高校に勤める身としては、そろそろ募集対策活動に本腰を入れなければならない。
10月から12月は学校説明会のシーズン。他校での合同説明会や相談会に参加するのはもちろん、中学校まで出前授業に教員を派遣したり、校内で入試説明会を開催したりで、休む暇がない。
露出を増やすために始めたTwitterは3年目に突入した。最初の頃は、生徒に「Twitter始めました。フォローしてね」と呼び掛けても効果がなかった。
「えっ、フォロワー12だって。人気なーい」
そんなこんなで、情けないていたらくだったが、執拗に投稿を繰り返した結果、ジリジリ増えて今では400近い数になっている。途中でXに変わったときは戸惑ったけれど、個別相談の際に中学生の保護者から「X見てますよ」と声を掛けてもらえることも多くウレシイ。
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だが、作戦的にはまだまだのようだ。先日、若手の教員から、ちょっとズレていませんか的なことを指摘された。
「笹木先生、中学生や高校生って、Xよりもインスタみたいですよ。私のクラスの生徒もXはやってないって言っていました。中学生に見てもらうなら、インスタも始めた方がいいんじゃないですか」
「えっ、そうなの? インスタかぁ。やったことないなぁ」
「LINEも使わずに、インスタのDMで連絡を取り合うと言ってました」
「マジ?」
「でも保護者はインスタよりもXが多いみたいです」
「なるほど」
衝撃を受け、立ち止まって考える。時代が変わったことに気づいていなかった。たしかに、Xのフォロワーはほとんどが大人だ。都や区の議員、学習塾、出版社、保護者、卒業生、地域の住民、教職員が主な顔ぶれであり、言われた通りではないか。となると、インスタに手を出さないことは考えられない。元々発信することは好きで、プライベートでもブログ3つ、Facebook、読書メーター、mixiと張り切る毎日である。これに加えて、仕事としてのXもあるが、キャパはまだまだイケる。
「よしっ、インスタも始めちゃお~!」
右手をグーにして、勢いよく天に突き上げた。
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善は急げで、早速アカウントを作成する。やり方をネットで確認しながら進め、プロフィール画像には校章を使った。Xと違って文字数に制限はないらしい。複数の写真を投稿するには向きを揃えなければいけないそうだ。ならば撮影するところから意識しなくては。
苦労しながら1件目の投稿をして、無事にアップされたときは感動した。
「ううう、できた! よし、次もやってみよう」
ちまちまと部活動の写真を上げて、5件ほどたまったところで生徒に向けて一斉に連絡をする。
「インスタ始めました。フォローしてくれるとうれしいでーす!」
投稿ボタンを押して5秒後ぐらいだったろうか。
次々と「○○があなたをフォローしました」「△△があなたの投稿にいいねしました」の通知画面が表示されるではないか。
「うわ、何これ何これ」
通知は目まぐるしく入れ替わる。チャカチャカ、チャカチャカと素早い動きで出ては消え出ては消えを繰り返した。画面を追っていたら酔いそうだ。何年何組の誰かはわからないけれど、このタイミングなら、うちの生徒に間違いない。
若手教員が言っていたことは本当だった。なにしろ、1日でフォロワーが100を超えたのだから。Xでは12から100に増えるまで9カ月もかかったというのに、何たる違いだろう。
「いやあ、すごいな……」
こんなに反応があるなら、もっと早く始めればよかった。全校生徒が500人であることを考えると、たったの一日で、5人に1人がフォローしてくれたというわけだ。
すっかり気をよくして、背筋を伸ばし写真撮影に励む。
「フォロワー1000を目指すぞ!」
もう一度、右手の拳を天に向かって突き上げた。
無謀とは思うけど、夢は大きく持たなきゃね!
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
10月から12月は学校説明会のシーズン。他校での合同説明会や相談会に参加するのはもちろん、中学校まで出前授業に教員を派遣したり、校内で入試説明会を開催したりで、休む暇がない。
露出を増やすために始めたTwitterは3年目に突入した。最初の頃は、生徒に「Twitter始めました。フォローしてね」と呼び掛けても効果がなかった。
「えっ、フォロワー12だって。人気なーい」
そんなこんなで、情けないていたらくだったが、執拗に投稿を繰り返した結果、ジリジリ増えて今では400近い数になっている。途中でXに変わったときは戸惑ったけれど、個別相談の際に中学生の保護者から「X見てますよ」と声を掛けてもらえることも多くウレシイ。
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だが、作戦的にはまだまだのようだ。先日、若手の教員から、ちょっとズレていませんか的なことを指摘された。
「笹木先生、中学生や高校生って、Xよりもインスタみたいですよ。私のクラスの生徒もXはやってないって言っていました。中学生に見てもらうなら、インスタも始めた方がいいんじゃないですか」
「えっ、そうなの? インスタかぁ。やったことないなぁ」
「LINEも使わずに、インスタのDMで連絡を取り合うと言ってました」
「マジ?」
「でも保護者はインスタよりもXが多いみたいです」
「なるほど」
衝撃を受け、立ち止まって考える。時代が変わったことに気づいていなかった。たしかに、Xのフォロワーはほとんどが大人だ。都や区の議員、学習塾、出版社、保護者、卒業生、地域の住民、教職員が主な顔ぶれであり、言われた通りではないか。となると、インスタに手を出さないことは考えられない。元々発信することは好きで、プライベートでもブログ3つ、Facebook、読書メーター、mixiと張り切る毎日である。これに加えて、仕事としてのXもあるが、キャパはまだまだイケる。
「よしっ、インスタも始めちゃお~!」
右手をグーにして、勢いよく天に突き上げた。
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善は急げで、早速アカウントを作成する。やり方をネットで確認しながら進め、プロフィール画像には校章を使った。Xと違って文字数に制限はないらしい。複数の写真を投稿するには向きを揃えなければいけないそうだ。ならば撮影するところから意識しなくては。
苦労しながら1件目の投稿をして、無事にアップされたときは感動した。
「ううう、できた! よし、次もやってみよう」
ちまちまと部活動の写真を上げて、5件ほどたまったところで生徒に向けて一斉に連絡をする。
「インスタ始めました。フォローしてくれるとうれしいでーす!」
投稿ボタンを押して5秒後ぐらいだったろうか。
次々と「○○があなたをフォローしました」「△△があなたの投稿にいいねしました」の通知画面が表示されるではないか。
「うわ、何これ何これ」
通知は目まぐるしく入れ替わる。チャカチャカ、チャカチャカと素早い動きで出ては消え出ては消えを繰り返した。画面を追っていたら酔いそうだ。何年何組の誰かはわからないけれど、このタイミングなら、うちの生徒に間違いない。
若手教員が言っていたことは本当だった。なにしろ、1日でフォロワーが100を超えたのだから。Xでは12から100に増えるまで9カ月もかかったというのに、何たる違いだろう。
「いやあ、すごいな……」
こんなに反応があるなら、もっと早く始めればよかった。全校生徒が500人であることを考えると、たったの一日で、5人に1人がフォローしてくれたというわけだ。
すっかり気をよくして、背筋を伸ばし写真撮影に励む。
「フォロワー1000を目指すぞ!」
もう一度、右手の拳を天に向かって突き上げた。
無謀とは思うけど、夢は大きく持たなきゃね!
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