ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

#18 空と友達になるためには、どうしたらいい?

2017-06-30 16:17:46 | Weblog
十八曲目。第3部の四曲目。「Good times, Bad times」(trash box jam The Band 2nd, the room404に収録)。

良い時も悪い時もある。
良いことがあるから悪いことがある。
悪いことがあるから良いことがある。

しんぐくんの古〜いアルバム、20代の名作に「Trouble from Heaven」というのがある。

直訳すると、「神様からの試練」といったところだろうか。

「なんでオレばかり、こんな目に遭わなければならないんだ・・・」

そんなことを思い、ずっと空を睨みながら過ごしていた日々。

「やってられるか!」と叫び、空に向かって舌打ちをしながら、アリ塚を蹴飛ばしながら過ごしていた日々。

僕のココロはきっと、良いことよりも悪いことに支配されていた。そんな日々。


この身に降りかかった災いが、全部笑い話に変わったという話は少し前に書いた。

この身に降りかかった災難が笑い話に変わるとともに、それを乗り越えた自分が少し成長したような、そんな気さえした。

「よく乗り切ったなぁ。。。偉いなぁ、すごいなぁ、オレ」という感じである。


旅のテーマは「Welcome to trouble」である。
直訳すると、「災いよやって来い」といったところだろうか。

ロンドンのヒースロー空港の税関で止められた。不法滞在、不法就労の疑いで、取調室に連れて行かれ半日の間拘束された。

「おぉ、トラブルじゃないか。・・・でも。ちょっと違う。これはちょっと違う。・・・まだ空港じゃないか。旅が始まっていないじゃないか。これは、オレの力で乗り越えられることなのか?」

と、税関の取調室で自問自答。どうしようもないことは、必ずある。


パリ近郊の公園の芝生の上に寝転がりながら、巻きタバコを吸っていた。
青い空に向かって白い煙をプハーっと吐き出す。この上なく気持ちの良い一日だ。
目を閉じてみたり、目を開いてみたり。気持ちが良くてうたた寝をしてしまいそうだ。

ふと気がつくと、寝転ぶ僕は警官に取り囲まれていたりする。

「これ、大麻でしょ?大麻よね?大麻に決まってるわ」と、女警官が言う。

「大麻じゃないよ、巻きタバコだよ」と僕は言う。

「いいえ、これは大麻よ。この巻き方は大麻じゃないの。あなたは大麻を吸っているのよ。逮捕だわ。逮捕だわよ」

「違うよ。これは巻きタバコだってば。僕が大麻を吸うような人間に見えますか?」

「・・・完全に、見えるわ。逮捕ね」

僕は警官四人に囲まれながら、座ったまま自分のアゴのあたりを撫でる。「あぁ、そういえば、髭が伸びたなぁ。だからかぁ・・・」


モナコ、モンテカルロ。コートダジュールの海辺。宝石の海岸。たくさんの海水浴客。
コートダジュールまで来て泳がないわけにもいかない。いや、むしろ、泳ぎたい。

宝石の海に浸かって、のんびりと浜辺に寝そべる。これを至福と言わずして何が至福か。

ふと気づくと、数人の男女が僕の横に来て何か言っている。

「おまえ、それ、水着じゃないだろ?パンツだろ?パンツで泳いでいいわけないだろ?ここをどこだと思ってるんだ?コートダジュールだぞ」

「いや、これは水着だよ。パンツじゃないよ」

「は?どうみても水着には見えないね。それはパンツだ」

「違うよ。これはね、パンツに見えがちな水着なんだよ。今ジャパンで大流行中だよ。知らないの?」

「アウトだ。残念ながら、アウトだ。今すぐここから出て行け」

バックパックに水着を入れるほどの余裕などない。そうだなぁ。。。次は完全に水着に見えるパンツを持って来ねばなぁ。


Good times, Bad times。

幼き日々を乗り越えて、ここまで来た。
良いことも悪いことも乗り切って、ここまでやって来た。
今となっては、過去はすべて、いい想い出だ。

今、僕は生きている。今僕はハッピーな瞬間の中にいる。今僕がここにいるということが、その意味を示す。

「良いことも悪いこともある」

穏やかな気持ちで、その全部を受け止めていけるのならば、きっとずっと、ハッピーでいられる。

それは必ず、ある。

逃げも隠れもせず、その全部を、しっかりとその両腕で受け止めろ。


「GOOD TIMES, BAD TIMES」

愛の言葉と夢のカケラと 誇りに満ちた憧れの地と
やけに色褪せた古き約束 通りすがりの風に笑われた
可愛き日々と懐かしき空 途方に暮れる財布の中身
今は忘れた遠い約束 いつかまたここで逢おう

