一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1611- 無花果 破顔

2016-11-23 | 生け花
 野菜産直の店頭に、日本無花果 が並んでいました。大きな口を開けて笑っているようです。
私たち夫婦が、東京から岡山へ転居したころ(40年くらい前?) 無花果は東京の果物屋さんや八百屋さんの店頭で売られることはほとんどありませんでした。
 その様な日々、折り込み広告に「無花果狩り農園」と言うのを見つけ 東京の実家の父を思い出しました。
連絡を入れると、観光旅行を兼ねて 妹と二人でやってきて 早速、県北の農園に案内しました。父の喜ぶ顔を期待していた私は、農園の無花果を見るなり「この無花果は美味くない」との言葉に ガクゼン !
 私の眼には、大きな木に鈴なりの赤みを帯びた実は とても美味しそうに見えたのに・・。それは輸入種の西洋無花果だつたらしく昔、父が庭に植えてこよなく愛して食べていた日本無花果に比べ 果実の食感や懐かしい香りとは別物だったのです。
 日本無花果の、上品な色や味 香りに会うこの季節 この時のことを思い出します。

 それでも、平らな箱に並んだ西洋無花果を二箱 お土産に求めて随行の妹に水平に保って持たせ 新幹線で悠々と帰っていきました。
お酒をあまり飲まなかった父にとって、世の中の美味しいいろいろな果物は とても大切な物だったようです。

 花材 ・南天 ・柏葉アジサイ ・ユリ 二種
 花器 ・砥部焼 青白磁壺



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