古いテニス雑誌を読んでみた 1990年『スマッシュ』ウィンブルドン特集号

2018年01月29日 | テニス
 古いテニス雑誌を読んでみた。

 私はテニスファンなので、よくテニスの雑誌を買うのだが、最近古いバックナンバーを購入して読むのにハマっている。

 ブックオフなんかで1冊100円で投げ売りされているのなどを開いてみると、「あー、なつかしい」とか「おー、こんな選手おったなー」などやたらと楽しく、ついつい時間が経つのも忘れてしまうのだ。

 今回読んでみたのが、『スマッシュ』の1990年9月号。

 ウィンブルドン特集で、表紙が優勝したステファン・エドバーグというのが時代でありますね。定価が400円というのも、また昭和な感じが。

 私がテニスを本格的に見始めたのが1995年なので、このころのことは、たまにテレビでやってるのを見た程度だが、それでもベッカーやレンドル、ナブラチロワにサバティーニなんて名前が並んでいると、ずいぶんとノスタルジックな気分になる。

 目についた記事をかたっぱしから拾っていくと、


 「男子3回戦 エドバーグvsマンスドルフ戦レビュー」


 優勝したステファンが、イスラエルの伏兵マンスドルフ(89位)にファイナル9-7までねばられた試合の解説。

 ここで負けてたら、その後の優勝はなかった危ない橋だった。そういえば、ステファンは初優勝したときも、ミロスラフ・メシール相手に準決勝でいきなり2セットダウンして、綱渡りだったっけ。

 読みながら、「マンスドルフって、だれやねん」なんて思ってたけど、調べたら最高ランキング18位で、ツアーでも6勝してるいい選手。

 今なら、ケビン・アンダーソンとか、ロベルト・バウティスタ=アグートくらいのイメージ? それならトップシード相手に番狂わせを起こしかけても、おかしくないか。

 女子の部では「マンドリコワのラストステージ」


 グランドスラム優勝経験もある、ハナ・マンドリコワの最後のウィンブルドンは2回戦敗退。

 3番コートで、観客もまばらだったそうな。2013年ウィンブルドンの優勝者マリオン・バルトリが引退時、


 「(決勝戦も引退試合も)どちらも大事なゲームだけど、皆わたしがウィンブルドンに勝った試合はおぼえていても、最後の試合に関してはだれも知らないのでしょうね」


 みたいなコメントしてたけど、一流プレーヤーでも最後を華々しく飾れないこともあるのは、たしかに哀しい。

 ハナはグランドスラム優勝4回の名選手だが、同時期にマルチナ・ナブラチロワとクリス・エバートがいたことで損をしたイメージ。

 ちょっと時代がずれてたら……というのはいっても詮無いけど、神様ももう少しうまく配分してくれたらと思うこともある。錦織圭も他人ごとじゃないし。

 
 「チェコスロバキアは西ドイツに勝つと思ったんだが……」


 サッカーのワールドカップ・イタリア大会と日程が重なっていた90年ウィンブルドン。

 準々決勝で、祖国チェコスロバキアが西ドイツに敗れての、イワン・レンドルのコメント。相当ガッカリしたらしい。

 ライバルのボリス・ベッカーなど、テニス選手にサッカーファンは多い。というか、

 「テニスだけでなく、サッカーでも地元の有望選手だった」。

 というのは、けっこうよく見る「テニスあるある」。

 ラファエル・ナダルやアンディー・マレーとかそうだし、ジム・クーリエの場合は「大リーグかテニスのどっちのプロになるか悩んだ」だったところがアメリカっぽい。

 レイトン・ヒューイットもテニスにしぼる前は「オージーボール」というスポーツをやっていたそうな。要するに一流アスリートは、なにやってもうまいんでしょうね。

 ちなみに、レンドルは準決勝でエドバーグに敗退。この年、W杯は西ドイツが勝ったが、ベッカーは準優勝でダブル優勝はならなかった。

 ガブリエラ・サバティーニは「アルゼンチンの優勝は難しいと思う」とコメント。

 これは自分が準決勝で負けた後の、サッカーについての話。予想は当たって、マラドーナひきいるアルゼンチンは準優勝に終わる。

 ガビィはベスト4でナブラチロワに敗れる。彼女もまたマンドリコワ同様、実力のわりにグランドスラム優勝が少ない選手というイメージだ。

 他にも、


 「シュテフィ・グラフの父ちゃん不倫疑惑」

 「ガビイはプライベートでもモテモテ」

 「トーマス・ムスターがATPランキングシステムにブチギレ」



 などなど、「90年代だなあ」な記事が満載。

 世界ランキングでも、トップ10にブラッド・ギルバート、アーロン・クリックステイン、エミリオ・サンチェスなどなど、渋い選手がずらり。

 20位くらいまででも、アンドレイ・チェスノコフとか、マグナス・グスタフソンとか、カール・ウベ・シュティープとか、「あー、いたなあ」な選手がいてなんだか楽しい。

 2重の意味でノスタルジックなのは、ジュニアランキングの欄

 男子の1位が、チェコスロバキアのマルチン・ダム。

 以下、6位にアンドレイ・メドベデフ、9位にレアンダー・パエスの名前が。

 アンドレイなんか、若いときから頭髪に不自由していてずいぶん老けて見えたけど、ジュニアの時代があったんだ(そらそうだろ)。

 マルティンとレアンダーは、その後ダブルスの選手として活躍。2人で組んで、全豪でも優勝している。

 女子では2位にジェニファー・カプリアティ、3位にマグダレーナ・マリーバときて、沢松奈生子さん(表記は「澤松」)が4位とはすばらしい。

 嗚呼、なんて後ろ向きに楽しい過去のテニス雑誌。とりあえず、youtubeで古き時代のビンテージマッチを楽しんでみようかしらん。


 (続く→こちら



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 冬戦争の貧乏フィンランド軍... | トップ | 古いテニス雑誌を読んでみた... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。