ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

#7 それぞれのエヴリデイ

2017-04-30 03:21:48 | Weblog


七曲目。「Everyday」(trash box jam The Band 2nd, the room404のボーナストラック)。

周りに置いてけぼりにされている・・・と思い始めたのはいつの頃だっただろうか。

友人たちが係長や課長に出世をし始めた頃だろうか。
友人たちが結婚をして子供が生まれて家を買い、その子供達がモノを言うようになった頃だっただろうか。

悠々自適を気取って、自由気ままを売りにして、縛られるものは何もなく、まるで子供の頃のままの夢を抱き包まれながら生きてきた僕は、生きてきたつもりの僕は、ふと想うのである。

「あれ?おれはなんだ?置いてけぼりにされてないか?」

それはまぁまぁ深い闇で、それはそこそこ深い闇で、きっと僕はそれなりにその闇の中でもがいたのだと想う。

ある友人はこう言った。

「シングがシングであり続けるというのは、大変なことだと思うよ」

なるほど・・・と僕は想った。

シングはシングであり続けないといけないのだな・・・と、僕は想った。

きっと、それは簡単なことだ。自分自身でそう決めればいい。

何があろうと何が起ころうと、何をしようと何を想おうと、僕は僕であり続けなければならない。

つまり、僕は、僕であり続けるための努力をすればいい。

そして僕は、深い闇を抜けた。

時々、他人の価値観に惑わされそうになる。
時々、誰かが決めた価値観に引っ張られそうになる。
時々、誰かと自分を比べてしまったりする。
時々、自分で決めたことを忘れてしまいそうになる。

そしていつも、悩み果てた末に、足元に転がっている答を拾いあげて、また歩き出す。
まるで何もなかったかのように、揚々と歩き出す。

そんなことの繰り返し。
それが、僕のエヴリデイ。


エヴリデイを歌い終えて、第一部は終了。しばし休憩。
何人かのお客さんがエヴリデイを聴きながら泣いていた。
「エヴリデイ」で泣くの?「エヴリデイ」で泣くか?
そう想ったのだけれど・・・きっと、それぞれにそれぞれの・・・エヴリデイ。
そういうことなんだと想う。そういうことなんだと、想ったりする。


「Everyday」

Everyday騒ぎ始めた街に蹴飛ばされてた
ためらって落ち込んで何もない自分がいる
Everyday周りはみんな調子よく走り始めた
一人で置いてかれて孤独な月を見てる

so so 上手くいかない 何処にいけるはずもない
時計の針が12時を回った

夢のカケラと埃まみれのsoul
嫌った自分にさよならを告げたくて
闇雲にもがき続け過ごした
Everyday

Everyday夜明けの鐘が世界を撃ち抜く頃
笑われて逃げ出した弱い自分を想い出すよ
Everyday夜明けの空が優しく包み込んだ
だから笑ってだから泣いて ありのままでいいんだ

So so誰だって強くなんてないから
誰かを求めては傷つき疲れて

臆病に風に吹かれて何から何まで雨に濡れてる街
ため息ひとつこぼしても何ひとつ変わりはしないのさ
どのみち行く手には荒野 地図なんてない地図なんて No no...
ガレキの中で眠るように探した約束の場所

夢のカケラと埃まみれのsoul
明日の向こうの風向きを変えたくて

夢のカケラと埃まみれのsoul
嫌った自分にさよならを告げたくて

夢のカケラとやけに強がりのsoul
どんな明日が訪れたとしても

このスタイルもこの夢もプライドも
Everyday
Everyday...I'm gonna go new world.



#6 Who is the サラリーマン日本代表?

2017-04-29 00:12:31 | Weblog
六曲目。「休日戦士」(trash box jam The Band 2nd, the room404に収録)。

何年か前のゴールデンウイーク。僕は宮城県の石巻辺りの屋根の上にいた。
仕事が終わらないので、休みにはならない。仕事が終わるまで休みにはならない。ゴールデンウイーク!ゴールデンウイーク!と世間が浮かれている間ずっと、僕は知らない町の屋根の上にいた。

石巻での仕事が終われば、埼玉に帰って仕事である。そういう普通の日々である。でも、僕はそういう日々がそれほど好きではない。

僕は瓦屋の親方に言った。

「あのさ、おれ、ゴールデンウイーク、無かったじゃん。ずっと屋根の上にいたじゃん。仕事が終わったんだから、明日からおれはゴールデンウイークだから、そこんとこよろしく」。

そして僕は弘前の桜を見にバイクを走らせたのである。
残念ながら、弘前の桜は見頃を終えていた。弘前の桜は、僕の個人的なゴールデンウイークまで待っていてはくれなかった。

