「朽ちないサクラ」 柚木裕子 徳間書店
森口泉は米崎県警広報公聴課に勤める28歳。
その米崎県警で問題が発生する。
ストーカー被害を訴えていた女子大生、長岡愛梨がストーカーに殺される。
両親が心配して、所轄の平井中央警察署に被害届を出そうとするが、なかなか受理して貰えず、弁護士をたてると言われやっと受理を決めるが受理期間を1週間引き延ばす。
1週間後、受理した2日後に愛梨は殺害され、1週間早く受理して捜査が始まっていれば、殺される事はなかったと非難が集まる。
そして、その延ばした1週間の間に、平井中央署は慰安旅行に北海道に行っていたと地元の米崎新聞が報道し、増々非難は強まる。
警察署では、事件の事よりも、誰が新聞社に漏らしたかの方が問題になっていた。
泉はそれを知り気が気ではなかった。
高校時代の親友の津村千佳が米沢新聞社に勤めていて、県警担当記者になっていた。
その情報は自分から千佳に漏れたと思っていたからだ。
しかし千佳は否定し、信じない泉に「何か裏がある。調べて裏切り者の烙印を必ず消す」と言って別れる。
その1週間後、千佳の殺された遺体が発見される。
泉は自分でも千佳殺害の真相を知ろうと動き始める。
始めは面白かったのだが、段々、それは違うだろと思う所が出て来る。
そして、先が読める。
なんだか簡単な事をややこしくして物語を盛り上げようとしている。
だいだい、ストーカー殺人で捕まってしまえば、もう守るも何もないだろう。
名前が出れば、あっと言う間に色々な事を探り出す時代なのだ。
警察と公安とカルト教団の絡み合い。
しかし、警察と公安の仲が悪いといっても、カルト教団の情報を警察が何も持っていない事はないのではないか。
「百人の命とひとりの命」という選択を取るような、重大になりそうな事件は起きてはいないと思うのだが。
公安が出て来ると、何でもありになってしまう所が凄い。
そう言えば、サクラと言えば警察の事だと思っていたら、公安の事と書かれていた。
そうなのかな。
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