ月滞在したことが、大きい。当時の学長オーブリー・メローさん、ロジャー・パルバースさんのおかげである。出演者も38名と大勢だが、これまでおそろしく多くの方々とのご縁で成立した芝居である。演劇とは、劇場とは、出会いの場であると、改めて痛感している。あらためて皆さまに御礼申し上げます。

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「3.11を心に刻んで 2013」出版と「星の息子」戯曲掲載

2013-03-07 | Weblog
2011年3月11日の大震災を受けて,岩波書店が同年5月からホームページで連載「3.11を心に刻んで」をスタートした。毎月3名の筆者が、過去の書籍などから言葉を引いて,その言葉をめぐるエッセイを書くというものだ。現在も継続中である。初号から2012年2月11日号までの連載が単行本第一弾として刊行されている。初年度は私も忙しすぎて加わることができなかったのだが、一年前にようやく書いた短文がその単行本第二弾に収録されることになった。……この春、いろいろなところに掲載された私の文章についてもご紹介させてていただこうと思っている。出版バブルの時代は本当にいろいろなところに書いた。連載も多かった。今はネット時代である。多くの雑誌・出版が苦難の道を歩んでいる。しかし粘り強く闘っている出版社はあるのだ。……まもなく発売の「悲劇喜劇」四月号に拙作『星の息子』が掲載される。昨年暮れの公演を見逃された方にはぜひ読んでいただきたいと思う。戯曲として。私とスタッフ・キャストの格闘の記録として。……『カウラの班長会議』初日はいよいよ8日。
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カウラの日本兵墓地

2013-03-06 | Weblog
『カウラの班長会議』で描かれるのは、オーストラリア・カウラ捕虜収容所で、一一〇四名の日本兵捕虜が集団脱走を遂げ、二三四名の命が奪われた事件である。収容所跡地の近くに、彼らの墓はある。戦時中オーストラリアで死亡した日本人五二二名の墓もカウラに集められ、現在のような墓地ができたのは一九六四年一一月という。私がその地を訪れたのは七年前である。綺麗な芝生に、まったく同じ色のプレートが何列か並べられている場所。プレートにはアルファベットの文字と数字が刻まれていた。私はそのアルファベットが、ローマ字の日本名であること、記された数字が「5-8-1944」という、まったく同じ数列であること、そしてその「5-8-1944」が、何百と並んでいることに気づいた。不思議な場所に迷い込んだと思った。「5-8-1944」は日付けである。一九四四年八月五日。「カウラ・ブレイクアウト」で亡くなった人たちの命日である。あらためてそこが殺された者たちの墓だと認識した時、微かに聞いていた脱走事件の記憶が蘇り、頭がきーんとしてきた。カウラの住民や退役軍人たちは、敵兵にもかかわらず、自国の兵士同様に、日本兵を手厚く葬った。事件で犠牲になったオーストラリア兵たちの墓地の隣である。日本兵の墓の幾つかは、名前のないプレートであった。アンノーンソルジャーズ、身元不明の墓たちである。捕虜たちは、名前があっても偽名を通した人もいたはずなので、ひょっとしたらその遺族の方々も、彼がカウラに来たことさえ知らないということがありうる。捕虜体験者の半数以上が、妻子にすらその事実を隠していたというのである。脱走で命を落とした日本兵死者の数は、二三四名。それだけ多くの人たちがほとんど同時に命を落とすというのがどういうことなのか、その時の私には、そして今の私にも、想像はできるが真の意味では理解できていないという気がしている。その時墓地で受け取ったと感じた大きな宿題を、『カウラの班長会議』という劇で、ようやく実現しようとしている。
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スズナリの看板が飛んだ

2013-03-05 | Weblog
劇場入りした。島次郎氏プランによるセットは、素晴らしい。ここがスズナリなのか、と驚く一方、スズナリでないとできないことをやっているのだ。いろいろ微調整。部分的に汚しを掛けたりしているわけだが、いろいろと小技を使っている中で、あるモノを使用。島さんも「これを使ったのは初めてだ」という素材を提案した。リアルにうまくいく。……2日前の強風でスズナリの看板右部分が吹き飛んでいる。なにしろ新幹線を止めた風である。おそろしいことだ。いやはや。この看板がなくなると流山児★事務所は『田園に死す』をやれなくなるので(理由は見た人はわかりますね?)、なんとかまた付けていただかなければなるまい。(写真)……今回の公演『カウラの班長会議』は、「都民芸術フェスティバル」に参加している。「昭和43年度からスタートし、44年間続く東京都の舞台芸術の祭典「都民芸術フェスティバル」。2012年9月にリニューアルオープンした池袋の「東京芸術劇場」をはじめ、半蔵門の「国立劇場」、下北沢の「ザ・スズナリ」など、都内全域の大小さまざまな劇場やホールを舞台に、東京に活動拠点を置く芸術文化団体が選りすぐりの作品を上演します。オーケストラから民俗芸能まで、優れた作品ばかりなので、お好みを見つけて劇場へ足を運んでみてくださいね!」ということである。
http://pr.enjoytokyo.jp/tominfestival/
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弁護士に励まされて自分が無実と思い込む?

