自宅でできる、手軽で簡単な運動法はないものか。
というのは、運動不足やダイエットに悩む人たちに、共通した思いではなかろうか。
ジムに行くのはめんどくさいし、ジョギングやウォーキングは雨の日や真夏だと出られない。
ルームランナーなど器具は高いし場所も取る。ストレッチではちょっともの足りない。
かくいう私も、なにか部屋で出来る運動はないかとあれこれ模索したもので、
1.エア縄跳び(下の階の人に迷惑)
2.ヒンズースクワット(ヒザが痛くなる)
3.踏み台昇降(単調なのでやっていて飽きる)
など試行錯誤したものだが、その末に「おお、これは!」とたどりついたものがあり、それがその名も「玉吉体操」。
これは、『しあわせのかたち』や『防衛漫玉日記』を描かれた漫画家の桜玉吉さんが考案した運動法。
漫画の中で紹介されていて、自分もなんとなくやってみたら、これがなかなかのスグレモノだったのだ。
やり方は、ものすごく簡単。
部屋でテキトーに踊る。これだけ。
玉吉さんは最初、NHKでやっていた気孔体操をまねて舞っていたそうだが、そのうちどんどん振り付けがアバウトになって、今では独自の進化を遂げたのだという。
中でも音楽を取り入れたのが大正解で、仕事で煮詰まったときなど、お気に入りのCDをかけて気分転換に踊っていたら、1時間でも2時間でも経って、たいそう運動になる。
おかげで体調もすこぶる良好になり、それだけで7キロの減量に成功したという。
玉吉さんが自賛するところでは
「お手軽で経済的ですばらしい儀式」。
これがですねえ、最初はバカにしていたんですが、やってみると意外なほどハマるんです。
玉吉体操のいいところは、とにかくわずらわしいルールがない。
音楽をかけて、あとは好きに体を動かすだけ。
ステップを踏むもよし、飛び跳ねるもよし、体をプルプル振るもよし、とにかく本能のままにレッツ・ダンシング!
振り付けを覚えたり、「○○運動を毎日5セット」とか制約もないし、かかるお金はゼロだし、雨の日でもできる。
気分が乗らないときには、10分程度でやめても、けっこうスッキリするもの。
服装も自由だし、なんだったら裸でもいい。
玉吉さんは「パンツ一丁に万歩計」という姿でやっているそうだが、たしかに解放感はありそうだ。カーテン閉めるのを忘れると大変だが。
アレンジも自由。
気分を変えるために、太極拳風にやってみたり、ヨガを取り入れたり、フリが思いつかなければラジオ体操でもよし。
ソニックビートでも盆踊りでも、とにかく、ロケロケロッケンと踊るだけなのだから、なんと楽ちんなのか。
運動オンチでもかまわない。だって、適当に踊るだけだもーん。
だれに見られるわけじゃなし、遠慮することなくへっぽこな舞を舞いましょう。
とにかく「ルールなし」。このハードルの低さが魅力です。
こんな、コストパフォーマンスは最強な玉吉体操だが、唯一の欠点は、玉吉さん自身が言うように、
「人にすすめると、必ず失笑を買う」
アハハハハ! その通り。この玉吉体操に躊躇するのは、
「やっている姿が、すごくマヌケ」
だから、正確には「部屋でできる」じゃなくて、「部屋でしかできない」。
そらそうだ。パンツ一丁で万歩計振りながら、「う~う~まん~の~くら~い~♪」なんて歌って気孔体操をやってたら、ただの変態ではないか。
かくいう私も、いつものようにミッシェル・ガン・エレファントのDVDを見ながら楽しく踊っていたら、窓を開けていたせいで、外から丸見えの丸聞こえ。
イモジャー姿で大暴れしているのが白日の下にさらされ、赤っ恥とはこのこと。
こんなノリすぎ注意の「玉吉体操」は効果も「継続力」も抜群。
インドア派の皆さまに、ぜひともオススメです。
(続く→こちら)