まずトップスピンを打ってみよう! 神崎博光『テニス秘密の打法』 その3

2014年12月12日 | テニス
 前回(→こちら)の続き。

 神崎博光さんの『テニス秘密の打法』によってトップスピンを覚えた私は、ストロークのミスが格段に減り、テニスがものすごく楽しくなった。

 これにより、「ラリーが続く」というテニスの第一のよろこびとともに、もう一つ大きな爽快感を得ることも可能になった。

 それが「フルスイングで打つ快感」。

 この本にも書かれているが、たとえば一昔前は(今もかもしれないけど)、テニススクールで打ち方を習うと、スタンスはクローズドに取り、前から後ろの体重移動で打つ方法を教わることが多かった。

 これも悪いわけではないんだけど、いかんせん古いスタイルだ。これだとあまり強い球は飛ばないし、なにより初心者は当てて返すだけの「羽子板打ち」になりがち。

 テニススクールでおばさんたちが、ゆるい球でラリーをしているのを見ると、たいていがこの打ち方なのである。

 それだと今一つ爽快感がない。ピッチングでいえば、いわゆる「置きに行く」投げ方のようなもので、スピードもキレも出ないのが残念。

 そこで『秘密の打法』では、トップスピンをかけることを奨励しているのだ。

 これだと強く振れば振るほど回転はしっかりとかかって、相手のコートにストンと落ちる。初心者は、

 「おもいっきり打つとミスしやすい」

 と思いこんでいるため、どうしても「置きに行く」打ち方になるが、「それより、もっといいのがあるよ!」と教えてくれたのが、この本なのである。

 実際、これを読んでフォアもバックもグリグリにトップスピンをかけるようになったら、私のショットは急激に安定するようになった。

 しかも、「パワーでなく、リラックスして体のひねりで打つ」という教えが書かれていたため、私のような筋力に劣る「貧弱な坊や」でも、そこそこのいい球が打てる。

 特に今はラケットの性能もいいから、なおさらだ。

 この本は、とにかく書いてあることがシンプルである。

 「パワーでなく、体のしなりで打とう」
 「バックハンドは左手のフォアの感覚だ!」
 「ボレーは空手チョップの要領だ」

 など、ほとんどのことが一言でわかりやすくまとめられている。

 これが、ふつうの教本だと、どうしても説明が過多で、スタンスがどうとか、トスアップのタイミングとか、背筋の使い方とか、どこどこの筋肉を意識してとか、情報量が多すぎて混乱してしまうのだ。

 もちろん、中級以上になると、そういった知識や練習も必要なのだが、ラケット持って1ヶ月みたいな初心者は、そんなややこしいものはいらない。

 「トップスピンを打てば入る」

 この一言だけでよろしいのだ。

 これで、ラリーが続く楽しさを感じられれば、あとは自然に他のことも「がんばって、マスターしよう」という気にもなる。

 テニスをはじめたばかりの人は、まあこの本は古いからあえて読まなくてもいいけど、ともかくもトップスピンの打ち方を学びましょう。

 あとは、サービスにもスピンをかけることを覚えれば、もうそれだけで下手なりに試合だってできます。細かい技術よりも、まず「振り切って打つラリーの楽しさ」を。

 そう、回転さえかければテニスは決して難しくない。ラケット買ってはみたものの、「テニスって、難しいなあ」と悩んでいるみなさまも、ぜひこのシンプルな定理を身につけて楽しんでもらいたい。




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