迷ったり願ったり 願ったり叶ったり
繰り返して泣いてばかり
駆け足で巡ってく テクテク歩いてく
探してる探してるこの道の上で

泣き出しそうな空の向こうに今は見えない星の光が
零れ落ちそうな涙の奥に今はまだ知らない愛のカケラ
見つかるといいな明日またここで逢おう

悲しい知らせにたちまちやられ 太刀打ち出来ない時の流れに
勝ち負けだけじゃない人のココロ 優しさを少し知った

なくしたり拾ったり 拾ったりなくしたり
繰り返して拾われてばかり
駆け足で巡ってけ テケテケ歩いてけ
探してる探してるこの道の上で

泣き出しそうな空の向こうに今は見えない夜の光が
零れ落ちそうな涙の奥に今はまだ知らない愛のカケラ
見つかるといいないつかまたここで逢おう

GOOD TIMES, BAD TIMES
GOOD TIMES, BAD TIMES


#17 参勤交代で足が痛くなった人は、そこらへんでのたれ死んだのだろうか?どう想う?

2017-06-29 02:24:43 | Weblog
十七曲目。第3部の三曲目。「風姿花伝」(sing from trash box jam, Lion's Portrait5に収録)。


この前のこの前の日曜日、尾瀬に行ってきた。弟夫婦が尾瀬に行くというので便乗した。

10年くらい前に尾瀬に行った。途中で足が腫れて痛くなってほぼほぼ歩けなくなった。歩けなくなったが、歩かないわけにはいかないので、なんとか頑張って歩いて帰って来た。

尾瀬のトラウマである。

ちょうど10年前に「チキチキ・ペキンダックちゃん待ってろよレース」と題して、昭和くんを供に連れて大宮〜横浜間60キロ徒歩旅行にチャレンジした。
第一回目の冬、20キロほど歩いた練馬高野台あたりで、足の裏がパンパンに腫れてしまい、無念の途中棄権ということになってしまった。
その年の秋、「チキチキ鬼退治(シーズンセカンド)、ペキンダックちゃんを封鎖せよツアー2007秋」と題して、昭和くんを供に連れて、練馬高野台〜横浜の徒歩旅行にチャレンジした。
25キロほど歩いたあたり、横浜市都筑区の区役所あたりで、左足が痛くなって一歩も歩けなくなってしまった。
仕方がないので、そこからバスに乗って、昭和くんの肩を借りながら歩いて、中華街でペキンダックを食べた。

徒歩のトラウマである。

必ず足が痛くなる。坂本龍馬にはなれない、僕は。なのである。

尾瀬。25キロ歩いた。足は痛くならなかった。替わりに腰が痛くなりはしたのだけれど。

僕は歩けない人だと思っていたのだけれど・・・時は経った。

もしかしたら、坂本龍馬になれるのかもしれない、僕は。


風姿花伝。

数日前、目が覚めてアイフォーンの画面を見ると、小林麻央ちゃんが死んでしまったという旨のニュースが表示されていた。
なぜだかわからないのだけれど、涙がポロリとこぼれて、涙をポロリと流したまま、もう一度寝た。

ソクラテスはこう言った。

「死後のことを知っている者など誰もいないのに、人々はそれを最大の悪であるかのように恐れる。それは自ら知らざることを知れりと信ずる無知であり、賢くないのに賢人を気取ることに他ならない。私は死後のことについては何も知らない代わりに、知っていると妄信もしない。」

きっと、死は誰にでも訪れるものだし、きっと、死は禍ではない。

でも、なんでだろう。
大切な人が死んでしまうと悲しいのはなんでだろう。

きっとそれは、「もう逢えないから」なんだろうな。
ただ、それだけのことなんだろうな。

ただそれだけのことが、すごく悲しいなんて、不思議だなって、すごく想う。

二年前に、昭和くんは逝ってしまった。昭和くんにはもう逢えない。
僕がどこへ歩いて出かけようが、昭和くんはお供について来てはくれない。

「風姿花伝」を作り終えた時に、昭和くんが逝ってしまった事を知った。
自然と、風姿花伝が昭和くんへのレクイエムとなった。

昭和くんが生きていたとして・・・

僕がこう言う。

「センセイ、暇? 高知まで歩いて行こうと思うんだけど一緒に行く?」

昭和くんはなんて答えたかなぁ?

