鮨を食った。
梅が丘の美登利寿司である。
かーたんが金曜日から抗がん剤治療を始める。
この薬は吐き気や嘔吐などの副作用がある。
これから半年、かーたんはまともなものを食べられないかもしれない。
そこでひとまず御馳走を食っておこうという算段である。
気は重く、手放しに楽しめる食事ではなかったが、鮨は美味かった。
梅が丘からバスで帰宅した。
秋思なれ耳鳴りばかり夜のしじま 素閑
秋思かな坊主頭でなに思う 素閑
妄想も秋思に似たり半狂い 素閑
らんらんと白灯光る秋思かな 素閑病
病妻の深く眠れる秋思かな 素閑
夜明かして空明け染めぬ秋思果つ 素閑
硝子窓滴の垂れる秋思い 素閑
日に日にと深まりゆける秋思かな 素閑
教場の桐の枯れ果て秋思かな 素閑