「夏に凍える舟」 ヨハン・テオリン ハヤカワ・ポケット・ミステリ
RORGAST 三角和代・訳
エーランド島に美しい夏がやってきた。
島でリゾートを経営する富裕なクロス一族の末っ子ヨーナスは、海辺で過ごす二年ぶりの夏に心躍らせていた。
しかしある夜、ボートでひとり海にこぎだした彼の目の前に、幽霊船が現われる。
やっとのことで陸に戻ったヨーナスは、元船長イェルロフのボートハウスの扉を . . . 本文を読む
「赤く微笑む春」 ヨハン・テオリン ハヤカワ・ポケット・ミステリ
BLODLAGE 三角和代・訳
エーランド島の石切場のそばのコテージに暮らしはじめたペール・メルネル。
ある日彼のもとに、疎遠にしていた派手で傲慢な父ジェリーから、迎えに来るよう求める電話が入る。
渋々父の別荘に赴くと、そこに待っていたのは謎の刺し傷を負った父だった。
そして直後に別荘は全焼する。
なぜこんな . . . 本文を読む
「生贄の木」 キャロル・オコンネル 創元推理文庫
THE CHALK GIRL 務台夏子・訳
森の中で、袋に入れられて木から吊されていた三人の人間が発見された。
イカれたパーティーガール、狂気に冒された配給所の聖女、そして小児性愛者。
ひとりは助かり、ひとりは手遅れ、ひとりは瀕死の状態だった。
同じ頃、小児性愛者に誘拐されたと見られる女の子がマロリーに保護される。
コ . . . 本文を読む
「三人目のわたし」 ティナ・セスキス ハヤワカ・ミステリ文庫
ONE STEP TOO FAR 青木千鶴・訳
エミリーはすべてを捨て家を出た。
愛する夫ベン、可愛いチャーリー、幸せいっぱいのわが家……
そして、自分の分身である双子の妹キャロラインも。
エミリーは「もう一人のわたし」としてシェアハウスで新しい人生をはじめるが、過去のある事件が彼女を苛みつづける。
なぜ、エミリー . . . 本文を読む
「冬の灯台が語るとき」 ヨハン・テオリン ハヤカワポケットミステリーブックス
NATTFAK 三角和代・訳
スウェーデン、エーランド島の北東側のウナギ岬にある19世紀なかばに建てられた灯台守の大きな屋敷。
双子の灯台で、今は1つしか点いていなかった。
その屋敷は、難破船が積んでいた材木で作られ、納屋の壁には、死んだ人たちの名前が刻まれていた。
そこに、ヨアキムとカトリンのヴェステ . . . 本文を読む
「黄昏に眠る秋」 ヨハン・テオリン ハヤカワ・ミステリ文庫
SKUMTIMMEN 三角和代・訳
霧に包まれたエーランド島で、幼い少年が行方不明になった。
それから二十数年後の秋、少年が事件当時に履いていた靴が、祖父の元船長イェルロフのもとに突然送られてくる。
イェルロフは、自責の念を抱いて生きてきた次女で少年の母のユリアとともに、ふたたび孫を探しはじめる。
長年の悲 . . . 本文を読む
「制裁」 アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム ハヤカワ・ミステリ文庫
ODJURET ヘレンハルメ美穂・訳
ストックホルム。
4年前に9歳の少女2人を襲い殺害して服役していた男、ベルント・ルンドが脱走する。
アスプソース刑務所から病院へ移送の途中だった。
逮捕に係わり、取り調べもしたエーヴェルト・グレースン警部はその知らせを受け激怒する。
護送を2人 . . . 本文を読む
「湖の男」 アーナルデュル・インドリダソン 東京創元社
KLEIFARVATN 柳沢由実子・訳
干上がった湖の底で発見された白骨。
頭蓋骨には穴が空き、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。
エーレンデュル捜査官たちは、丹念な捜査の末、ひとつの失踪事件に行き当たった。
三十年前、一人の農業機械のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶っていたのだ。
男は偽名を使って . . . 本文を読む
「この世の春」 宮部みゆき 新潮社 上・下巻
宝永7年(1710年)皐月。
下野北見藩2万石を治める6代藩主・若狭守重興が「押込(おしこめ)」に合う。
重興は「病重篤」として藩主の別邸、五香苑に座敷牢を作り幽閉されるが、実際は重興の言動が不審で常軌を逸した物だったからだ。
御用人頭の伊東成孝はそれを悪霊が付いたからだと言う。
重興の中には、男の子と女と狂暴な男がいた。
その五香苑に元作事方 . . . 本文を読む