この二年間、何度も何度も、そんなことを考えたりしてる。


「風姿花伝」

声をからして呼んだ名前は 遠く遠く離れた君の
歩く道を照らすための 優しい灯りになりますように

空をゆくのは大きな雲と 薄紅の花の色

波打ち際をかすめるように 時の流れを確かめるように
色鮮やかに季節移ろい 胸に秘めたままの花を

寂しい色が儚く揺れて 胸を焦がすのでしょう

声も聞けないまま 何も言えないまま
少しまどろむように 無我夢の中のように
秘すれば花は 永遠に花で・・・


時の隙間を愛しむように 歩き疲れて僕らは眠った
声をからして呼んだ名前は 遠く遠く離れた君へ

今浮かぶのは千年先の終わらない夢の道

この手を振れないまま 何も持たないまま
風にまどろむように 夢花の海のように
秘すれば花は 永遠に花で・・・


花の運命を空に問いかけ 無言の空を少し睨んだ
花の名前は君が名付けた 誰にも知られないように
そっと・・・

声も聞けないまま 何も言えないまま
少しまどろむように 無我夢の中のように

声も出せないまま 唄も歌えないまま
涙一粒だけ 君に届くように
秘すれば花は 永遠に花で・・・


#16 好きなサカナのキーホルダー、承ります。形は全部同じです。

2017-06-17 00:58:20 | Weblog
十六曲目。第3部の二曲目。「サマンサのアイデンティティ」(Trash Box Jam, RUBBER SOULに収録)



最近、魚を彫ったりしている。
なぜか?なぜ魚を彫ったりしているのか?

それはわからない。なんとなーく、魚を彫ったりしているだけ。

魚を彫ったりしていて楽しいのか?
別に楽しくはない。ただ、なんとなーく彫っているだけだから、楽しくなくてもよい。

ほんとは、楽しい。

魚を彫ったりしていて楽しいというとバカだと思われるから、別に楽しくないと言ってみたが、本当は結構楽しい。

魚のキーホルダー、売れないかなぁ?

なんの魚かって?

さっき彫ったのは鮎で、その前に彫ったのはハマチ。
形も大きさも同じだけどね。

鮎とハマチのキーホルダー、誰か買ってくれないかなぁ。


サマンサのアイデンティティ。

アニーズガーデンの曲である。
アニーズガーデンでは、「サマンサ」と称する。
Trash Box Jamでは、「サマンサのアイデンティティ」と称する。
同じ曲である。

アイデンティティと称すると、アイデンティティとは何か?を説明しなければならない。

さて、アイデンティティとは何か?
辞書にはこう書いてある。「同一性」。
同一性とは何か?
さっぱりわからない。

「自分探しの旅」なんて言葉をよく聞く。
「自分探しの旅」の否定派という人がよくいる。
ちなみに、僕は「自分探しの旅」の肯定派である。

生きる上で、アイデンティティは重要である、と僕は思う。

そんでもって、アイデンティティとは何か?

アイデンティティとは、「自分探しの旅」における「自分」であると、僕は思う。

「自分」とは何か?

「自分」とは、「他の誰でもない自分」、ということである。

詩人の言葉を借りるならば、「揺るぎない自分の中にある、揺るぎないモノ」だと、僕は思う。

確固たるアイデンティティを持った人ならば、自分探しの旅は必要ない。
生きるということは、「アイデンティティを探す旅」だと僕は思う。
アイデンティティを意識もせず、アイデンティティに興味も持たず、自分探しの旅をせずに生きる人は・・・なんというか・・・少し、面白くない。

さて、君は君である。
他の誰でもない、君である。
君は世界に一人しかいない。
どこを探しても、君一人しかいない。
そうでしょ?違うの?
ならば、君のアイデンティティは?

