ホビージャパンMOOK『HOW TO BUILD GUNDAM』を買う。
『ホビージャパン』の編集部が昔に出したムックで、なつかしのモデラー集団「ストリーム・ベース」のメンバーなどを中心とした、ガンダムのプラモデル作品集。
私はプラモデルやフィギュアというものに、さほど興味のないタイプの男子だが、先日も言ったように(→こちら)、子供のころは『プラモ狂四郎』を目当てに『コミックボンボン』を買っていた世代なので、この時代のアニメモデルには多少の思い入れはある。
1981年発売だから、えらい昔だ。たしか、友達が持ってたのを、読ましてもらったんだよなあ。
そこで今回、電子書籍で見つけたのを機に読み直してみたのだが、これがなつかしさもあいまって、すこぶるおもしろかったのだ。
『狂四郎』ではプラモシミュレーションというマシンを使って、バーチャル世界でプラモ同士のバトルをやるわけで、よく言われるが、おそらくは『ガンダムビルドファイターズ』に多大な影響をあたえている。
自分が作ったプラモを操縦できる!
ちゃんと、パーティングライン(部品と部品の継ぎ目)まで再現されているのが、すばらしい。
それを、一介のプラモ屋のオッチャンが作ったというのがスゴイが、そこで魅力的だったのが、これが単に「ガンダム」とか「ザブングル」ではなく、「そのプラモ」が戦うこと。
なので、そのキットの特性が反映されるわけで、
「リックドムは、首が後ろに回らない」
「144分の1ゲルググは、腕が肩より上にあがらない」
という弱点があるため、そこをねらわれたりする。
リックドムの弱点を2つを突かれ敗れるの巻。あくまで「プラモ」が戦っているのだ。
再戦時に首を回転できるよう改造してきた足立くん。さすが「プラモ帝国エンペラー」(ネーミングセンスもすばらしい)のメンバー。
そのあたりの指摘がガチなのは、ときには、
「リアルタイプガンダムの欠点」
なんていう、今では考えられない商品への悪口があったり、そのあたりの「あくまでプラモ」というルール設定が絶妙だった。
ならばとモデラーたちもそれをおぎなうために、改造に血道をあげたりして、
「Gアーマーにまたがるため、ガンダムの股関節に、旧ザクやリックドムの部品を使う」
「グフのヒートロッドを、ハンダ線と糸ハンダで作って破壊力アップ」
「モーターライズとセメントコーティングで、3倍のパワーになったタイガー1型」
Gファイターにまたがるため、ガンダムの股関節が開くように改造。
こういう工夫が勝利につながり、そこがおもしろい。京田君の日本語が、ちょっと変なのはご愛敬。
また『狂四郎』初期のはずせない名シーンが、
こんなん見せられたら、
「オレもプラ板とパテ買ってきて、プラモをカッコよく改造する!」
てな気分にも、なろうというものだ。
で、そういうときに色々と教えてくれるのが、『ボンボン』などでその種の解説をしてくれるストリーム・ベースの皆さんだ。
今のメチャクチャ出来がいいガンプラにくらべると、「まあ、こんなもんか」という感じだが、私が子供のころなんかは、見てビビったもの。
こっちは色塗るだけでも、めんどくさくて肩で息しとるのに、ヤスリでみがくわ、汚し入れるは、デカールは貼るわ、その他諸々の細かい作業とか、ようわるわ!
その手間ひま考えたら、あの素朴なキットから、ようここまでやれるわと感心します。
モデラーって、すげえよなとしみじみ思い、今でもプラモ作りがうまい人は尊敬してしまう。
うーん、これが動いて戦ったら、どうなるんだろうとワクワク。
嗚呼、早くプラモシミュレーションが、実現しないかなあ。
もっとも、負けたらプラモがバキバキに壊される鬼仕様は、勘弁してほしいですが。
子供が一所懸命、作ったのに……。
(続く→こちら)