古いテニス雑誌を読んでみた。
私はテニスファンなので、よくテニスの雑誌を買うのだが、最近古いバックナンバーを購入して読むのにハマっている。
ブックオフなんかで1冊100円で投げ売りされているのなどを開いてみると、「あー、なつかしい」とか「おー、こんな選手おったなー」などやたらと楽しく、ついつい時間が経つのも忘れてしまうのだ。
今回読んでみたのが、『スマッシュ』の1990年9月号。
ウィンブルドン特集で、表紙が優勝したステファン・エドバーグというのが時代でありますね。定価が400円というのも、また昭和な感じが。
私がテニスを本格的に見始めたのが1995年なので、このころのことは、たまにテレビでやってるのを見た程度だが、それでもベッカーやレンドル、ナブラチロワにサバティーニなんて名前が並んでいると、ずいぶんとノスタルジックな気分になる。
目についた記事をかたっぱしから拾っていくと、
「男子3回戦 エドバーグvsマンスドルフ戦レビュー」
優勝したステファンが、イスラエルの伏兵マンスドルフ(89位)にファイナル9-7までねばられた試合の解説。
ここで負けてたら、その後の優勝はなかった危ない橋だった。そういえば、ステファンは初優勝したときも、ミロスラフ・メシール相手に準決勝でいきなり2セットダウンして、綱渡りだったっけ。
読みながら、「マンスドルフって、だれやねん」なんて思ってたけど、調べたら最高ランキング18位で、ツアーでも6勝してるいい選手。
今なら、ケビン・アンダーソンとか、ロベルト・バウティスタ=アグートくらいのイメージ? それならトップシード相手に番狂わせを起こしかけても、おかしくないか。
女子の部では「マンドリコワのラストステージ」
グランドスラム優勝経験もある、ハナ・マンドリコワの最後のウィンブルドンは2回戦敗退。
3番コートで、観客もまばらだったそうな。2013年ウィンブルドンの優勝者マリオン・バルトリが引退時、
「(決勝戦も引退試合も)どちらも大事なゲームだけど、皆わたしがウィンブルドンに勝った試合はおぼえていても、最後の試合に関してはだれも知らないのでしょうね」
みたいなコメントしてたけど、一流プレーヤーでも最後を華々しく飾れないこともあるのは、たしかに哀しい。
ハナはグランドスラム優勝4回の名選手だが、同時期にマルチナ・ナブラチロワとクリス・エバートがいたことで損をしたイメージ。
ちょっと時代がずれてたら……というのはいっても詮無いけど、神様ももう少しうまく配分してくれたらと思うこともある。錦織圭も他人ごとじゃないし。
「チェコスロバキアは西ドイツに勝つと思ったんだが……」
サッカーのワールドカップ・イタリア大会と日程が重なっていた90年ウィンブルドン。
準々決勝で、祖国チェコスロバキアが西ドイツに敗れての、イワン・レンドルのコメント。相当ガッカリしたらしい。
ライバルのボリス・ベッカーなど、テニス選手にサッカーファンは多い。というか、
「テニスだけでなく、サッカーでも地元の有望選手だった」。
というのは、けっこうよく見る「テニスあるある」。
ラファエル・ナダルやアンディー・マレーとかそうだし、ジム・クーリエの場合は「大リーグかテニスのどっちのプロになるか悩んだ」だったところがアメリカっぽい。
レイトン・ヒューイットもテニスにしぼる前は「オージーボール」というスポーツをやっていたそうな。要するに一流アスリートは、なにやってもうまいんでしょうね。
ちなみに、レンドルは準決勝でエドバーグに敗退。この年、W杯は西ドイツが勝ったが、ベッカーは準優勝でダブル優勝はならなかった。
ガブリエラ・サバティーニは「アルゼンチンの優勝は難しいと思う」とコメント。
これは自分が準決勝で負けた後の、サッカーについての話。予想は当たって、マラドーナひきいるアルゼンチンは準優勝に終わる。
ガビィはベスト4でナブラチロワに敗れる。彼女もまたマンドリコワ同様、実力のわりにグランドスラム優勝が少ない選手というイメージだ。
他にも、
「シュテフィ・グラフの父ちゃん不倫疑惑」
「ガビイはプライベートでもモテモテ」
「トーマス・ムスターがATPランキングシステムにブチギレ」
などなど、「90年代だなあ」な記事が満載。
世界ランキングでも、トップ10にブラッド・ギルバート、アーロン・クリックステイン、エミリオ・サンチェスなどなど、渋い選手がずらり。
20位くらいまででも、アンドレイ・チェスノコフとか、マグナス・グスタフソンとか、カール・ウベ・シュティープとか、「あー、いたなあ」な選手がいてなんだか楽しい。
2重の意味でノスタルジックなのは、ジュニアランキングの欄
男子の1位が、チェコスロバキアのマルチン・ダム。
以下、6位にアンドレイ・メドベデフ、9位にレアンダー・パエスの名前が。
アンドレイなんか、若いときから頭髪に不自由していてずいぶん老けて見えたけど、ジュニアの時代があったんだ(そらそうだろ)。
マルティンとレアンダーは、その後ダブルスの選手として活躍。2人で組んで、全豪でも優勝している。
女子では2位にジェニファー・カプリアティ、3位にマグダレーナ・マリーバときて、沢松奈生子さん(表記は「澤松」)が4位とはすばらしい。
嗚呼、なんて後ろ向きに楽しい過去のテニス雑誌。とりあえず、youtubeで古き時代のビンテージマッチを楽しんでみようかしらん。