答が浮かばないのなら、「自分探しの旅」へ出ないとだね。


「サマンサのアイデンティティ」

泣き疲れ眠った横顔 さりげない夜にねぇサマンサ
君が漏らすため息が1000キロ四方を闇に変える

君がうつむく訳と確かなものを探してるだけと,,,you said
今は見えない自分の存在を明かす影さえ知れない
所変わり心痛み涙の河渇かぬから

浮かない氷上のダンス一切を投げ出して
squeeze僕をジューサーで30秒

唄が流れた「悲しい顔するのはやめなよ ねぇサマンサ」
独りぼっち帰り道 星が空に流れて散った

だから・・・意味も無い不安を 誰かの体温を 纏い付く助言を
負けない負けたくない泣かない泣きたくない涙ポロリ
寂しがり屋撤回絶対強くなりたい涙キラリ

空回りの現状突拍子なサクセス
squeeze未来をジューサーで30秒とちょっと


ねぇサマンサ・・・そこは上空1000メートルリボンの上
無敵だって強気だって踏み外したら真っ逆さまさ

単純なストーリー「僕が受け止めるよ ねぇサマンサ」
だからほら全速で1000マイルほど詰め合わせて

泣き疲れ眠った横顔 さりげない夜にねぇサマンサ
君が漏らすため息が1000キロ四方を闇に変える

唄が流れた「悲しい顔するのはやめなよ ねぇサマンサ」
独りぼっち帰り道 星が空に流れて散った

lalala lalalala samantha...smile for me...


#15 シッシー、あの時、メールアドレスが変なことになっていてメールが送れなかったのはなぜなの?今も謎だよ。

2017-06-16 00:59:48 | Weblog
十五曲目。第3部の一曲目。「3グラムの奇跡」(trash box jam The Band 1st, マジカルステラーツアーに収録)。

ライブ前、お店の人に、聞かれる。

「今日は休憩挟みますか?」

はい。挟みます。

「じゃあ二部構成ですね」

いえ、二回の休憩を挟むから三部構成です。

「え?三部?・・・三部?」

一同、笑う。


別に、10曲や20曲くらい歌い続けても僕の喉は全然平気だ。・・・喉の調子が悪くなければ。
でもあれだ。10曲や20曲を続けざまに歌い続けると、聴く側の印象がボヤけてしまうような気がする。
耳と心を適度にリフレッシュさせる。これが大事だと思うのだ。僕はね。
それに、休憩を挟むと、お客さんがドリンクなんぞのお代わりをしたりして、お店の方も潤うのである。
アーティストとお店というのは、持ちつ持たれつだと思うのである。僕はね。

第3部。リハーサルが終わった時点で、用意してきた曲を二曲省くことにした。「まぁ、今回はこれはいいかな」といった具合で。

第3部の開始時刻が9時前だったこと。
僕の喉の調子がすこぶる良かったこと。
お客さんがすごく楽しそうに聴いてくれていたこと。

僕はね、省こうと思っていた二曲をリストに戻した。
「今日という一日は二度と来ない」
調整無用、言い訳無用、問答無用。
フルスロットルで挑むのである。


3グラムの奇跡。

言わずと知れた、trash box jam The Bandの代表曲である。

Trash Box Jamのギターリスト「シッシー」は、アニーズガーデンのギターリストとしてメンバーに加入した。もう10年以上前の話だ。

バンドメンバーの募集サイトで知り合った。

どこかのファミレスで四人で会った。ミホ、マコと一緒に会いにいった。
シッシー的に意気投合だったかどうかはわからないが、「一緒に夢、掴んじゃおうぜ!」と言ったかどうかもわからないが、「どうぞよろしく」という話になった。

ちょうど、ライブハウスからライブに出てくれと頼まれていた。クリスマスイヴの話である。

ライブの出演に関して、ミホはついに首を縦に振らなかった。
「クリスマスイブにライブなんてやりたくない」
「クリスマスイブにライブをやっても誰も来ない」
「絶対に嫌だ」
剣もほろろなのである。

そこで、シングANDマコの路上ユニットにシッシーを加えてライブをやるってのはどうだろう?ということになる。エムケイがベースを弾いたような気もするな。

そんなわけで、アニーズガーデンのギターリストとしてメンバーに加わったシッシーの初ステージは、アニーズガーデンのギターリストとしてではなくTrash Box Jamのギターリストとして、ということになったのである。

