京都に行って、ずいぶんとなつかしい気持ちになった。
ということで前回(→こちら)から昔、京都に遊んだ写真を紹介しているが、さすが大学の多い街ということか、古本市が充実しているのがうれしい。
個人的に楽しかったのは、戦前戦中の、日本の雑誌やポスター。
軍国主義バリバリで、
「祝・南京陥落」
「進め一億火の玉だ」
みたいなことが、大まじめにプリントされているところなど、「時代だなあ」と実に興味深い。
たとえば、こんなの。
昭和初期のBL同人誌。
光ってしまって見にくいが、軍国主義バリバリ時代の絵物語。
中国兵を軍刀で切りつけ、
「子供が良くなる」
とは時代であるなあ。
当時は爆笑したものだけど、今だとこういう本、ふつうに本屋で置いてあって、「揺り戻し」ってあるんだなあと感じる。
歴史的に見れば、人は「イケてない」ときこそ、
「愛国」
「オレたちスゴイ!」
「民度が高い!」
みたいな自画自賛に走りがちだから、今の日本もそうなのかと思うと、少し哀しいが。
「外国人に称賛を求めたがる」
とか、アンドレ・ジッド『ソヴィエト旅行記』にもあったなあ。
それはともかく、こういう資料が歴史的に貴重なのはたしかで、いろいろと読んでみたいもの。
よく本好きが、「断捨離」のとき、
「残すべきは雑誌」
なんて、よく言うけど、それはわかる気がする。
今なら、グーグル検索やピンタレストみたいなアプリですぐ見つけられるけど、昔はこうして、足で探すしかなかったのだ。
今は便利だなあ。「昔はよかった」ってのが、大人になっても、いまだにピンとこないよ。
このあたりの資料は、早川タダノリ『神国日本のトンデモ決戦生活』という本にくわしいので、興味のある方は一読を。
また、古本界の濃いお話に興味があれば、グレゴリ青山『ブンブン堂のグレちゃん』がオススメです。
(円山公園と『サイキック青年団』編に続く→こちら)