「新世界にね、人肉の串焼き出す店があるって知ってますか」
唐突にそんなことを語り出したのは、竹内義和さんであった。
ここ数回(→こちら)、竹内義和リスペクトの私が本人からコメントをいただいた話をしているが、そんなアニキの魅力はオタク話やゲスイ決め打ちのほかに、真偽不明のあやしい怪談や都市伝説がある。
人肉の串焼き出す店。
その「いかにも」なワードが飛び出したのは、ラジオ『誠のサイキック青年団』のイベント。
新世界。
通天閣でおなじみの大阪のディープスポット。ビリケンさんと串カツが名物で、大阪文化をあつかうテレビのロケなども、だいたいここで行われている。
へー、そうなんや。新世界も最近は観光化が進んでるし。串カツも、豚肉だけでなくて、チーズとかトマトとか、変わった具材で勝負している店も多いらしいよね。
昨今ではまた新しいメニューで、人の肉を使うのか……って、いきなり、何を言い出すのかこのオッサンは。
一瞬にして静まりかえった会場にかまわず、アニキは、
「あのね、あそこって、冬の朝とか行ったら、よう泥酔したおっちゃんとか死んでますやんか」
いや、「死んでますやんか」言われても……まあ、死んでたけどさ。どんな街や。いや、昔ですよ。昔の話。
「あれをね、焼鳥屋のオッサンが回収して倉庫に連れて行くんですよ」
ホンマかいな。どこ情報や。
「こうね、両の足首を肩にかけて、それを両手でもって、ずるずると引きずって行きはったらしいよ」
そういいながら、イスから立ち上がって実践してみせる。この、妙なリアリティーが、都市伝説のキモであろう。
これには、「なにをいうてはるんですか、竹内さん」と、客のみならず出演者たちもドン引き。
だが、アニキはそんな空気などまったく気にすることもなく、
「でね、それを見た人が、その日その店行ってみたら、いつもより串焼きがおいしかったそうなんですよ」
おいおいである。それは、たまたまその日はいい肉が入っただけではないのか。というか、その情景を見たあと、入店できるという根性もすごい。
よほど好奇心をそそられたのか。それとも、一度人肉料理を食ってみたかったのか。
さすがはおおらかな大阪、ソースの二度づけは禁止だが、人類最大のタブーはOKらしい。
「はあ……」としかいいようのない会場に、竹内アニキは、
「ここだけの話ね、みなさんも、天気予報で寒波が出てたら、次の日は新世界に行ってください。間違いなく、その日はおいしい串カツが出ますから」
そうトークを締めくくった。
寒波の次の日は、串カツを食え。
まあたしかに、ここだけというか、間違いなく『秘密のケンミンSHOW』には出ていない情報であろう。地元ならではの口コミである。
ということで、冬の大阪観光は串カツがオススメだそうです。
のれんをくぐって、気軽に「生ビールと、あとはシイタケとチーズササミと人肉揚げたって!」と注文……できますかいな!
アニキは他にも放送で、
「近畿大学の近くにある、人糞をツマミに一杯やるスカトロバー」
とか、
「東京ディズニーランドには秘密の地下室があって、岸部シローは顔パス」
みたいな話をしていたこともあった記憶が。
スカトロはともかく、ディズニーランドになぜシローが?
アヤシイことこの上ないが、その微妙なリアリティーがアニキの語る都市伝説も魅力でもあるのだ。
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