いやしかし、シッシー、よく引き受けてくれたなぁ、と今さらながらに思うのである。

このクリスマスイブライブのために、僕は四曲を書き下ろした。
シッシーを加えたバンドで演奏するのは、すべて新曲である。

エブリデイ。
セイブマイクィーン。
ラブ。
そして、3グラムの奇跡。

3グラムの奇跡。
それ以来、ずっと三人で演奏し続けている。

時に、昭和くんを加えて。
時にぎょいにぃを加えて。
時にマコと二人で。
時にシッシーと二人で。
時に一人で。

僕の大切な唄である。

ほんの少しの奇跡があれば、何かが変わる。
たくさんじゃなくていい。ほんの少しの奇跡でいい。
そして、その奇跡は必ずやって来る。
だからずっと、奇跡を待ってる。

だからずっと、僕は奇跡を待ってる。


「3グラムの奇跡」

そう毎日のルーティン 現実逃避の願望
僕は急ぎ足で地下鉄駆け込んだ
いつだってそう間違って誤解やっかいな世界
僕は手をこまねいて 茫然自失な存在

そして記憶が時空を超えだした
夕闇が目覚めたら・・・

夜を待って 風になって 君が待ってる街へ飛んで
手を握って 星の空遥か カ・ナ・タ
探してる 答なんて 見つからないかもしれない
だからちょっと3グラムの奇跡を・・・待ってる

僕は飛びたくて 空へ飛びたくて
背中辺りをいつも探ってるんだ
いつだってそうどっちだって道を阻む障害
詳細不明の迷路 明快な決断

そして断崖を眼前に立つんだ
ねぇ僕の翼はどこだ・・・

夜を待って 風になった 月が泣いて 星が笑った
手を握って 君の空遥か カ・ナ・タ
探してる答なんて 見つからないかもしれない
だけどほんの3グラムの奇跡を・・・待ってる

大人ぶって 背伸びをして 現実って 意味を知った
恐くなって うずくまった 君の姿が浮かんだ
立ち上がって 目を開いて 手を広げて 未来目指して
今目指して・・・僕の声が・・・僕の声が・・・聞こえますか?

夜を待って 風になって 君が舞ってる街へ飛んで
手を握って 星の空遥か カ・ナ・タ
探してる 答なんて 見つからないかもしれない
だからちょっと3グラムの奇跡を・・・待ってる



#14 ノーノーミンノーノーミンノーノーミンノークライ。

2017-06-15 03:27:18 | Weblog


十四曲目。第2部の七曲目。「裸の王様」(cd未収録)

去年の夏の台風。僕の畑は水没した。僕の耕運機も水没した。そのまま放っておいたら、予想通り二度と動かなくなってしまった。
水没を機に、僕は農民を辞める宣言をして旅に出た。
でも、それは嘘だったのである。そう、僕は今も農民なのである。

放っておいた畑。草がスゴイ。何もかもスゴイ。荒れ地だ。ここはただの荒れ地だ。そして、僕には耕運機がない。

手にするのはクワ一本。ザ・農民である。

クワを入れて土を起こす。起こした土を手でほぐす。ほぐしながら、雑草や雑草の根を取り除く。バカみたいな作業である。今時、こんな事をしている農民がいるのか?と思いながら、少しずつ少しずつ進む。畝を一本作るのに半日かかる。

ノーノーミン・ノークライ。泣かない農民はいないのである。
ボブマーリーの唄を歌いながら、少しずつ少しずつ、畝を作るのである。

きっと、また台風がやってきて、僕の仕業は、またすべて流されてしまうのである。

でも、それでもいいのである。

ノーノーミン・ノークライ。泣かない農民はいないのだから。

ズンチャズンチャ、ズンチャズンチャ。レゲエのリズムなのである。


裸の王様。

僕がオーストラリアを旅していたのは、二十歳を少し過ぎた頃である。若かった。とても若かった。

しかし、当の本人は、自分を「若い」とは思っていなかった。全然思っていなかった。
もう立派な大人である。オーストラリアまでやって来て、仕事を探して、車を買って、国中を駆け巡っているのである。

仲間の中には、僕よりも若いヤツらがたくさんいた。だから、僕はもうすでに「若くなかった」し、「若いっていいよな」と思ったりもしていた。僕はすっかり大人だった。

僕はもうすでに大人だから、なんでも分かっていたんだよ。だって、もうすっかり大人だから。

四ヶ月程暮らしたメルボルンを発つ朝。仲間たちに別れを告げる、輝かしき出発の朝である。

僕の車の中に入れてあった荷物がことごとく盗まれてしまっていた。人生の中で、一番呆然としたのは、あの時だったのかもしれない。

何もかもなくなってしまった。何もかもというのは嘘だが、何もかもに等しいくらい何もなくなってしまった。残ったのは、着ていたTシャツとジーンズと、ギター一本。

笑えなかった。きっと、僕は泣いていた。

出発は数日遅れた。友人の家で数日を過ごした。

友人や友人の友人が、色々なものを持って集まってくれた。・・・可哀想な僕のために。洋服がたくさん集まった。

集まってくれた友人の友人の歳上の女性が僕に言った。

「大変だったね・・・。でもね、こういうのもいつか、笑い話になる時が来るからね・・・。頑張っていきなさい」

僕は大人だったから、彼女の言っている意味が少しも分からなかった。
こーんな酷い目に遭って、それが笑い話になる時なんて来るわけないでしょうが!なーんにもなくなっちゃったんですよ!なーんにも!