2013-03-04 | Weblog
パソコンを利用して犯行予告メールを送り威力業務妨害の疑いで逮捕・勾留されていたK氏について、東京地検は3日、処分保留として釈放。ところが警視庁など4警察によるPC遠隔操作事件の合同捜査本部は、かつて大阪府警が誤認逮捕した2件について、偽計業務妨害とハイジャック防止法違反の疑いで再逮捕。現時点では起訴できる証拠はないということである。新聞報道の中で「捜査関係者」「警視庁幹部」が匿名で、K氏が「弁護士に励まされているうちに、自分が無実だと思い込んだのではないか」とコメント。どうしても犯人に仕立て上げたいらしい。冤罪であるかどうかを証明するのは疑われた方ではない。有罪を立証する責任があるのは逮捕した側である。マスコミもずいぶん踊らされたが、一時は警察発表を鵜呑みにして「犯人逮捕」を疑わなかったわけだ。すぐに一色に染められる今の日本の報道の空気がみごとに現れている事件だ。しかし「弁護士に励まされているうちに、自分が無実だと思い込んだのではないか」という主観的な発言が許されるのはおかしくないのか。そもそもこれは警察・検察側がふだんから「おまえが犯人だといわれ続けているうちに、自分が犯人だと思い込む」という操作をしているということの裏返しだろう。語るに落ちたわけだ。……「カウラの班長会議」、ついに稽古場を撤収。いよいよ劇場入りである。……韓国では演劇への文化助成に「後助成」というものがはじまったという。韓国文化芸術委員会の文化振興基金(助成金)の事業の一つ。作品の評価によって、事後に助成金がもらえる仕組みだ。今いろいろ調べ始めている。これが成立すると、助成に対するさまざまな制約が解消され、あるいは変わってくるのではないか。
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「保険の自由制度」は責任逃れか

2013-03-03 | Weblog
食物連鎖の上位の生き物に高濃度の放射性物質が蓄積する傾向があると、東京農工大と北海道大の研究チームの調査で判明している。福島第1原発から西約40キロの山林で、カエルから1キログラム当たり最高6700ベクレル超のセシウム137が検出されたという。決して消えない放射性物質が食物連鎖の末に濃縮しているということだ。事故や被害が広がれば、より広いエリアで何も食べられなくなるのではないか。……河北新報によると、福島第1原発原子炉建屋内の放射能汚染水を取り除いてためる貯蔵エリアが初めてオープンにされた。汚染水処理は廃炉作業の目下の最大の懸案で、貯蔵容量の限界が迫る中、タンクの増設でしのぐ背水の処理が続いている。貯蔵量は現時点で26万トン、飽和量の約32万トンに迫る。東電は2014年前半までに約8万トンのタンクを増設し、敷地を造成して15年度までに計70万トンの容量を確保する計画というが、タンクは既に敷地を埋め尽くすように並び、用地に余裕があるようには見えない。東電は処理水を最終的に海へ放出する考えだが、漁業関係者が反発し、最終処理の見通しは立っていない。地下水の流入は止まらず、さまざまな濃度の汚染水に姿を変え続ける。収束作業に当たる作業員たちは高放射線量や気象条件と闘いながら続く作業の中で、「臭いも色もなく、慣れるとだんだん恐怖感がなくなってくる」「人類の誰も経験したことのない作業に使命感を持ち、技術を駆使して挑んでいる。何とか役に立ちたい思いで作業していることを分かってほしい」と涙ぐんで訴えたという。現在は凍った現場で足を滑らせている冬場の作業の難しさを訴えるが、4号機からの燃料取り出しのため建屋をカバーで覆う工事に当たる技術者は「重装備に全面マスク。15分で汗だくになり、下手すれば倒れる」と、夏の熱中症対策が課題と訴える。これは地方紙で紹介されるだけでなく、全国で認識すべき問題ではないのか。……安倍首相はそれでも原発再稼働なのだ。うかうかTPP交渉に加わるというが、医療分野の危機をどう思っているのか。「国民皆保険制度」が崩壊するとき、放射能汚染にさらされた下請け労働者・国民の健康を支えるシステムまで視野に入れているのか。治療や生活保障のケアはどう考えているのか。今からTPPによる「保険の自由制度」を盾に、無責任体制にしておく作戦を立てているのか。
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「憲法」はどこへ行った

2013-03-02 | Weblog
集団的自衛権行使容認に向けた有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が、海上交通路(シーレーン)を共同防衛するオーストラリア軍や韓国軍が第三国から攻撃された場合、「自衛隊による反撃を認める」方向で検討するという。産経新聞のインタビューでそのリーダー柳井俊二元駐米大使は、「憲法9条で集団的自衛権は放棄していない」と主張。いつの間に、どうして、そんな解釈がまかり通るのか。豪韓両国の艦船防護について「豪州や韓国は同盟国ではないが、非常に緊密な関係にある。(集団的自衛権行使は)まったく当たり前の話であって心配ない」という。心配ないって、自分から言い出しているんだから、当然そうでしょうよ。集団的自衛権行使を認めることにより、シーレーン防衛・海賊対策で外国籍のタンカーなどを守る必要があるという、屁理屈という以上の、ためにする無理矢理な展開も出てきて、ついには公海上で米艦船が攻撃された場合は、自衛艦が「離れた場所にいても防護すべき」だと。どういう意味だその「離れた場所」というのは。それは「世界中どこでも」というふうに恣意的に広げられるということなのか。「せめてグアムぐらいは守ってくださいと米国がいってきたら、憲法上はできる。政策的にやるかどうか判断すればいい」と言い放った。「憲法上はできる」って、ちょっと前までは明確に「憲法上ではできない」だったはずだ。「集団的自衛権」を大前提にした構想が平然と語られるこの現実には、眩暈がする。今の若い人たちに言いたい。これは「常識」なんかじゃない。こんな論議はそもそも存在し得なかったんだよ、と。前提のハードルがどんどん下げられているこの現状の歪みをどう伝えていけばいいのか。……稽古場以外でもやることが多すぎる。問題山積。ともかく向かっていく。
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