眠らない街イスタンブールのオープンカフェ、午前1時。随分とお気に入りとなったチャイを飲む。水パイプとテーブルゲームに興じながら、ちょっとお洒落なトルコの若者が夜通しの会話に勤しんでいる。水パイプ・・・かなり惹かれる・・・ちょっと吸ってみたい。いや、どうしても吸ってみたい。
僕は人懐こい店員に尋ねた。
「水パイプはどうやったら吸えるのさ?」「いくら払えば吸わしてくれるのさ?」
身振り手振りを加えながら尋ねてみた。トルコもなかなか英語が通じない。
彼はこう言う。
「いつでも吸えるよ。」「タダで吸えるよ。」と笑う。
だから僕はこう言う。
「だからぁ、ちょっと吸いたいんだけどさぁ。」「どうすればいいのさぁ?」
すると彼は、僕の隣のテーブルのちょっとイカツイ三人組の若者に話し掛け、彼らが吸っていた水パイプの吸い口を僕に渡した。
「面白いじゃないか。」「こんな感じか?」「そんな感じか?」「もっとこうだ。」「おぉぉ、そんな感じだ。」「ほうほう」ってな感じ。まぁただ吸えばいいだけなんだけどね。
一つはバナナ味。もう一つはメロン味。不思議な気分がする。思い切り吸い込んで、バナナ味の煙を吐き出す。かなり面白い。食後のデザート?気分?
店員もイカツイ若者達も、ニコニコしながらその光景を見てる。
「うん、これは最高だ」と僕が親指を立てると、僕らはもう友達になっていたのさ。トルコ・・・好きだなぁ。