しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「毒の目覚め」   S.J.ボルトン 

2013年05月06日 | 読書
「毒の目覚め」   S.J.ボルトン    上・下巻   創元推理文庫
 Awakening             法村里絵・訳

英国の小さな村で、野生動物病院の獣医をしているクララ・ベニング。
クララはある理由から、目立たず静かに暮らしたいと願っていた。
近くに住む主婦からベビー・ベッドに蛇がいると電話を受け、駆けつける。
赤ちゃんの上にいた蛇は、毒蛇のクサリヘビだった。
無事に蛇を捕獲したクララに、同じ村の老人がクサリヘビに咬まれて死亡したという知らせが届く。
その時、同僚から、村では蛇が異常発生していると言う。
そして、夜中に子どもの叫び声が聞こえ駆けつけると、その家には蛇が何匹も入り込んでいた。
その中に、英国には生息しない、世界で最も危険と言われる、タイパンを見つける。
その後も、蛇に関係した事件が発生し、否応なくクララを巻き込んでいく。






蛇が主役の物語。
毒蛇に咬まれたらどうなるか、詳しく書かれて、怖くなる。
しかし、蛇の美しさも同時に伝える。
蛇は嫌いではなく、触れたこともあるので美しさも分かる。
事件も過去にあったことが関係して、複雑。
最後までどうなるか分からない面白さ。
主人公のクララを始め、登場人物に特徴があり、緊迫感が生まれる。
みんな、一癖も二癖もありそうだから。
段々と分かってくるクララの生い立ちは衝撃だった。
クララや家族の心理は考えさせられる。
立ち直れない傷や、修復できない出来事は存在する。
どう折り合いをつけていくかなのだと思う。
そして、この事件に立ち向かっていくクララの二重の勇気に力付けられる。

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