一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1403- 3.11のこと

2014-03-10 | 生け花
  三年前の今日、日本中の人の心が 恐怖で凍ってしまいました。その五日後に、私は後楽園の鶴鳴館で 古希と花暦50年を記念して 個展を開く予定で準備をしていました。親戚の中に、被災する人が出て 私だけが 優雅に生け花をしている事に 後ろめたささえ感じながらの 生け込みとなりました。期間中は、予想以上の入場者で この様な時だからこそ 心に癒しを求めたいと言って下さる方もありました。

 入場者の中に、埼玉で被災され 岡山の知人を頼って 車で来られた 一家四人の方があり 温かいお茶とお菓子で 心からの おもてなしをしました。地震の話になると、女性三人は 泣き崩れるばかりで 慰めの言葉も無くしてしまいました。ご主人と思われる方が、日本海側を迂回して やっと岡山に着き 後楽園に立ち寄り「 久し振りに畳の上で美味しいお茶を頂きました 」と。
 そして、籠に挿した一枝の赤い椿を指して「あの花を見ると、ほっとして涙が出ます」と言われました。重い心で開催した花展でしたが、この方たちにこの場を 提供できて 良かったと思いました。御一家は、きっと力を合わせて 元気に生活されている事と思います。

 花材 ・椿
 花器 ・掛け花用 籠


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