1月は学校説明会の追い込みや入試などで、ほとんど休みがない。
「ねえ、根岸線沿線の物件を見に行きたいんだけど、一緒に来てくれない?」
加えて、4月から一人暮らしを始める娘がアパート探しをしており、貴重な休日が物件の下見でつぶれる。まあ、仕方ないか。
「静かでいい場所だね」
駅から少々遠い分、その物件の家賃は安く、閑静で日当たり抜群。
「気に入ったからここにする」
「そう? よかったわぁ」
近くのインド料理屋でカレーランチを頼んだら、ナンもルーもメチャメチャ美味しかった。

「引っ越したら、またこの店に食べに来よう」
「うん」
そんなやりとりをしていたのに、翌日、不動産屋に電話をかけたら、タッチの差で埋まってしまったのだとか。あーあ……。
それでも、メゲている暇はない。一週間後の土曜日に、別のアパートを見に行くことになった。
「今度は京急沿線なんだよ」
「じゃあ、横浜駅でランチしてから行ってみよう」
横浜そごうの椿屋カフェでパスタを注文する。

デザートの紅茶シフォンもよろしおす。

「お母さん、物件の下見より、食べる方がメインになってない?」
「い、いや、そ、そんなことはないよ」
ちょっとドキッとした。
前回の反省から、今回はまず不動産屋で物件を仮予約してから足を運ぶ。日当たりはイマイチだけど、近くに小学校や大きな公園があり、道路が整備されている。立派な神社もあり、緑が多い。
「うん、いいね。本契約する」
「やったじゃん」
家賃は月々57500円。これに管理費5000円が加わり、62500円となる。1Kだと安い方なのだとか。
「でもね、IH対応の鍋やフライパンを買わなくちゃ。自転車も欲しいなぁ。炊飯器と電子レンジも」
引っ越しにはお金がかかる。大学の学費がなくなっても、別の出費が待っているのかと苦笑していたときだった。
「あ」
「なに?」
「ミキが生まれたとき、こども進学保険っていうのに加入したことを思い出したの」
「へー」
帰宅し、保険証書を見つけ出した。いわゆる学資保険で、保険料は平成8年に全額前払いで納めている。
「270万ちょっと払ったんだね」
しかし、この270万が400万になって帰ってくるのだ。小学校入学、中学校入学、高校入学、大学入学といった節目の年に祝い金として、保険会社から支払われる。

「平成30年9月が満期って書いてある」
「満期は100万支払いか」
「すごいすごい」
昔は金利が高かったから、270万が400万に化ける芸当もできたのだろう。今はどうなっているのやら。
契約者である夫に聞いてみたら、すでに口座に振り込まれていた。
「なんで言わないのよ」
「だって」
「つべこべ言わずに、さっさと下ろしてくるんだよ」
「うえーん」
夫を脅し、引っ越し資金も手に入れた。これでひと安心。
学資保険は偉大だ。

↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「ねえ、根岸線沿線の物件を見に行きたいんだけど、一緒に来てくれない?」
加えて、4月から一人暮らしを始める娘がアパート探しをしており、貴重な休日が物件の下見でつぶれる。まあ、仕方ないか。
「静かでいい場所だね」
駅から少々遠い分、その物件の家賃は安く、閑静で日当たり抜群。
「気に入ったからここにする」
「そう? よかったわぁ」
近くのインド料理屋でカレーランチを頼んだら、ナンもルーもメチャメチャ美味しかった。

「引っ越したら、またこの店に食べに来よう」
「うん」
そんなやりとりをしていたのに、翌日、不動産屋に電話をかけたら、タッチの差で埋まってしまったのだとか。あーあ……。
それでも、メゲている暇はない。一週間後の土曜日に、別のアパートを見に行くことになった。
「今度は京急沿線なんだよ」
「じゃあ、横浜駅でランチしてから行ってみよう」
横浜そごうの椿屋カフェでパスタを注文する。

デザートの紅茶シフォンもよろしおす。

「お母さん、物件の下見より、食べる方がメインになってない?」
「い、いや、そ、そんなことはないよ」
ちょっとドキッとした。
前回の反省から、今回はまず不動産屋で物件を仮予約してから足を運ぶ。日当たりはイマイチだけど、近くに小学校や大きな公園があり、道路が整備されている。立派な神社もあり、緑が多い。
「うん、いいね。本契約する」
「やったじゃん」
家賃は月々57500円。これに管理費5000円が加わり、62500円となる。1Kだと安い方なのだとか。
「でもね、IH対応の鍋やフライパンを買わなくちゃ。自転車も欲しいなぁ。炊飯器と電子レンジも」
引っ越しにはお金がかかる。大学の学費がなくなっても、別の出費が待っているのかと苦笑していたときだった。
「あ」
「なに?」
「ミキが生まれたとき、こども進学保険っていうのに加入したことを思い出したの」
「へー」
帰宅し、保険証書を見つけ出した。いわゆる学資保険で、保険料は平成8年に全額前払いで納めている。
「270万ちょっと払ったんだね」
しかし、この270万が400万になって帰ってくるのだ。小学校入学、中学校入学、高校入学、大学入学といった節目の年に祝い金として、保険会社から支払われる。

「平成30年9月が満期って書いてある」
「満期は100万支払いか」
「すごいすごい」
昔は金利が高かったから、270万が400万に化ける芸当もできたのだろう。今はどうなっているのやら。
契約者である夫に聞いてみたら、すでに口座に振り込まれていた。
「なんで言わないのよ」
「だって」
「つべこべ言わずに、さっさと下ろしてくるんだよ」
「うえーん」
夫を脅し、引っ越し資金も手に入れた。これでひと安心。
学資保険は偉大だ。

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