その後も僕は生きた。時に懸命に、時に流れるままに。

帰国してすぐに、集まってくれた仲間に、この出来事を面白おかしく話している自分に気づいた時・・・「あっ!」と思った。

・・・笑い話になってるじゃん・・・。

僕はこの話を、もう何百回もしている。荷物をぜーんぶ盗まれて、そりゃあ大変だったんだぜ!という話を何百回もしているはずだ。

僕は若かった。大人なんかじゃなくて、子供だった。
何も知らずに、分かったような気でいるだけの、ただの子供だった。

僕の旅の糧というのは、そういったモノたちのことをいう。

そうやって、少しずつ大人になってきているはずだけど・・・きっと、まだまだ、何も知らない子供なのです。

僕に「生きる知恵と勇気と優しさ」を教えてくれるすべての人とすべての旅に、心からの「ありがとう」を。


「裸の王様」

くわえ煙草のブルージーンズ ちょっとしゃがれた声で
想い出すのはどれもこれも笑い話ばかり
生きるために必要な術を手に入れたような・・・入れていないような
あやふやさも・・・また笑える話

十五の夜に初めて一人旅に出た
夜行列車に乗り込んで 西へ西へ西へと向かった
ポケットの中の切符を強く握りしめていたのは
やっぱり少しだけ 不安だったからなのかもしれない

地平線が見渡せるオーストラリアの荒野で車がぶっ壊れた
泣き出しそうだった ちょっと泣いていた 結構泣いていたのかもしれない
神様を恨んだ なんで俺ばかりこんな目に遭うのか?
見上げると 空に虹が架かっていた

永遠の中僕は生きる 永遠の中僕は死ぬ
この世界は僕のものだ だって僕が目を閉じれば
ほら・・・この世界は消える


アフリカモロッコの砂漠で迷子になった
ただ途方に暮れていた ちょっと泣いていた どうしたらいいのかわからなかった
砂漠の真ん中で一人赤ん坊のように
一人泣いていた それでもなんとかするしかなかったんだ

情熱の国スペインで列車に置いてけぼりにされた
夜が更けて来て 寒くなってきて 震えながら過ごした闇の中で一人
空が白み始め始発の列車が駅に滑り込んで来るまで
僕は街中を走りながら寒さをやり過ごしたんだ

永遠の中僕は生きる 永遠の中僕は死ぬ
この世界は僕だけのものだ だって僕が目を閉じれば
ほら・・・この世界は消える

振り返ってみると上手くいったことよりもいかなかったことの方が多かった気がする
でも考えてみると上手くいかなかったことなんて何一つなかったような気もする
恐いものがないわけじゃないけれど 怖がって何もしないのは嫌だな・・・
そんなことを僕は想うようになったんだ

優しい人になりたいと僕は想う
優しくされた分よりももっと優しい人になろうと僕は想う
この世界に渦巻く敵意ってやつに太刀打ち出来るのは
笑顔と優しさ・・・それしかないんじゃないかと想うんだ

永遠の中僕は生きる 永遠の中僕は死ぬ
僕はこの世界の王様なんだ だって僕が目を閉じれば
ほら・・・この世界は消える

僕はこの世界の王様なんだ
だって僕が目を開ければ ほら・・・この世界が現れる


#13 しんぐくんの弁明・・・僕は無実の罪で死ぬ。有罪では死なない。

2017-06-08 23:58:19 | Weblog
十三曲目。第2部の六曲目。「Wonder of life」(trash box jam. Winter Soulのversion2に収録)。

路上にて、僕はたくさんの人と出会った。
旅にて、僕はたくさんの人と出会ってきた。

たくさんの人と話をした。

僕は、自分のことばかりを話す人だと思われがちだが、そうでもない。僕は人の話を聞くのが好きである。

ライブのMCでそんな話をしたら、みんなが笑った。なぜ笑う?

