しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「夜の国のクーパー」  伊坂幸太郎 

2012年11月07日 | 読書
「夜の国のクーパー」  伊坂幸太郎          東京創元社

ある国が戦争をしていて敗れ、敵国の鉄国の兵士がやって来る。
国王の冠人(かんと)は、敗戦を受け入れる代わりに、理不尽な暴力や命令はしないという約束を鉄国の国王としたから、心配はないと言う。
しかし、やってきた鉄国の兵長は冠人を撃ち殺す。
そんな時、誰も乗っていない馬が駆け込んで来る。
兵士に一瞬動揺が見られたが、町人に外出禁止を言い渡す。
町人は、馬に乗って来たのはクーパーの兵士ではないかと噂する。
この町には、クーパーという樹を倒すために、毎年選ばれた兵士が町の外に出掛けて行く。
しかし、クーパーを倒した時に浴びる樹液で身体は透明になり、町に帰って来る者はいなかった。
町が困った時に、クーパーの兵士は戻って来て、町を救うという噂があったからだ。
町の猫たちもこの様子を興味深く見守っていた。
そんな中、猫のトムが網を掛けられ、鼠に囚われる。
トムは鼠から、自分達を追わないでくれと頼まれる。
本能で追ってしまうのが猫だから、トムは戸惑うが、鼠はある条件を出して来る。
それは、追ってもいい鼠を一定数差し出すから他の鼠は見逃して欲しいというものだった。








お伽話のような、ある国の物語。
それの別バージョンのように、猫と鼠の関係の話は入って来る。
それで、より分かり易くなったような、真相が先バレして勿体ないような気がしたり。
クーパーの兵士の話の挿入もあるので、少々話が散らかった感じもする。
最後まで読むと、1本に筋は見えてくるのだが。
こういう物語だったのかと分かると、面白さも出てくる。
たどり着くまでは、面白かったかといえば、そうでもない感じ。
結構まどろっこしかった。
うまく絡み合っていない感じ。
公務員の僕の存在は、結局何だったのだろう。
ラストをうまくまとめる、逃げ道なのだろうか。

いままでの伊坂さんとはちょっと違う感じの物語。
会話の軽妙な楽しさはなかった。


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