東由利地区の資料調査をしています。
まずは下村氏です。彼の館跡が東由利の蔵に残っています。
下村館は、由利本荘市東由利にあります。下村館は、由利地方を支配した由利十二頭の1人、下村氏の居城です。下村氏については明確な資料が少なく、軍記物とされる「由利十二頭記」に頼れば、初代下村小笠原殿(下村彦次郎宗長?)が応仁元年(1467年)に由利郡に下向したとされる為、下村館は概ね応仁年間(1467~1469年)に築かれたと推察されています。
下村館は高台などに築城したのではありませんが、石沢川が大きく蛇行している為、三方が川に囲まれ堀の役割を果たしていました。城がある蔵集落は本荘街道と川大内街道の結束点である交通の要所で、下村氏はこの地域を押さえる為にも重要視していた事が分かります。下村氏は関が原の戦いで小野寺氏寄りだったと云われ改易され、下村館は破却されました。
現在館跡は平地より一段高い所に諏訪神社が鎮座し、その境内には推定年齢300年以上と言われるイチョウがあり秋田県指定天然記念物になっています。
岩館のイチョウは、中世由利地方の豪族下村氏の館跡にある諏訪神社の御神木です。乳の出をよくしたい女性の信仰を集めたことから、別名「乳房のイチョウ」とも呼ばれています。
蔵立寺は、室町時代の応仁2年(1467)年に下村氏が賽常山鷲泉寺(秋田市萱ヶ沢)3世梅勢永飯を招いて創建したと云われています。
当時は岩館(下村氏居館)の一角に建てられていましたが、その後現在地に移転しました。
16羅漢がお寺の前にあります。
資料が少ない下村氏ですが、もっと詳しく深読みしたい人物だ。