僕は、人の人生を知るのが好きである。人と話して、その人の人生を少しばかり知る。その少しばかり知った他人の人生は、確実に僕の人生の糧になる。
僕はきっと、僕の人生を一度きりしか過ごすことが出来ない。
初めての人生なのに、たった一度しか過ごすことが出来ない。

だから、僕が生きられない他人の人生は、僕にとっては、重要な参考書になるのである。

たまに、人の人生を聞きすぎて、「ん?おまえは週刊現代の記者か?」と、言われたりする。

僕は週刊現代の記者ではないし、週刊現代ではあなたの人生を記事にしたりはしないと思うよ、と、こっそり思ったりする。

この世界に、すごい人がたくさんいる。

僕は、それが嬉しい。
僕にとっては、そんなことがこの上なくハッピーな事だったりする。


ワンダーオブライフ。

人生の不思議、である。

人生とは、葛藤である。たぶん。

そして人は、人生を諦観する。きっと。

そして、人生を達観してみたりする。おそらく。

そして、そのあとで、いよいよ、本当の人生ってやつが始まる。絶対。

僕はまだ何も知らない。
僕の人生は、始まったばかりだ。
君はまだ何も知らない。
君の人生も、まだ始まったばかりだ。絶対。


「Wonder of Life」

人生なんてまるでママゴトみたいに過ぎて行く日々のGame
君は言うのさ まるで人生の達人みたいに悟って

愛なんて人生の悪いジョーク 慰め合うために造り上げられたWord
君は言うのさ 完全に全部に冷めたみたいに笑って

どうしてなのかなんて知らないが
そんな風な考え方もあるが
まだまだ続いてく君の未来が
楽しい事であふれていますように

人生観も恋愛観も達成感も満足感も人それぞれ違くていい
明日に期待まだしていたい 愛していたい 夢描きたい
矛盾だらけの好奇心を閉じ込めないでよ
I worry about you


優等生になんてなりたくない バカな振りしてる方が楽でいいよって
君は言うのさ くわえ煙草ブルースを口ずさんで

正直者がバカをみる世界 騙されるより騙す方がいいわ
君はいうのさ 鮮やかすぎるほどの真っ赤なルージュを引いて

どのみち行く先は分からないし
後悔なんてしたいわけないし
これからも続く君の未来に
まぶしい光が射し込みますように

劣等感も存在感も焦燥感も第六感も人それぞれ違くていい
信じていたい 強くなりたい 恋をしてたい 夢叶えたい
矛盾だらけの好奇心に鍵をかけないでよ
I'm thinking about you

欲望と失望、絶望と希望を
繰り返しながら人は迷路の中でもがいているんだ
価値観の相違といつも悪戦苦闘
努力は報われるかもそうじゃないかもbut go on...





#12-2 バッチューのマスターに会いたいのだけれど、バッチューのマスターの家の場所を完全に忘れた。

2017-06-07 00:00:30 | Weblog
雨の降る街。

懐かしい唄である。非常に懐かしい唄である。

十年来のファンであるtrash box jamマニアのアンバーが言っていた。

「この唄はCDでしか聴いたことがないよ。初めてライブで聴いた」

そのくらい歌わない唄なのである。

どうしても歌いたかった、雨の降る街を

なぜ歌いたかったのか?特に理由はない。

でも、ライブ当日は「雨」だった。

セットリストを組んでいる時に候補に入れた。

練習してみたら、すごく歌いたくなった。いや、すごく聴かせたくなった。

「申し訳ないなぁ誰も覚えていないだろうなぁ・・・雨の降る街」


ライブが終わって、エムケイと話した。
エムケイ、「雨の降る街」を聴きながら泣いたらしい。
そんなことがあるのか?

僕らには共通の友人がいた。「ワタ」という友人だ。

どうしようもないヤツだったが、どうしようもなく楽しいヤツだった。

だった・・・ワタは死んではいない。生きている。
生きてはいるはずだが、僕らとはもう交流はない。色々なことがあった。

エムケイは言った。

「シングがMCでバッチューの話をするからさ、ワタのことを思い出しちゃってさ」

ふーん、そうなんだ。。。


ライブが終わって、家に帰って、しばらく時間が経って、僕は色々なことを思い出した。

ライブのMCでバッドチューニングという倉庫造りのライブバーの話をした。通称バッチュー。
バッチューのマスターが僕にとても優しくしてくれ、いつもタダ飯タダ酒タダライブ。そんな事をしているうちにバッチューは潰れてしまったという話。
そのマスターが「雨の降る街」が大好きで、酒に酔うと、いつも「シング、雨だ、雨を歌ってくれ」と言う話。


思い出した。

バッチューに初めて行った時、エムケイと二人だった。何をしに行ったか?ワタがアルバイトをしていたからだ。アルバイトをしているワタを見に行ったんだ。
頼んだ焼き鳥がいつまでも出てこなくて、エムケイが怒っていた気がする。

ワタは、ベース弾きだった。正真正銘の天才ベース弾きだった。
ワタはエムケイのバンドのベース弾きだった。
僕のバンドにもワタはいた。
それ以前に、いつも一緒に遊んでいたんだ。

風の噂も聞かなくなった。
ワタは今何をしているのだろう?

