本日3月9日は私の誕生日である。
この日に関しては、
「アメリゴ・ベスプッチと同じ日に生まれた人」
としてイジられることの多い私であるが、前回(→こちら)はこれに対して、
「いやいや、ハリー・ホップマンも3月9日生まれでっせ」
と反撃を開始したものだ。
テニスファンの私からすると、殿堂入りも果たしているプレーヤーと同じ日に生まれたというのはたいそう光栄であり、それはもうガンガンに自慢しまくっては、
「で、そのホップマンって誰?」
との反応をいただいている。まあ、そらテニスせん人は知りませんわな。
そこでもうちょっとメジャーな人はいないかと再び検索してみると、こんな名前も出てきた。
加藤桃子初段。
この人もまた、3月9日生まれであるそうだ。
加藤桃子さん。囲碁と違って、いまだ女性プロ棋士が存在しない将棋の世界で、プロになることを目指して奨励会で修行してる女の子。
段位は初段(将棋は四段からプロ)。奨励会以外でも、女流プロの棋戦でも活躍し、現在「女王」「女流王座」の二つのタイトルを獲得している。愛称は「カトモモ」。
これだよ、こういうのを待っていたんだ。
私は将棋ファンであるし加藤初段といえば、丸顔がかわいらしい人気者。
このままプロになれれば、これはもう将棋界のみならず、社会的にも大きな話題となることは必然で、そのときには、
「まあな、あの子とワシは誕生日が同じなんや。いうたら、カトモモはオレが育てたようなもんやな」
なんて自慢バリバリである。
ステキな「同志」を見つけた私は大いに気をよくし、さらなる検索をすすめると、将棋つながりではこんな名前もあった。
ボビー・フィッシャー。
この人もまた、3月9日生まれであるそうだ。
ボビーといえば映画『ボビー・フィッシャーを探して』でご存じの方も多かろう、アメリカのチェスチャンピオン。
冷戦時代、チェスの世界で勝利をほしいままにしていたソビエト連邦のチャンピオン相手に次々と勝利を収め、「アメリカのヒーロー」として讃えられた大天才だ。
あの羽生善治も激リスペクトする「チェス界のモーツァルト」と誕生日が同じだとは、まったく光栄の至りである。
もっとも、ボビーはその圧倒的な才能と同時に、数々の奇行の方でも知られ、私はどちらかといえばチェスよりもそっちのほうで共通点が多いかもしれない。
そんなボビーの活躍は、フランク・ブレイディー『完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯』で読めます。
世界のヒーローになったと思ったら突然失踪したり、ユダヤの陰謀論をバリバリに信じてたり、日本の入国審査で引っかかってもめることとなり、羽生さんが時の首相に手紙を出してニュースになったりとか。
いや、ホンマに変な人ですわ。
あと、もうひとりすごい3月9日生まれの人を見つけてしまった。
その名はフアン・セバスティアン・ベロン。
アルゼンチンのサッカー選手で、98年フランスW杯において日本代表と戦ったことでも知られている。
そんな彼が「すごい」のは今さらだが、なににそんなことさら「すごい」のかと問うならば、それはもう生まれた年のこと。
なんとベロンったら、誕生日だけじゃなくて、生まれた年まで私と同じなのだ。
つまり単なる同期生じゃなくて、正真正銘同じ日の、ほぼ同じ瞬間にこの世に誕生したことになるのだ。これを因縁といわずして、だれを因縁というのか。
いやあ、最後にビッグネームが出てきてくれて、うれしいものである。
まあ、だからなんだという話だが、私的にはなかなか楽しい「同志」検索であった。