Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§24「空気の研究」 山本七平, 1977.

2014-02-22 | Book Reviews
 「その場の空気からみて、そうせざるを得なかった」

 思わず口から出てしまう言葉。善と悪、正しさと間違いといった対立した概念について多くの人は善や正しさを選ぶはず。

 人が意識して編み出す言葉である以上、絶対的な概念は実在することはなく、相対的な規準に過ぎず、自らが選んでいるのではなく、選ばざるを得ないだけなのかもしれません。

 とかく、仕事で正解を考えようとしますが、実は正解を探しているだけであって、考えているわけではなかったりします。

 自らが判断するという目的のために事実に基づき、様々な情報を手繰り寄せある仮説をたてることが、考えることだと思います。

 対立する概念で対象を把握してしまうとき、自ずとその概念に支配されて思考停止に陥ってしまうような気がします。ひょっとしたら「空気」とは集団的無意識の呼び名を替えたものなのかもしれません。

初稿 2014/02/22
校正 2021/02/07
写真 獅子の像
撮影 2012/10/15(東京・日本橋)


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