共産党の町議候補者は、新人で見事に当選した。
もちろん、僕は彼に投票した。
当選した後も、町議はちょこちょことやって来る。
時には立ち話で、時にはお茶を出して、長々と話し込む。
嵐山町の議会。町議は13人かな。リベラルは3人しかいない。10人は保守。共産党はリベラル。僕もリベラル。
共産党町議とリベラル同士話は合うが、いかんせんリベラル3人の町議会。保守の反対にあって何も通らない。そういうのは国政と同じ。どうにもならない。
しかし、新人で町議になった共産党員は戦う気満々なのである。頼もしい。
「次の町議会の質問は、こんな感じで行きますよ。ここのところは、シングさんと話した案件を参考にしました」とか言ってくれる。
つい先日、その町議がやって来た時に「種苗法改定」の話を持ち出した。
町議も種子法改定と共に懸念しているとのこと。ぜひとも町議会で発議してくれと頼んでおいた。
種苗法改定は、日本の農業を破滅させるものだと、僕は思う。
嵐山町議会で話し合ったところで、どうにかなるものではないと、僕は思う。
嵐山町は田舎である。農家が多い。町議会議員の中にも農家はいる。保守派の中にも農家はいる。保守派を支持しているのは農家だったりもする。
保守派の農家の議員は、種苗法改定が何を意味するのか知っているのだろうか?
知らないなら知らなければいけない。知ったうえで、それに反対をしないようならば、死ぬ時に後悔して欲しいと思う。種苗法改定がもたらした未来の日本を見て、後悔しながら死んで欲しいと思う。
そんなふうに言って、町議に頼んだ。
まぁ、そんなわけで、我が家へやって来る共産党議員の話は終わるのだけれどね。
彼はいつも赤旗新聞を持ってきてくれる。
「楽しみに読んでます」というと、彼はこう言った。
「じゃあ、新聞とってください。月970円です」
僕は言う。
「それはできないですよ」
彼は聞く。
「どうしてですか?」
僕は言う。
「だって、赤旗新聞とってたら、共産党員だと思われちゃうじゃないですか」
「・・・」
それでも、僕らは仲良しなのである。
ほんとだよ。