なんの話かって?
個人的なゴールデンウイークの想い出だよ。


trash box jam The Bandは三人組のバンドである。
ドラムはマコ先生。エレキギターはシッシーマン。しんぐくんはボーカルとベース。

もうずいぶん前の話にはなるが、きょいニーという男がメンバーに加わった時期がある。ぎょいニーはベースマンである。

ぎょいニーが加入したことで、しんぐくんはベースを弾かなくてよくなった。エレキギターを弾いたり、アコースティックギターを弾いたり、何も弾かなくてよかったりする。なんて自由なバンド活動!な時期なのである。

ぎょいニーは横浜からやって来た。サラリーマンぎょいニーは横浜に住んでいた。
横浜から大宮まで、ベースギターを担いでガタンゴトン電車に揺られながら練習にやって来る。練習の後はストリートライブにも参加する。

サラリーマンにとっては貴重な休日だろうに・・・大変だなぁ・・・。と僕は想った。

ぎょいニーが入って、四人で演奏するのは楽しかった。だから僕は唄を書いた。・・・休みなき戦士の唄。

ライブを三回ほどやっただろうか。ぎょいニーは「さよならぁ」と脱退していった。

僕はまた、trash box jam The Bandのベースギター担当に戻った。

僕は、いまだに、ぎょいニーイコールサラリーマンだという強い印象を持っている。サラリーマン日本代表のぎょいニーぐらいに思っていたりする。
だがしかし、考えてみると、シッシーは出会った時からサラリーマンだったような気がする。マコ先生はどうだったかなぁ。その頃はサラリーマンだったかなぁ。あの頃は何をしていたっけかなぁ?

つまりなんだ?
みんな、休日戦士だってことだ。


「休日戦士」

あぁなんてこった 世界は今日も普通で
ちっぽけな僕は風に吹かれてるボーイ

ギターかきならして 古ぼけた壁のピンナップ
破れたプライド いつかの忘れ物

昨日はちょっとしくじった うまくいかないことばかりだ
泣けもしないで酔えもしないで駅のホームの向こうで
空に浮かぶ月が笑い転げた

頑張ってるんだ この世界の片隅で
戦ってるんだ 重たい荷物を背負って
愛と夢希望だぜ 走れ負けるな キックだマイフレンド

あぁこんなもんか 世界は今日も窮屈で
散らかしたロンリー 僕は休日の戦士

ありったけの心と力で誓う決意表明
終わりのない旅路なんだ せめて少しの優しさ
空に浮かぶ月がくれた言葉は

頑張ってくんだ この世界の真ん中で
戦ってくんだ 休みなき戦士の唄
愛と夢希望だぜ 走れ負けるな キックだマイフレンド

「明日はきっと」なんてさ・・・繰り返してもきりがないさ
「まだまだ終わってないさ」・・・言い尽くしたセリフなんだ
次から次湧いた難題・・・どうしようもないってもんだい
分かってるって 分かってるって 負けてばかり泣いてばかりじゃないられないさ

空に浮かぶ月がくれた言葉は「もっと高くジャンプだ!」

頑張ってるんだ この世界の片隅で
戦ってるんだ 重たい荷物を背負って
さぁ頑張ってくんだ この世界のど真ん中で
戦ってくんだ 休みなき戦士の唄

#5 大学の英語の授業でアイルランドの歴史を学んだよ。

2017-04-28 17:27:23 | Weblog


五曲目。「just a littie bit」(trash box jam The Band 1stマジカルステラーツアーに収録)。

トワイニングの「アイリッシュブレックファースト」を飲みながら書いている。
アイリッシュブレックファースト・・・この紅茶は美味しいのだろうか?味に癖がなさすぎる。これを、「癖がなくて美味しい」というのだろうか?
「あぁ、アイルランドを旅してみたい」


英語が書いてあるTシャツとか帽子とか、たくさんある。
あれには気をつけねばならない。
時々、とんでもなくおかしな意味の言葉が書いてあるから、気をつけねばならない。
着ている本人が、その意味を知らぬまま居られればいいが、その意味を知った瞬間、恥ずかしくなって地球の裏側まで逃げたくなったりすることもあるだろうから、すごく気をつけねばならないと、僕は思う。

路上ライブにて。

トモミちゃんが帽子をかぶっていた。その帽子には、いっぱい英語の文字が書いてあった。いっぱい文字が書いてあったのだが、書いてある単語は一つである。一つの単語がいっぱい書いてあった。