今度エムケイと会った時は、ワタの話をしよう。そうしよう。

生きてるっていいよな。会わなくなっても、「生きてる」っていい。

また逢えるかもしれない。


今回のライブ、僕は天才的に歌が上手かった。まぢ。
その中でも、一番上手く歌えたのはこの唄だ。
きっと、いろんな人の心に届いたと想う。
遠く離れた、いろんな人の心にも、届いたと想う。


「雨の降る街」

昨夜夢に出てきた 君のこと
今すぐ逢いに行きたいな 涙が零れた

何処へでも連れていこう
何処へでも一緒にいこう
世界の果てが見たいと言うならば
西へ向かうあの船に乗ろう

あぁ恋しくて切なくて何も見えなくて
君にだけ逢いたくて

この胸が痛むほど近づく

寂しさ 退屈 苛立ち そんなのばっかりで
困った顔してる そんな君がね

あぁ人ごみを掻き分けて君を探すけど
見つからない見当たらない
何処にいるの?

あぁ雨の降るこの街で何も見えなくて
君にだけ逢いたくて

あぁ恋しくて切なくて何も見えなくて
君にだけ逢いたくて

この胸が痛むほど君にほら近づく


#12-1 アニキをアニキと呼び始めたのは、アヤか?ポン吉か?

2017-06-06 23:36:19 | Weblog


十二曲目。第2部の五曲目。「雨の降る街」(trash box jam, Street Againに収録)

ライブの終わり、アンコールも大詰め。ステージからは見えない入り口の扉が開いて、誰かが入って来たような気がした。あくまでも、ステージからは見えない。

「あっ、横田だ!」

そう思った。

七時スタートのライブの十時過ぎの出来事である。

ダブルアンコールの最後の曲、の半分。

僕は演奏を止めた。

演奏を止めて「横田でしょ?」と言った。

「横田くん、ここに座りなさい」と、僕の目の前の席に座らせた。

ツーコーラス目から、再び僕は歌い始めた。

変なライブ。


横田とは「アニキ」である。僕の兄さんではない。知らないうちに通称「アニキ」。

アニキは、たった半曲のために、仕事先の川越から、車をぶっ飛ばして下北沢まで来てくれたわけだ。・・・信じられないよ、僕は。


関係ないけど、数年前にアニキと再会した時、アニキはリストラされたばかりだった。うける。
リストラされたのに、次の就職先での条件は、前の職場よりも良かったらしい。

そしてつい最近、アニキの会社が廃業した。リストラではないが、状況は数年前と同じである。うける。
このまま引退してしまえばいいのに、と思っていたら、すぐに再就職先が決まった。
なんと、再就職先での条件が、また良くなるというじゃないか。

そんなことがあるのか?

さすがだよ、アニキ。


下北沢lown兄さん戻って。

アニキはたった半曲を聴くために、三千円払った。お店の人が「要らない」と言ったのに、アニキは三千円払った。
その話をお店の人から聞いて、僕は横田にお店の人から預かった三千円をアニキに返そうとしたのだが、強情アニキは頑として受け取らない。仕方がないので、三千円はお店の人に返した。

たった半曲しか聴けなかったのになぁ・・・。申し訳ないなぁ・・・。


ライブが終わって、僕は考えた。

ピーン!ひらめいた!

「なんか作ろう!」

よし、新しい会社の新しい名刺を入れる名刺入れや!レザーの名刺入れや!

そんで作った。

先日、アニキの会社へ「レザーの名刺入れ」を渡しに行った。ついでに無料でオイル交換をしてもらった。
無料でオイル交換をしてもらうついでにレザーの名刺入れを渡しに行ったように思われがちだが、それは違う。

だって、唐揚げもお土産に買って行ったから。


前置きが長くなってしまった。

曲リポは次の項へ譲るのである。


アニキ、名刺入れ、使ってくれてるかなぁ?