フキ(蕗)
蕗が大きくなってきました。
採取時期も終盤です。
フキはキク科フキ属の多年草で、日本原産の山菜です。
フキは春から初夏にかけてが旬で、4月から5月が最も美味しい時期です。
フキは水気の多い場所を好み、平地から山間部の地面や水辺や田んぼの畦道などにも自生しています。
フキは大きくなりすぎると筋張るので、若い茎を採るのが望ましいです。
根本から鎌などで切るか、折るようにして取りましょう。
採取場所は、他の人の所有地では絶対採取しないようにしましょう。河川敷などは私有地でない場所が多いので、川べりでの採取がいいでしょう。
フキの採取の注意点
フキは中蕗と外蕗に分かれますが、中蕗は柔らかすぎて食感がなく、外蕗は香りも良くシャリシャリした食感で美味しいです。
採るときは中蕗を残して外蕗を採るようにしましょう。
フキは根本から鎌などで切るか、折るようにして取りますが、その際には中蕗を残すことが大切です。
中蕗とは真ん中で丸い蕗のことで、外蕗よりも固くて食べにくいですが、翌年から採れなくなるのを防ぐために必要です。
フキには天然毒(ピロリジジンアルカロイド類)が含まれているので、下処理が必要です。下処理では塩をふりかけて板ずりした後、重曹を少量入れた熱湯にサッと潜らせてアクを抜きます。重曹は過剰に入れるとフキの食感を損ねるので注意しましょう。
ピロリジジンアルカロイド類は水溶性なので、熱湯に浸してしばらく水に浸しておくだけで毒性はなくなります。
フキの保存方法
冷蔵保存と冷凍保存があります。
冷蔵保存は、フキを下処理してから水に浸した状態で保存容器に入れ、冷蔵庫で約1週間保存できます。
水は毎日交換するのがポイントです。
冷凍保存は、フキを下処理してから水気を拭き取り、小分けにラップして冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で約1か月保存できます。
解凍する必要はなく、凍ったまま調理できます。
塩蔵することもできます。
塩蔵用樽にフキと塩を交互に入れて、重しをかけるだけです。
これで1年以上保存可能です。
塩抜きは、塩蔵フキを鍋にたっぷりの水から温めて80度くらいなったら、火を止め、12時間以上そのままにします。そのあと。水を変えを3回以上行って塩分を抜きます。
フキの活用法
煮物やお浸しやお味噌汁などがあります。
特に伽羅蕗(キャラブキ)はフキ料理の代表的なもので、冷凍保存も可能です。
実はふきの葉も下処理してから炒め物や天ぷらなどに使えます。
フキの栄養価は?
フキには、カリウム、マンガン、食物繊維などが含まれています。 100gあたりの生のフキに含まれる水分は、約96%で、炭水化物が3.0g、たんぱく質は0.3g、脂質は0gです。
フキにはカリウムが比較的多く含まれています。カリウムはナトリウムとともに体内の水分バランスを調整し、高血圧やむくみの予防に効果があります。
フキには食物繊維も含まれています。食物繊維は腸の働きを促進し、便秘の改善やコレステロールや血糖値の低下に効果があります。
フキには独特な香りや苦みがありますが、これらはポリフェノールによるものです。ポリフェノールには抗酸化作用があり、老化防止や免疫力向上に効果があります。
フキの葉には妊娠中に必要な栄養素である葉酸が含まれています。葉酸は胎児の神経や脳の発達に関係し、貧血の予防にも効果があります。
フキには他にもビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。特にカルシウムやリンは骨を丈夫にすることで骨粗しょう症の予防に効果があります。
フキは身近で誰でも採取できる山菜です。おいしいし、栄養価も抜群です。
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