一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1811- 大谷焼の甕 (かめ)

2018-11-23 | 生け花
 大谷焼の甕が、私の元に来たのは35年程前のことでした。当時、岡山「RSK メディア・コム」は新しいビルで そこのホールでの「生け花 流展」への出瓶のため 買い求めました。
 松や枝垂桑・ニシキ木・ゆりなどを使った大作は今 写真で見るとエネルギーだけを頼りに生けた作品に思えます。因みにテーマは「海」でした。その後も、岡山の花展会場で 季節を変えながら何度か使い ここ数年はガレージの片隅で鎮座していました。  

 大谷焼の甕は、徳島阿波の地に江戸時代 大分から渡ってきた 陶工によって始められ 生活雑器や藍染めの液を入れる「甕」として使われてきました。
 この度、知り合いで藍染めの魅力に深く惹かれて 染めを始めた人に この甕を差し上げる事にしました。徳島阿波から、岡山にわたり花展会場を大きな作品で 飾ってくれたこの甕は 数十年ぶりに四国に戻り 本来の目的に使われることになったわけです。
 車に横に乗せられた甕は。涅槃像の様に静かに横たわり 夕暮れの中 我が家を後にして行きました。

 花材 ・土佐みずき ・菊 ・紅ひま ・お多福南天
 花器 ・備前焼花瓶





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