(続く→こちら)
私はテニスファンなので、よくテニスの雑誌を買うのだが、最近古いバックナンバーを購入して読むのにハマっている。
ブックオフなんかで1冊100円で投げ売りされているのなどを開いてみると、「あー、なつかしい」とか「おー、こんな選手おったなー」などやたらと楽しく、ついつい時間が経つのも忘れてしまうのだ。
今回読んでみたのが、『スマッシュ』の1990年9月号。
ウィンブルドン特集で、表紙が優勝したステファン・エドバーグというのが時代でありますね。定価が400円というのも、また昭和な感じが。
私がテニスを本格的に見始めたのが1995年なので、このころのことは、たまにテレビでやってるのを見た程度だが、それでもベッカーやレンドル、ナブラチロワにサバティーニなんて名前が並んでいると、ずいぶんとノスタルジックな気分になる。
目についた記事をかたっぱしから拾っていくと、
「男子3回戦 エドバーグvsマンスドルフ戦レビュー」
優勝したステファンが、イスラエルの伏兵マンスドルフ(89位)にファイナル9-7までねばられた試合の解説。
ここで負けてたら、その後の優勝はなかった危ない橋だった。そういえば、ステファンは初優勝したときも、ミロスラフ・メシール相手に準決勝でいきなり2セットダウンして、綱渡りだったっけ。
読みながら、「マンスドルフって、だれやねん」なんて思ってたけど、調べたら最高ランキング18位で、ツアーでも6勝してるいい選手。
今なら、ケビン・アンダーソンとか、ロベルト・バウティスタ=アグートくらいのイメージ? それならトップシード相手に番狂わせを起こしかけても、おかしくないか。
女子の部では「マンドリコワのラストステージ」
グランドスラム優勝経験もある、ハナ・マンドリコワの最後のウィンブルドンは2回戦敗退。
3番コートで、観客もまばらだったそうな。2013年ウィンブルドンの優勝者マリオン・バルトリが引退時、
「(決勝戦も引退試合も)どちらも大事なゲームだけど、皆わたしがウィンブルドンに勝った試合はおぼえていても、最後の試合に関してはだれも知らないのでしょうね」
みたいなコメントしてたけど、一流プレーヤーでも最後を華々しく飾れないこともあるのは、たしかに哀しい。
ハナはグランドスラム優勝4回の名選手だが、同時期にマルチナ・ナブラチロワとクリス・エバートがいたことで損をしたイメージ。
ちょっと時代がずれてたら……というのはいっても詮無いけど、神様ももう少しうまく配分してくれたらと思うこともある。錦織圭も他人ごとじゃないし。
「チェコスロバキアは西ドイツに勝つと思ったんだが……」
サッカーのワールドカップ・イタリア大会と日程が重なっていた90年ウィンブルドン。
準々決勝で、祖国チェコスロバキアが西ドイツに敗れての、イワン・レンドルのコメント。相当ガッカリしたらしい。
ライバルのボリス・ベッカーなど、テニス選手にサッカーファンは多い。というか、
「テニスだけでなく、サッカーでも地元の有望選手だった」。
というのは、けっこうよく見る「テニスあるある」。
ラファエル・ナダルやアンディー・マレーとかそうだし、ジム・クーリエの場合は「大リーグかテニスのどっちのプロになるか悩んだ」だったところがアメリカっぽい。
レイトン・ヒューイットもテニスにしぼる前は「オージーボール」というスポーツをやっていたそうな。要するに一流アスリートは、なにやってもうまいんでしょうね。
ちなみに、レンドルは準決勝でエドバーグに敗退。この年、W杯は西ドイツが勝ったが、ベッカーは準優勝でダブル優勝はならなかった。
ガブリエラ・サバティーニは「アルゼンチンの優勝は難しいと思う」とコメント。
これは自分が準決勝で負けた後の、サッカーについての話。予想は当たって、マラドーナひきいるアルゼンチンは準優勝に終わる。
ガビィはベスト4でナブラチロワに敗れる。彼女もまたマンドリコワ同様、実力のわりにグランドスラム優勝が少ない選手というイメージだ。
他にも、
「シュテフィ・グラフの父ちゃん不倫疑惑」
「ガビイはプライベートでもモテモテ」
「トーマス・ムスターがATPランキングシステムにブチギレ」
などなど、「90年代だなあ」な記事が満載。
世界ランキングでも、トップ10にブラッド・ギルバート、アーロン・クリックステイン、エミリオ・サンチェスなどなど、渋い選手がずらり。
20位くらいまででも、アンドレイ・チェスノコフとか、マグナス・グスタフソンとか、カール・ウベ・シュティープとか、「あー、いたなあ」な選手がいてなんだか楽しい。
2重の意味でノスタルジックなのは、ジュニアランキングの欄
男子の1位が、チェコスロバキアのマルチン・ダム。
以下、6位にアンドレイ・メドベデフ、9位にレアンダー・パエスの名前が。
アンドレイなんか、若いときから頭髪に不自由していてずいぶん老けて見えたけど、ジュニアの時代があったんだ(そらそうだろ)。
マルティンとレアンダーは、その後ダブルスの選手として活躍。2人で組んで、全豪でも優勝している。
女子では2位にジェニファー・カプリアティ、3位にマグダレーナ・マリーバときて、沢松奈生子さん(表記は「澤松」)が4位とはすばらしい。
嗚呼、なんて後ろ向きに楽しい過去のテニス雑誌。とりあえず、youtubeで古き時代のビンテージマッチを楽しんでみようかしらん。
(続く→こちら)