旅先のマクドナルドは和食です

2015年02月10日 | B級グルメ
 マクドナルドは日本の味である。

 などというと、

 「君はなに愚かなことをいってるんだね」

 そうあきれられるかもしれない。いやいや、マクドナルドはアメリカのもんやんと。

 しかし、私は断乎として、ここにマクドは日本の心と言いたい。これは、日本にいるとピンと来ないかもしれないが、私のような旅行好きはしみじみそう感じるときがあるのだ。

 みなさまも海外旅行中、こんなことを思うことがあるのではないか。

 「あーこの国のメシ飽きた!」

 イギリスの紙粘土みたいなサンドイッチ、イスラムの羊責め、タイのパクチーによる毒ガス攻撃。

 オリーブオイルが苦手な人は南欧ではつらいこととなり、アメリカは質もさることながら量もメガサイズで、間違いなく滞在日数分だけ寿命が縮まる。

 大味なうえに、カロリー多すぎや!

 そんなとき、我々はため息をつきながら、悲しみの表情で「日本食食べたい音頭」を踊ることとなる。

 私は比較的どの国のご飯でも平気で食べる方だが、食事が合わないと、つらい人はつらいらしい。

 じゃあジャパレス行けばいいじゃんというのは正しい意見だ。

 今や世界中にある日本食の店。だが、いかんせん日本食はうまいが高い。

 我々のような貧乏人がホイホイと入れるところではない。かくいう私も一度も行ったことがない。

 こういうとき救世主となるのが、中華のテイクアウトとマクドナルド。

 中華はまあわかるとして、ではなぜマクドナルドなのかといえば、これは味云々ではない。

 「どの国でも同じの、食べなれた味」

 というメンタル面が大きい。

 マクドナルドは世界にも山ほどある。

 そして、それはロンドンでもパリでも、マダガスカル島でも北極でもイスカンダルでも、東京や大阪と同じ味のものが出てくるのだ。これが、存外に感激なのである。

 あのアメリカ大嫌いのイランですら、マクドではないがなぜか「M」という看板をつけた、バッタハンバーガーショップがあるくらいである。ないところを探すのが難しいくらいだ。
 
 そのため、海外で「知っている味」にであうことによって、

 「あー、いつも食ってるこれやったら食べられるー」

 あの安いハンバーガーを手にうっとりとつぶやくことになる。これこそが、異国で出会った「故郷の味」。

 マクドナルドの「知った味」は、思った以上に疲れた心と胃に優しい。あんな安い肉と油のかたまりなのに、なぜか食べられるのだ。

 その意味ではマクドナルドはすでに「和食」ともいえるのである。

 私の妹など、海外でお腹をこわし、現地の食べ物を一切受けつけなくなったとき、

 「あのときは死ぬかと思ったけど、マクドナルドだけは食べられた」

 嗚呼、やはりマクドナルドは日本の味である。

 みなさんも海外で寝こんだときは、とりあえずMのマークを目指しましょう。



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