「帰ってきたヒトラー」 ティムール・ヴェルメシュ 河出書房新社 上・下巻
ER IST WIEDER DA (彼が帰ってきた) 森内薫・訳
2011年8月30日。
ベルリンの空き地の片隅で、アドルフ・ヒトラーは目を覚ます。
地面に直接寝て、ガソリン臭い軍服を着て、帽子は近くに転がっていた。
「すべて」を破壊せよと命令したのに、ドイツが存在している事にまず驚いた。
それから事態の把握を始めたヒトラーは、始めに立ち寄ったキオスクの主人と親しくなる。
やがて、ヒトラーそっくり芸人としてテレビに出演。
その様子がユーチューブで話題になり、段々と有名人になっていく。
ヒトラーの一人称で語られる物語。
色々と驚き、考えさせられる物語。
まず、ヒトラーのそっくり芸人は、ドイツでは受け入れられているのに驚いた。
どんな内容であれ、その姿を見る事は、不快な事なのかと思っていた。
ドイツの社会を詳しく知っている人たちの方が楽しめる物語なのだろうと思えるが。
まずヒトラーと言う人物が、やはりカリスマが有り人を引き付ける物があるのだと認識。
物語だが、きっとヒトラーならこうなのだろうなと思えてしまう。
突然未来の世界に、一人で置かれても、冷静に周りの事を分析して物事に対処して行く。
傲慢でもなく、人の意見も聞いて、引くところは引くので人付き合いもきちんと出来る。
自分はヒトラーだとはっきりと言っているのにだが、周りの人たちはそっくりさんだと思う。
それは当然なのだが、それで会話が成立して行く。
人は、自分も思いたいように解釈してしまうからだろうか。
ヒトラーが、今の社会を見て思う事は、その通りと同意出来る事も多い。
しかし、ヒトラーの民族主義の思考はそのままだから納得する訳にもいかないのだが。
それを、言葉として聞いている人たちは、そんなことあるはずがないと思っているから気が付かない。
しかし、気が付かないまま、誘導されて行くことはありそうだ。
きっと、実際にヒトラーが主導者になった時もそうだったのだろう。
この中のヒトラーはとても魅力的な人物だ。
本当のヒトラーも魅力的な人物だったのだろう。
晩年は狂気を見せるが、あれだけ国を引っ張ったのは恐れられているだけでは出来ない。
戦後70年、今だから書けた物語なのかも知れない。
戦後ではなく、戦前にならないように。
ER IST WIEDER DA (彼が帰ってきた) 森内薫・訳
2011年8月30日。
ベルリンの空き地の片隅で、アドルフ・ヒトラーは目を覚ます。
地面に直接寝て、ガソリン臭い軍服を着て、帽子は近くに転がっていた。
「すべて」を破壊せよと命令したのに、ドイツが存在している事にまず驚いた。
それから事態の把握を始めたヒトラーは、始めに立ち寄ったキオスクの主人と親しくなる。
やがて、ヒトラーそっくり芸人としてテレビに出演。
その様子がユーチューブで話題になり、段々と有名人になっていく。
ヒトラーの一人称で語られる物語。
色々と驚き、考えさせられる物語。
まず、ヒトラーのそっくり芸人は、ドイツでは受け入れられているのに驚いた。
どんな内容であれ、その姿を見る事は、不快な事なのかと思っていた。
ドイツの社会を詳しく知っている人たちの方が楽しめる物語なのだろうと思えるが。
まずヒトラーと言う人物が、やはりカリスマが有り人を引き付ける物があるのだと認識。
物語だが、きっとヒトラーならこうなのだろうなと思えてしまう。
突然未来の世界に、一人で置かれても、冷静に周りの事を分析して物事に対処して行く。
傲慢でもなく、人の意見も聞いて、引くところは引くので人付き合いもきちんと出来る。
自分はヒトラーだとはっきりと言っているのにだが、周りの人たちはそっくりさんだと思う。
それは当然なのだが、それで会話が成立して行く。
人は、自分も思いたいように解釈してしまうからだろうか。
ヒトラーが、今の社会を見て思う事は、その通りと同意出来る事も多い。
しかし、ヒトラーの民族主義の思考はそのままだから納得する訳にもいかないのだが。
それを、言葉として聞いている人たちは、そんなことあるはずがないと思っているから気が付かない。
しかし、気が付かないまま、誘導されて行くことはありそうだ。
きっと、実際にヒトラーが主導者になった時もそうだったのだろう。
この中のヒトラーはとても魅力的な人物だ。
本当のヒトラーも魅力的な人物だったのだろう。
晩年は狂気を見せるが、あれだけ国を引っ張ったのは恐れられているだけでは出来ない。
戦後70年、今だから書けた物語なのかも知れない。
戦後ではなく、戦前にならないように。
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