母は本当に花が好きだった
球根や種はカタログから取り寄せ
種は直播
自然でおおらかな母流の園芸だった
気候の条件が良いこともあり
花はいつも健やかに育ち
庭にはいつも花が咲いていた
そんな母も90歳近くになると
体力的にではなく
花を育てるという一連の行為が
だんだん難しくなっていった
そしてそれは
老いというものだろうと思った
それからは姉が
四季折々花苗を植えてくれた
母が故郷を離れて6年
亡くなって2年半
母が植えた球根や宿根草は
故郷の庭で今年も芽を出した
母はきっと
この光景を見ていると思う
わが家の桜草も
こんなにきれいに咲いたよ
輪になって 輪になって