3月9日は私の誕生日である。
そんなめでたいマイバースデイとなれど、子供のころはともかく、長じてからは周囲から祝われると言うよりも、
「アメリゴ・ベスプッチと同じ日に生まれた人」
としてあつかわれることの多い私である。
アメリカ大陸を探検したアメリゴは偉人だが、どうも「ベスプッチ」という響きがマヌケらしく、その流れでなぜか「私までマヌケ」というあつかいになるらしい。
これに対しては毎年、
「こらこら、誰がちょっと変わった名前の、シュテファン・ツヴァイクも伝記を書いたことある偉大な探検家と同じ誕生日の人や!」
などと、まわりくどいつっこみを入れるのも、そろそろ飽きたのである。
そこで今年は、そんな子供じみたイジりに反撃すべく、他にも3月9日生まれの人がいないか調べてみることにした。
こういうときインターネットというのは便利である。「3月9日生まれの有名人」で検索してみると、あれこれと出てきたのである。
たとえば、ハリー・ホップマン。
戦前に活躍したオーストラリアのテニス選手で、地元オーストラリア選手権(今のオーストラリアン・オープン)3年連続準優勝という記録を持つ。
国際テニス殿堂入りも果たしており、今のファンなら男女混合国別対抗戦という、個人戦のテニスではめずらしい大会「ホップマン・カップ」の名でおなじみであろう。
ちなみに1932年の全豪選手権でベスト4に進出し、彼と決勝への切符をかけて戦ったのがなにを隠そう、日本の佐藤次郎選手。
現在、錦織圭が世界で大暴れしているが、その大先輩である佐藤とも一戦まじえたこともあるというのは因縁である。
佐藤の生涯については、深田祐介さんの『さらば麗しきウィンブルドン』にくわしいが、そんな日本テニス史とも縁の深いホップマン、この人が3月9日生まれ。
うーむ、探せばいるものである。私はテニスファンなので、こういう名前が出てくるとうれしいものだ。
ホップマンカップは非公式戦であるせいか、優勝チームがけっこう渋い面子であることが特徴。
ずらっと並べてみても、
★2009年大会 優勝スロバキア
ドミニク・フルバティ&ドミニカ・チブルコバ
★2010年大会 優勝スペイン
トミー・ロブレド&マリア・ホセ・マルティネス・サンチェス
★2011年大会 優勝アメリカ
ジョン・イスナー&ベサニー・マテック=サンズ
★2012年大会 優勝チェコ
トマーシュ・ベルディハ&ペトラ・クビトバ
★2013年大会 優勝スペイン
フェルナンド・ベルダスコ&アナベル・メディナ・ガリゲス
★2014年大会 優勝フランス
ジョー=ウィルフリード・ツォンガ&アリーゼ・コルネ
バリバリのトップの名前こそ少ないが、通から見ると「なかなかいいチョイスじゃないか」とニヤリとしたくなる選手が勝っている。
これからは「よう、ベスプッチと同じ誕生日の人」とか、「よう、リストラばっかりしてる人と同じ誕生日の人(カルロス・ゴーンも3月9日生まれらしい)」などとイジられても、そこは堂々とカウンターパンチで、
「いやいや、これからはハリー・ホップマンと同じ誕生日の人と呼びたまえ」
こう言い返すことにしよう。
もっとも、テニスファン以外でホップマンの名前を知っている人がいる可能性は低いうえに、もし知っている人がいたら今度は、
「よう、優勝者に地味な実力者が多い大会の大会名になってて、なおかつ錦織圭の大先輩と名勝負を繰り広げた人と同じ誕生日の人」
などと、まわりくどく、かつマニアックにイジられてしまうかもしれないが。
(続く→こちら)
そんなめでたいマイバースデイとなれど、子供のころはともかく、長じてからは周囲から祝われると言うよりも、
「アメリゴ・ベスプッチと同じ日に生まれた人」
としてあつかわれることの多い私である。
アメリカ大陸を探検したアメリゴは偉人だが、どうも「ベスプッチ」という響きがマヌケらしく、その流れでなぜか「私までマヌケ」というあつかいになるらしい。
これに対しては毎年、
「こらこら、誰がちょっと変わった名前の、シュテファン・ツヴァイクも伝記を書いたことある偉大な探検家と同じ誕生日の人や!」
などと、まわりくどいつっこみを入れるのも、そろそろ飽きたのである。
そこで今年は、そんな子供じみたイジりに反撃すべく、他にも3月9日生まれの人がいないか調べてみることにした。
こういうときインターネットというのは便利である。「3月9日生まれの有名人」で検索してみると、あれこれと出てきたのである。
たとえば、ハリー・ホップマン。
戦前に活躍したオーストラリアのテニス選手で、地元オーストラリア選手権(今のオーストラリアン・オープン)3年連続準優勝という記録を持つ。
国際テニス殿堂入りも果たしており、今のファンなら男女混合国別対抗戦という、個人戦のテニスではめずらしい大会「ホップマン・カップ」の名でおなじみであろう。
ちなみに1932年の全豪選手権でベスト4に進出し、彼と決勝への切符をかけて戦ったのがなにを隠そう、日本の佐藤次郎選手。
現在、錦織圭が世界で大暴れしているが、その大先輩である佐藤とも一戦まじえたこともあるというのは因縁である。
佐藤の生涯については、深田祐介さんの『さらば麗しきウィンブルドン』にくわしいが、そんな日本テニス史とも縁の深いホップマン、この人が3月9日生まれ。
うーむ、探せばいるものである。私はテニスファンなので、こういう名前が出てくるとうれしいものだ。
ホップマンカップは非公式戦であるせいか、優勝チームがけっこう渋い面子であることが特徴。
ずらっと並べてみても、
★2009年大会 優勝スロバキア
ドミニク・フルバティ&ドミニカ・チブルコバ
★2010年大会 優勝スペイン
トミー・ロブレド&マリア・ホセ・マルティネス・サンチェス
★2011年大会 優勝アメリカ
ジョン・イスナー&ベサニー・マテック=サンズ
★2012年大会 優勝チェコ
トマーシュ・ベルディハ&ペトラ・クビトバ
★2013年大会 優勝スペイン
フェルナンド・ベルダスコ&アナベル・メディナ・ガリゲス
★2014年大会 優勝フランス
ジョー=ウィルフリード・ツォンガ&アリーゼ・コルネ
バリバリのトップの名前こそ少ないが、通から見ると「なかなかいいチョイスじゃないか」とニヤリとしたくなる選手が勝っている。
これからは「よう、ベスプッチと同じ誕生日の人」とか、「よう、リストラばっかりしてる人と同じ誕生日の人(カルロス・ゴーンも3月9日生まれらしい)」などとイジられても、そこは堂々とカウンターパンチで、
「いやいや、これからはハリー・ホップマンと同じ誕生日の人と呼びたまえ」
こう言い返すことにしよう。
もっとも、テニスファン以外でホップマンの名前を知っている人がいる可能性は低いうえに、もし知っている人がいたら今度は、
「よう、優勝者に地味な実力者が多い大会の大会名になってて、なおかつ錦織圭の大先輩と名勝負を繰り広げた人と同じ誕生日の人」
などと、まわりくどく、かつマニアックにイジられてしまうかもしれないが。
(続く→こちら)