ネットは誰が見てるかわかりません 爆笑問題太田光 編

2016年01月09日 | コラム

 「爆笑問題の太田さんがここを読んでるらしいですよ」

 まだこのブログをはじめたばかりのころ、ある女性からこんなコメントをいただいたことがあった。

 インターネットというのはたいしたもので、ブログやツイッター、フェイスブックなどで、これまでなら絶対にコミュニケーションなど取れないはずであった遠方の人や有名人とも交流することができる。

 すごい時代である。私の周囲でも、嫌いな芸人に嫌ごとコメントを送って怒られたり、好きなアイドルに自作のポエムを送ってキモがられたり、政治的な論争をやっているうちに炎上が止まらなくなったりと、各地で盛り上がっている。

 そんな中、いよいよ私も有名人とコミュニケートデビューである。

 それも爆笑問題の太田さんといえば、お笑いの世界でもトップクラスのスター。さすがは私、やはり在野にいてもその才は隠せないようだ。

 彼のような、見る人が見れば、「こいつはモノがちがうぞ」と、どうしても目をひいてしまうのだろう。プロも認める、あふれくる才能と将来性をもった私だ。まったく、たいした男であるといわざるを得ない。

 などという中2病じみた妄想におちいりそうな内容であったが、同時に私の中の危機管理センサーも敏感に反応するのであった。

 「これは罠ではないか」 

 よくあるではないか、パソコンやケータイに届くアレだ。

 「女子高生です、最近困っているので援助してください」
 「さみしい人妻です。愛人になってくれませんか」
 「アイドル○○のマネージャーです。彼女が最近悩んでいるようです、相談にのってあげてください」

 なんてタイトルで目をひいて、うっかり開くとウィルスだったり架空請求が来たりしてノートン先生に怒られるというアレ。

 まあ、私の場合はそのような誘いにのせられるようなトンマではないので、引っかかったのはこれまで、せいぜい25回程度のことだが、また性懲りもなくその手のブービートラップである。

 そもそも、あまりの人の少なさで、周囲から

 「残され島」
 「そして誰もいなくなった」
 「川崎球場のロッテvs南海戦」

 などと揶揄されているこんな過疎地帯に、芸能人などくるわけがないではないか。

 よくブログやツイッターをやっている人が、

 「誰も見てくれないから、心が折れました」。

 なんて、更新をやめてしまうことがあるが、そんなのは当たり前である。

 私もかつては友人とミニコミを作ったり自主映画を撮ったりしていたものだから、この世界における絶対真理である、

 「世間の皆さまは、誰も知らん素人が書いたり創ったりした小説やマンガやコラムなど、カケラも興味などない」。

 ということは身にしみてわかっているのだ。もうね、一所懸命やってるのに、信じられないくらい人って来ないもんですよ。

 クレバーな私は瞬時にそのトラップを見破り、

 「おい、オレのブログ爆笑問題が読んでるねんぞ」

 などと吹きまくって後で、

 「うっそぴょーん。だまされやがって、やーいやーいベロベロバーカ!」

 そんな、どんでん返しを食らって赤っ恥という展開は回避することができた。

 こちとら、そんなドッキリにかかる素人ではない。フッフッフ、見よ、この読みの深さ。

 おそらくこんなことを仕掛けてくるのは、私の台頭におそれをなすNASAかユダヤ・フリーメーソンといった巨大な組織の陰謀であろうことは想像に難くない。どこのどいつか知らんが、私をハメようなど100億万年早いのである。

 悪の組織敗れたり! 私にケンカを売ろうなど愚か極まる。みそ汁で顔を洗って出直してきなさい。

 なんて一発カマしてスルーしようとしたのであるが、この怪しげなメールにはまだ続きがあったのであった。


 (続く→こちら




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