その単語とは、俗にいう放送禁止用語である。

トモミちゃんの帽子には、「ファック」という四文字の単語が200個くらい書いてあった。逆に言うと、「ファック」としか書いてない。

読んでみると、「ファックファックファックファックファックファックファックファックファック・・・・・・・・・」である。もはや、ファックでしかない。100パーセントのファックなのである。

すごく笑った。

どういうセンスの人がこの帽子を作ったのだろうか?すげぇ笑える。

アメリカからやって来たアンバーが、その帽子を見て、トモミちゃんに怒っていた。

「その帽子、絶対ダメだよ!」

そりゃあそうだ。すげぇ笑った。


僕のお気に入りのアイリッシュグリーンのTシャツ。古着屋で買った。少し高かったような気がするが、どうしても欲しくて買ったやつ。

そのTシャツには、英語の文が書いてある。
その文がとてもイカしているのだ。

その文はこんな風に始まる。
「キスをしてくれ、僕はアイルランド人だ!」

なんて素敵な始まりなんだろう。


僕は唄を作った。
ポップなアイリッシュソングを作ったつもりなのだが、trash box jam The Bandのアレンジによって、結構ダークヘビーな雰囲気の唄に変わった。
これを、アレンジの妙という。

ソロライブはおろか、もはやtrash box jam The Bandのライブでも演奏することが皆無のこの曲。

ナイスな選曲だったと、僕は想うよ。


「just a littie bit」

出口のない夜の中 迷い込む孤独なピエロ
涙がさよならって歌ってるけど
just littie bit もうちょっと待って

昨日までのフェアリーズストーリー 紙くずと一緒に消えてくよ
涙がさよならって歌ってるけど
just littie bit あと3秒だけ待って

一人じゃ広すぎるこの世界で届かない夢を見てるんだ
モノクロームの空 止みそうにない雨がこの胸を突き刺していくんだ だから

Darlin I'm Irish boy, you are beautiful, I promise I call you.
Kiss me I'm a lonely boy, I'm not like other guy.
時の悪戯にさらわれて散る

歪む街の光さえ 光の海の中の闇さえも
何もかも忘れられたら悲しくないのに
just littie bit あとちょっとだけ待って

こんなにも傷だらけさ すり切れた想い出ばかりのラバーソール
眠たい目をこすりながら月の消える空の下 僕が歌った君へのラブソング

Darlin I'm Irish boy, you are the only one, I promise I call you.
Kiss me I'm a lonely boy, I'm not like other guy.
時の悪戯に流されて消える

色あせた僕がこの手で握りしめてるのはほんの少しの未来
色づいた花のように散りゆく運命なんて知らない
何度も何度も繰り返した言葉の意味を僕はわからずに
ただ失っていくんだ ただ壊してくんだ 愛しき人の声に届けずに

Darlin I'm Irish boy, you are beautiful, I promise I call you.
Kiss me I'm a lonely boy, I'm not like other guy.
時の悪戯にさらわれて散る

just littie bit... wait for me...


#4 バカにしていたのだが、オレンジペコはとても美味しい。

2017-04-28 04:31:13 | Weblog


四曲目。「ミルクティー」(trash box jam The Band 1st マジカルステラーに収録)。

イギリス人のボールに、僕は聞いた。

「ねぇ、イギリス人はさ、紅茶のイメージじゃない?ティータイムのイメージじゃない?ねぇ、イギリス人はさ、ほんとに紅茶ばっかり飲んでるの?」

ポールは答えた。

「バカ言うなよ。紅茶なんて飲まないよ。・・・でもあれだな。うちの母さんなんかは、すげぇ暑い日の午後にポーチで紅茶を飲みながら、『プリティグッド!』とか言ってるな。。。イギリス人、紅茶ばっかり飲むかもな。おれは紅茶は飲まないけどね」

関係ないけど、イギリス人のポールは、しんぐくんの「99Generation」というアルバムのギャケットに写っているその人だ。


はちみつカフェで紅茶を出そう!と思いついた。珈琲ばかりでは能がないではないか。

美味しい紅茶探しの旅である。

少しずつ買い集めたら、トワイニングの紅茶の缶がたくさんになった。壮観である。選り取り見取りでちょっと嬉しい。「今日は何を飲もうかなぁ・・・」と、ちょっと楽しい。

ジャンピングティーポットで淹れる。砂時計で時間を測る。

紅い液体を一口すすって、「プリティグッド!」とつぶやいてみる。

紅茶もなかなか面白い。


路上にて。冬の路上ライブにて。差し入れはいつも「紅茶花伝」のロイヤルミルクティーだった。

紅茶はストレートで飲みたいが、ミルクティーはとろけるくらい甘いのがいい。

ラブソングはいかが?
どうせならば、とろけるくらい甘いラブソングはいかが?


