以前、整形外科でテニス肘と診断された左腕は、すっかりよくなった。
(関連記事「テニスにご縁があるようで」はこちらから)
「あのお医者さん、名医なんじゃないかしら。足の裏も見てもらおうっと」
私は手足が痺れやすい。昨年12月には右足が痺れ、歩くのに苦労したが、この夏には左足が痺れ、大きな病気が隠れているのではと心配している。
「こんにちは。今日はどうなさいました」
「30分ぐらい正座していたら、足の裏が痺れて何週間も治らないんです」
「膝から上も痺れていますか」
「いいえ」
「ふくらはぎの辺りは?」
「大丈夫です」
「歩くと痛くて、休むと治る感じですか」
「いえ、痛みはありません」
「じゃあ、靴下を脱いで、足を見せてください」
靴磨きに使うような小さな台の上に、そっと素足を載せる。こうして見ると、私の足はかなりの幅広だ。安定感だけは人の3倍ぐらいありそうではないか。他に自慢できるところは見当たらないが。
医師はデンと置かれた足を見て、原因に思い当たったようだ。
「少し外反母趾がありますね」
「そうですか」
「圧迫されて炎症を起こしているのかもしれません」
「なるほど」
これだけ幅広だと、とても反論できないロジックであった。
「ミュールやサンダルを履いていませんか」
「暑いときには履きます」
「それ、やめましょう。アーチをケアすることが大事なので、インソールを入れた靴にして下さい」
「はあ」
「じゃあ、様子を見るということで」
「あのう、薬はないんですか」
「ないです」
思わず表情が曇る。
塩対応かもしれないと思ったのか、医師は路線を変えてきた。
「そういえば、テニス肘はどうなりました?」
「ああ、すっかりよくなりました」
「油断しないでしっかり治してくださいね。もうひとつ、薬を出しましょうか」
「そうですね。じゃあ」
言いくるめられるようにして、肘の塗り薬をもらって帰った。患者は薬があると安心するのである。うまい具合に騙されたような気もするが、何だかホッとして家に着いた。痺れには効かないであろう薬を持たされて。
「さて、インソールを頼むか」
通販で、なるべく強力にサポートしてくれそうなインソールを探した。値段はちょい高めでもいい。
「おっ、これがいいかも」
直感で買うものを決めた。
翌日、商品が到着し、中身を確認する。
通勤に使うスニーカーと、職場で使う室内履き用に2セット買った。
思った通り、ばっちり支えてくれそうだ。
あれから2カ月ほど経ったろうか。完全ではないが、左足の裏に触れれば感覚が伝わり、指も違和感なく動くようになってきた。
本を見ると、更年期の症状のひとつに、手足の痺れというものがあった。これが元凶なのかもしれない。
塗り薬はいらなかったなぁ……。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
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「こんにちは。今日はどうなさいました」
「30分ぐらい正座していたら、足の裏が痺れて何週間も治らないんです」
「膝から上も痺れていますか」
「いいえ」
「ふくらはぎの辺りは?」
「大丈夫です」
「歩くと痛くて、休むと治る感じですか」
「いえ、痛みはありません」
「じゃあ、靴下を脱いで、足を見せてください」
靴磨きに使うような小さな台の上に、そっと素足を載せる。こうして見ると、私の足はかなりの幅広だ。安定感だけは人の3倍ぐらいありそうではないか。他に自慢できるところは見当たらないが。
医師はデンと置かれた足を見て、原因に思い当たったようだ。
「少し外反母趾がありますね」
「そうですか」
「圧迫されて炎症を起こしているのかもしれません」
「なるほど」
これだけ幅広だと、とても反論できないロジックであった。
「ミュールやサンダルを履いていませんか」
「暑いときには履きます」
「それ、やめましょう。アーチをケアすることが大事なので、インソールを入れた靴にして下さい」
「はあ」
「じゃあ、様子を見るということで」
「あのう、薬はないんですか」
「ないです」
思わず表情が曇る。
塩対応かもしれないと思ったのか、医師は路線を変えてきた。
「そういえば、テニス肘はどうなりました?」
「ああ、すっかりよくなりました」
「油断しないでしっかり治してくださいね。もうひとつ、薬を出しましょうか」
「そうですね。じゃあ」
言いくるめられるようにして、肘の塗り薬をもらって帰った。患者は薬があると安心するのである。うまい具合に騙されたような気もするが、何だかホッとして家に着いた。痺れには効かないであろう薬を持たされて。
「さて、インソールを頼むか」
通販で、なるべく強力にサポートしてくれそうなインソールを探した。値段はちょい高めでもいい。
「おっ、これがいいかも」
直感で買うものを決めた。
翌日、商品が到着し、中身を確認する。
通勤に使うスニーカーと、職場で使う室内履き用に2セット買った。
思った通り、ばっちり支えてくれそうだ。
あれから2カ月ほど経ったろうか。完全ではないが、左足の裏に触れれば感覚が伝わり、指も違和感なく動くようになってきた。
本を見ると、更年期の症状のひとつに、手足の痺れというものがあった。これが元凶なのかもしれない。
塗り薬はいらなかったなぁ……。
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医師にもランクがありますが、この先生は信頼できると思いました。
だから薬が出なくても我慢しましたよ。
土踏まずのない人が増えたと聞きました。
生活様式の変化によるものなのかしら。
私はひとまず頑張ります(笑)
今までよく平気だったと思います。
歳をとり、徐々にガタが来た感じですね。
アーチケアをしないといけません。
がんばります。
男性の靴は幅広だから、外反母趾も大丈夫そう。
KuToo運動は、、もっと広がるべきです。
インソール、てきめんに効きそうな迫力!
そして、信頼できそうなドクターですね。
今、伊賀野カバ丸のセリフを思い出しました。
「きゅうくつだから靴ってんだ。あったまいい~」とか何とか言っていたような(笑)
まさに靴の中はキツキツだったんでしょうね。
ゆったりしていてもアーチケアはしっかりしないといけないので、素足はNGかもしれません。
ドクターのおかげで安心して過ごせます。