詠う唄はキミノウタ

誰もいない。
真っ暗闇だ。
ここはどこだろう？

何も聞こえない。
月もない星もない。
ここはどこだろう？

僕はどこにいる？

君はどこにいる？

明日のことが心配かい？

僕は心配じゃない。

明日のことは、明日にならなければわからない。

明日のことは、明日になればわかる。

あぁ、目が慣れてきたのかな。

色々なものが見えてきた。

あぁ、慣れてきたのかな。

色々な音が聴こえてきた。

360度の草原で。

360度の草原の丘の上で。

僕の名前は草原の詩人。

詠う唄はキミノウタ。

予定を変えて。

台風から避難するために、屋根のある場所を探した。

屋根のある場所というのは、ただ屋根のある場所という意味ではなくて、屋根も壁もある場所という意味である。

そんなところへ向かうはずだった。

でも、二日も足止めされることになる。

考える。

天気予報を見る。

降り出しは、今日の真夜中。明日の未明。

それならば、今夜は野宿が出来るんじゃないか？

屋根のある場所で。屋根しかないけれど。

明日の朝、雨が降っていたとしても、それはそれ。

カッパを着て走り出すのもいい。

そんなわけで、予定を変更して、今日は野宿です。

あっ！キツネ！

牧草地をキタキツネが走っていく。
バイクを停めて写真を。

キタキツネが足を止める。
こっちを見る。

かなり遠いですが、拡大するとキタキツネが見えますよ。

牧草地をバックに、

こんな景色を見ながら食べる贅沢。

なんて日なんだぁぁぁ！

猿払産ホタテ五個。
猿払産ホッキ貝4個。
道内産ボタンエビ12尾くらい。

これ、3食分くらいの量がある。
でもね、何しろ、冷蔵庫がないんでね。

食べるしかないんです。
ご飯に載せて。

何もかも美味しい。

あぁぁぁ、なんて日なんだぁぁぁ。

ははは。

なんて日だぁ！

閉まっているパン屋の近くにスーパーマーケットがあった。

お腹が減ったので、物色しに入る。

最強スーパー発見なのである。

北海道の魚介が目白押しなのである。

急遽予定を変更しなければならなくなった。

ご飯を炊いて、海鮮丼だ！

目指すは僕のお気に入りの、牧草地。

豊富大規模草地。

そこで、魚介を捌くのである。

なんて日だ！

オロロンを左折し内陸へ。サロベツ原野を走り豊富へ。

向かって先は、パン屋。お気に入りのパン屋。パンを食べてコーヒーをのんで。
それだけを楽しみに、午後2時を過ぎるまで何も食べていない。

それだけが楽しみだったのに、台風に備えて、1000円分くらいパンを買おうと思っていたのに。

うそだろ？

休みだなんて。日曜日なのに。うそだろ？

腹減ったなぁ。

サロベツ原野に浮かぶ雲。

なんて雲な一日だ。

オロロンエンマ君4

もういっちょ、後ろ姿。

オロロンエンマ君3

シャドウちゃんの後ろ姿。

オロロンエンマ君2

シャドウちゃん。

オロロンエンマ君

今日の目的は、オロロンラインを走ること。

晴れた日に、オロロンラインを走りたい。

いい感じに雲が出た。

オロロンラインは快晴よりも雲が浮かんでいた方がいい。

気圧の関係で、雲が一列に並ぶ。

そんなオロロンラインが、一番好きだ。

今日はいい。

すごくいい。

遥か彼方に。

遥か彼方にというほどではない。

すぐそこに見えるのは、利尻島と礼文島。

ノシャップ岬。

ノシャップ岬も、一応ね。

ここまで来たから、一応ね。

6回目。

再びの宗谷丘陵。

宗谷丘陵を再び上り、抜ける。

目指すは、もう一つの岬。

一応ね。