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枕草子に見る火鉢の風景

2024年11月23日 05時20分00秒 | Weblog

火鉢と聞くと、冬の寒さを和らげる昔ながらの暖房器具を思い浮かべますが、その存在感は平安時代にもありました。『枕草子』にも、火鉢にまつわる一節が登場します。その描写からは、宮中の冬の暮らしや季節感を垣間見ることができます。

「火桶(ひおけ)は、冬の、いとつきづきしく」(枕草子第55段)

清少納言は、火桶、つまり火鉢の存在が冬らしく趣深いと語っています。この一節は、平安時代の宮廷生活で火鉢が欠かせないものであり、冬の風物詩として重要視されていたことを示しています。また、「いとつきづきしく」という表現から、火鉢が単なる実用品ではなく、季節の情緒を味わう一部として認識されていたことがわかります。

火鉢の役割と美意識

火鉢は単に体を温めるための道具ではなく、その存在自体が生活の中で重要な役割を果たしていました。『枕草子』の一節にあるように、火鉢は冬の情緒を楽しむ象徴でもありました。その上品な佇まいや炭火のゆらめきは、寒さの中に温かみをもたらし、人々の心を和らげたことでしょう。

平安時代の火鉢は、木や漆器などで作られ、装飾性の高いものも多かったと考えられます。清少納言が暮らした宮廷の火鉢も、実用性だけでなく、見た目の美しさが重視されていたに違いありません。これが「つきづきし」という感覚にも通じているのです。

現代に生きる火鉢の魅力

現代の私たちにとっても、火鉢の魅力は色褪せません。炭火のぬくもりや、火鉢を囲む時間の豊かさは、効率を追求する暖房器具とは異なる趣があります。古き良き日本の冬の風景を思い起こさせる火鉢を、私たちの生活にも取り入れることで、忙しい日常に少しの余白を与えることができるのではないでしょうか。

『枕草子』の火鉢の描写に触れるたび、ただ暖を取るだけでなく、日々の暮らしの中で季節感や美意識を大切にする平安時代の人々の感性に驚かされます。そんな古の知恵を、現代の冬にも取り入れてみてはいかがでしょう。

冬の寒さが厳しくなるこの季節、『枕草子』に思いを馳せながら、火鉢を囲んでゆっくりと過ごすひとときの贅沢を味わいたいものです。今日も火遊びしています。







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