先日放送で、旅行ジャーナリストの兼高かおるさんの訃報が告げられました、90歳だとの事。
まだ日本が戦後の復興の間もない頃の、世界の旅の放送番組は 現実には程遠い 憧れの世界でした。
その後、一時期海外旅行ブームはありましたが ここ数年海外に行っても日本の若者がとても少ないことに気づきました。
若い人の特権である、好奇心・冒険心・知識欲などは スマホの世界で満たされているのてしょうか。虚空の彼方から兼高さんは「若い人は、もっと外国に出かけて自分を深めて下さい」と例の美しい日本語の語り口で言っている様に 思います。
ご冥福をお祈りいたします。
花材 ・大王松 ・カーネーション ・ラナンキュラス
花器 ・ガラス 花瓶
日の出 日の入りの時間が、少しだけ延びて 庭の胡蝶侘助が 八分咲きになりました。その辺り一面に、春の気配が感じられます。
西風の寒さの中で、春の訪れを待ちます。
花材 ・胡蝶侘助 ・お多福南天
花器 ・備前焼 壺 (小川秀蔵作)
七草も過ぎ、お正月気分もそろそろ終わりになりました。
冬枯れの庭は、寂しい風景です。数本の椿の木に、近づいて見ると 母親のような保護葉が 沢山の蕾を守っています。
まだまだ寒い日が続きますが、木々の芽吹きも固いながら しっかりと枝に並んでいます。
花材 ・土佐みずき ・椿 二種
花器 ・虫明焼 掛花器
三十数年来の友人、九谷焼作家の長谷川紀代さんから 干支の酒杯を頂き続けてきました。
毎年、年末には次の年の干支の盃が 送られてきたのですが 今年は新年になってから届きました。
心配していた様に、体調を崩されていた様で長年造り続けた 干支の盃も今年で卒業させていただきますとの事。とてもエネルギッシュな彼女も、八十歳が近くなり、今までの様に無理は禁物だと私も思っていたところでした。
届いた酒杯は、その様な体調不良を感じさせない 元気で幸せそうな 二頭のウリ坊を連れた猪でした、三頭で初春を謳歌しているようです。
長い間、ほんとうにご苦労様、そして沢山の感謝の気持ちです。
花材 ・曙ツバキ ・南天
花器 ・有田焼 花瓶
お正月三日に、数十年ぶりにポートタワーに登りました。
海風は少し冷たいものの、よく晴れ渡った青空には 真っ白な雲が長閑に浮かんでいます。
20分で360度回転する、展望台から見る神戸の街や山々 そして新春の陽に映える 海の青さは「吉祥」と言う言葉が思い出される程 平和な空気に包まれていました。
私が独身の頃 当時、大阪に住んでいた姉と このタワーに登った時に見た印象は とても刺激的で新しい色や形として記憶に残っています。
今、改めて見上げると その赤い色も緩やかな安定感のある優美なフォルムも とてもレトロで 私を優しく迎えてくれました。
花材 ・チューリップ ・雲竜やなぎ
花器 ・青色 手作りガラス