モスクワに着いて最初に訪れた場所は、トレチャコフ美術館だった。
エルミタージュ美術館に比べたら、かなりコンパクトな美術館である。ここのウリは「キリストの出現」だ。
しかし、大事な絵が見られなかった。
さて、この絵は「忘れえぬ女(ひと)」というタイトルの大作である。残念ながら私と入れ違いに来日し、Bunkamuraザ・ミュージアムで多くの観客を魅了している。このタイミングの悪さを笑うしかない。
美術鑑賞のあとはホテルに着いた。赤の広場に隣接していたこともあり、散策しようと足を運ぶ。
赤の広場のイルミネーションは予想を超えた美しさであった。
ネットを見ても「モスクワやばい!」「イルミネーションが半端なくキレイ」とアップされている。ロシアらしい建物と、きらびやかな光の洪水がコラボして、絵本の中に入り込んだような雰囲気だった。
翌日はクレムリンに行った。
ダイヤモンド庫の見学が圧巻で、大きなダイヤ、装飾品などに心を奪われたが、私が一番驚いたのが1カラットくらいの小さなダイヤである。ケースの中に整列し、マスゲームのように並んでいると、透明なイクラに見えた。「築地で箱買いすると、こんな感じなのよね、うんうん」と頷いて先に進んだ。
クレムリンから歩いてすぐの場所に聖ワシリー寺院がある。
もし、モスクワにワシリー寺院がなかったら、私はロシアツアーに参加しなかっただろう。「死ぬまでに一度は見たい」との思いが抑えきれず申し込みをした。だから、ワシリーの気配が感じられただけでも嬉しくなった。
ディズニーランドにあってもおかしくないような、メルヘンチックな寺院である。近づいて、周辺をグルグル回ってみた。
ロシアの教会は、ワシリーに限らず玉ネギ型の屋根が多い。たとえばこれだ。
でも、ワシリーの色彩やデザインの美しさは群を抜いている。
特に、青白ストライプの玉ネギが目立つ。まるで、子どものときにもらった飴のよう。もっともっとこの建物を見たくて、周囲をグルッと一周した。
うーん、どこから見ても華やかだ。ところどころ、雪が邪魔して見えないけれど、長年憧れた大スターに会えたように舞い上がってきた。私にとっては、メル・ギブソンのような存在かもしれない。
360度回ったら元に戻る。今度は敷地内に入って接写、接写。
拝観料を払えば中にも入れるが、結構な長い列ができていた。「まだ帰らないから明日にしよう」と軽く考え、クリスマスマーケットの人混みを通り抜けてホテルに戻る。
この日は夕方からサーカスを見に行くことになっていた。
バレエでは寝てしまったけれど、動物あり、アクロバットあり、手品ありのサーカスは本当に楽しめた。
格調高い娯楽は、私に向いていないらしい。精神年齢と相談し、子どもが見ても飽きないものを選ぶのがよさそうだとわかった。
翌日は大晦日である。
歴史博物館とワシリー寺院に入館し、最後のモスクワを満喫しようと思っていたのに、とんだ邪魔が入った。赤の広場に通じる地下道が封鎖されている。いや、地下道だけでない。地上の道にもバリケードが築かれ、軍なのか警察なのかわからない男たちが市民や観光客を追い返していた。
「えー、行かれないじゃん……」
なんと理不尽な軍事大国。夕方の飛行機で日本に帰る日なのに、観光客への配慮は耳垢以下だ。ツアー仲間の情報では、何の予告もなく朝から夕方まで立入禁止にして、大晦日のカウントダウンに備えた警戒をしているのではないかということだった。
「あーあ」
実に後味の悪い幕切れとなったが、これがロシアなのだ。ブラブラ散歩したあとは、ホテルに戻ってコーヒータイムにした。
物足りないけど、まあいいや。
今度は夏がいい。雪をかぶっていないワシリーを見たい。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
エルミタージュ美術館に比べたら、かなりコンパクトな美術館である。ここのウリは「キリストの出現」だ。
しかし、大事な絵が見られなかった。
さて、この絵は「忘れえぬ女(ひと)」というタイトルの大作である。残念ながら私と入れ違いに来日し、Bunkamuraザ・ミュージアムで多くの観客を魅了している。このタイミングの悪さを笑うしかない。
美術鑑賞のあとはホテルに着いた。赤の広場に隣接していたこともあり、散策しようと足を運ぶ。
赤の広場のイルミネーションは予想を超えた美しさであった。
ネットを見ても「モスクワやばい!」「イルミネーションが半端なくキレイ」とアップされている。ロシアらしい建物と、きらびやかな光の洪水がコラボして、絵本の中に入り込んだような雰囲気だった。
翌日はクレムリンに行った。
ダイヤモンド庫の見学が圧巻で、大きなダイヤ、装飾品などに心を奪われたが、私が一番驚いたのが1カラットくらいの小さなダイヤである。ケースの中に整列し、マスゲームのように並んでいると、透明なイクラに見えた。「築地で箱買いすると、こんな感じなのよね、うんうん」と頷いて先に進んだ。
クレムリンから歩いてすぐの場所に聖ワシリー寺院がある。
