一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1501- 七 草

2015-01-09 | 生け花
  暮れの忙しさが、つい最近の様に思えるのに もう春の七草粥の日も過ぎました。七日には五分粥を あり合わせの野菜を使って作りました。白米の柔らかい甘みは胃の調子を整えるだけでなく 心も和らげてくれます。
 明治生まれの父は生前、見るのも嫌なほど ジャガイモを食べなかった時期がありました。それは、若い貧しい時代に自炊をしていて ジャガイモの煮た物ばかりを食べていたそうです。ところが、高齢になり実家に行ってみると ジャガイモやカボチャの煮たものを美味しそうに食べているのです。思わず「お父さん、ジャガイモ美味しいの?」と聞くと「この頃は、旨まかと」と長崎なまりの返事が返ってきました。母が作った、昔風の煮ものを美味しそうに食べている父を見て、歳をとったのだなあ 何のこだわりもなく自然体に歳を重ねていく父を 好ましく 愛おしく思いました。

  私より少し上の、年齢の方達は戦中戦後の 飢えを経験しているだけに ご飯は白米を普通に炊き上げたものが好きで わざわざ七草だからと お粥など食べたくないとおっしゃる方が多いようです。いつまでもその様な暗い思い出に囚われないで炊きたてのお粥を食べてみてください・・と言いたくなるほど美味しいものです。

 花材 ・和水仙 ・胡蝶わびすけ
 花器 ・ガラス水盤



 菜の花も七草のひとつに加えました

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