もし、モスクワにワシリー寺院がなかったら、私はロシアツアーに参加しなかっただろう。「死ぬまでに一度は見たい」との思いが抑えきれず申し込みをした。だから、ワシリーの気配が感じられただけでも嬉しくなった。
ディズニーランドにあってもおかしくないような、メルヘンチックな寺院である。近づいて、周辺をグルグル回ってみた。
ロシアの教会は、ワシリーに限らず玉ネギ型の屋根が多い。たとえばこれだ。
でも、ワシリーの色彩やデザインの美しさは群を抜いている。
特に、青白ストライプの玉ネギが目立つ。まるで、子どものときにもらった飴のよう。もっともっとこの建物を見たくて、周囲をグルッと一周した。
うーん、どこから見ても華やかだ。ところどころ、雪が邪魔して見えないけれど、長年憧れた大スターに会えたように舞い上がってきた。私にとっては、メル・ギブソンのような存在かもしれない。
360度回ったら元に戻る。今度は敷地内に入って接写、接写。
拝観料を払えば中にも入れるが、結構な長い列ができていた。「まだ帰らないから明日にしよう」と軽く考え、クリスマスマーケットの人混みを通り抜けてホテルに戻る。
この日は夕方からサーカスを見に行くことになっていた。
バレエでは寝てしまったけれど、動物あり、アクロバットあり、手品ありのサーカスは本当に楽しめた。
格調高い娯楽は、私に向いていないらしい。精神年齢と相談し、子どもが見ても飽きないものを選ぶのがよさそうだとわかった。
翌日は大晦日である。
歴史博物館とワシリー寺院に入館し、最後のモスクワを満喫しようと思っていたのに、とんだ邪魔が入った。赤の広場に通じる地下道が封鎖されている。いや、地下道だけでない。地上の道にもバリケードが築かれ、軍なのか警察なのかわからない男たちが市民や観光客を追い返していた。
「えー、行かれないじゃん……」
なんと理不尽な軍事大国。夕方の飛行機で日本に帰る日なのに、観光客への配慮は耳垢以下だ。ツアー仲間の情報では、何の予告もなく朝から夕方まで立入禁止にして、大晦日のカウントダウンに備えた警戒をしているのではないかということだった。
「あーあ」
実に後味の悪い幕切れとなったが、これがロシアなのだ。ブラブラ散歩したあとは、ホテルに戻ってコーヒータイムにした。
物足りないけど、まあいいや。
今度は夏がいい。雪をかぶっていないワシリーを見たい。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
赤の広場に入れなくて残念でしたね。警官や警察がいたるところにいるのがロシアっぽいです。
本当に、おとぎの国に迷い込んだよう!
ワシリー寺院の飴の例え、言いえて妙。
似た飴、ロシアにもあるのでしょうか♪
幻想的で美しい赤の広場が封鎖されるとは思いませんでした。
人相の悪い警備兵らしき者が門番をしていて、まず近づけません。
最後の日だから入りたかったわぁ。
抵抗したら、きっと撃たれていたんじゃないかしら。
怖い怖い。
エーベルバッハ少佐はワシリー寺院に心を動かされなかったようです。
「ネギ坊主」呼ばわりでした(笑)
青池先生のリアルな絵を見て、「なんて素敵な寺院」と興味を持ち、氷点下の世界に行っちゃいましたよ。
飴っぽいのはワシリーの特徴かも。
金色玉ネギが多かった気がします。
イルミネーションはもっとキレイなんですよ。
私の腕がヘボなので、こんなもんしかお見せできず申し訳ない……。
まるで一緒に旅しているみたい。
そういうところを集めているからだとは知りつつ、ロシアは美しい建築物が多いなぁと感じます。
極彩色のネギ坊主。
少佐の悪口が懐かしい!
盛り上がる時期は厳戒態勢なのでしょうか。
まさかこのロシアの旅が軍事の話で終わるとは!
意外や意外。
といいつつ、そうか、NATOとKGBの話でロシアを知ったのだった!
そういう国なのですね。
空気が澄んでいるのかきれいに撮れていますね。
大作は見逃したと言え、やはりまがい物でない本物のすばらしさを数々御覧になられた様子。
ロシアのいい部分も悪い部分も満喫されたようですね(*^^*)ポッ
旅行会社のパンフレットを見ていて「ロシアの美しさ」がよーくわかりました。
ウイーンやベルリンに通じる要素とロシア独自の要素が混じり合って、ため息の連続となる建物が生まれたのでしょう。
ロシア最終日はいろいろと勉強になりました。
姉は「絶対アタシは行きたくないわ」と顔をしかめていましたよ。
抵抗する人間がいたらどうなっていたのかしら。
袋叩きにされて、ぐったりしたところで連行となりそうです。
それとも、銃が出てきちゃう?
いずれにせよ、平和ボケした日本人には理解できない国民性なのでした。
空気は澄んでいました。
湿度も相当低かったようです。
唇はピキピキ、肌はカサカサでしたもの。
5日目あたりから、鼻の奥もパリパリして炎症を起こしてしまいましたよ。
赤の広場に入れなかったとき、現地のガイドさんに問い合わせても「私は神様じゃないからわからない」と素っ気ない対応をされたと聞きました。
旅行者への謝罪も一切ありません。
やはり異文化、異世界だと思います。