「ミルクティー」

この想いを風に乗せて君の眠る場所へ
届かない空 今日は君に優しくしてくれたかな

夜を待ってたら風が舞って 恋になってミルクティー買って
そろそろベッドに戻ろう

探し物はね 風に吹かれて揺れる君のポートレート
温もりだけで幸せになれるからとつぶやいた

君を待ってたら時が経って 恋叶ってミルクティー持って
そろそろベッドに戻ろう

ずっとそばで息をして ずっとそばで笑ってる
涙だって声だって愛してる
そうずっとそばで眠って ずっとそばで目覚めて
夜だって朝だって愛してる
so どんくらい? Do you love milk tea?

夢から覚めて悲しくて泣いてたって
夢うつつ数えつつ 時の果てつかまえて

ずっとそばで息をして ずっとそばで笑ってる
寂しさも切なさも愛してる
ずっとそばで眠って ずっとそばで目覚めて
眠りの中でだって愛してる
so どんくらい? so don't cry...

so don't cry... so don't cry...

#3 ハローハロー・・・聴こえますか?

2017-04-27 03:41:10 | Weblog
三曲目。「ハローグッバイ」(trash box jam The Band 2nd.『the room404』に収録)。

ダニエルとマリオは元気にしているだろうか?

この世界は、出逢いと別れで出来ている。
なんのために出逢いと別れで出来ているのかは知らないが、この世界は間違いなく、出逢いと別れで出来ている。

別れを恐れることはない。
別れを嘆くこともない。
「別れ」の次にやってくるものは「出逢い」だ。
別れは出逢いのためにある。
つまり、別れこそ、出逢いだ。

フランスを旅していた時、僕はフランス人のデイビッドの家に泊めてもらっていた。毎日ヤンヤヤンヤと遊んで回った。ベルサイユ宮殿に忍び込んでその庭で立ち小便をしのも、テキーラを飲み過ぎてシャンゼリゼ通りでゲロを吐いたのも、この時の話。若気の至りってやつだ。許してほしい。

デイビッドに別れを告げて、僕はバスに乗った。

ポルトガルのリスボン。同宿の仲間たちと数日間遊んだ。その中にオーストラリア人のクリスチャンがいた。色々あって、その後二週間ほどクリスチャンと共に旅をした。

誰かと一緒にいるのに疲れて来た僕は、クリスチャンに別れを告げて、船に乗った。

モロッコのアシラ。詐欺にあったり迷子になったり色々あって、街で出会ったイギリス人のポールとカナダ人のコリーンとシーラの仲間に加わって、二週間ほどモロッコを回った。

彼らはギリシャへ向かうと言うのだが、僕はギリシャへは向かわないので、スペインのアルヘシラスで3人と別れた。

僕は一人、グラナダ行きのバスに乗る。

「あぁ、一人旅だ・・・やっと」

夜のグラナダ。目的地の宿が見つけられない。重たいバッグを背負って、グラナダの街を歩き回る。ヘトヘトだ。
そこら辺を歩いている町の人に宿の場所を尋ねる。
何人目かの二人組の青年はこう言った。
「連れてってやるよ」

やっとの事で宿にたどり着いて、二人組の青年に礼を言う。二人組の青年は「お安い御用さ」といった顔で笑った。そして僕にこう言った。

「明日、遊ぼうぜ!」

そして僕はそれから数日間、グラナダの街を、ダニエルとマリオとその友人たちと遊び回るのである。


この世界は、出逢いと別れで出来ている。
人生は、出逢いと別れで出来ている。
別れがなければ出逢いがやって来ないのならば、敢えての別れを選ぼうじゃないか。とさえ、思わないでもない。

ハローハロー、僕の大好きな人。
ハローハロー、僕の大好きな人。
ハローハロー・・・聞こえますか?
ハローハロー・・・聴こえますか?


「Hello Good-bye」

泣かないでこの世界で回り巡るチェリーゴーランド
退屈を蹴飛ばして今宵星の音のパーティ
ため息を飲み干して・・・寂しがりの強がり
意味などなくてもいいさ・・・さりげなく笑ったステディ

言葉が足りない何もかも足りない
声なき叫びが夜を貫いた

さよなら僕が愛したこの全ての世界よ
笑って手を振ったら愛があふれた
Everybody just say good bye to me
Everybody just say good bye this world
Everybody just say good bye to me
Can't you hear me I say hello hello

泣けないで一人きりで眠れない夜があって
孤独は友達だって・・・そしてまた悲しくなった

逢いたさ募らせ儚き涙が
さざめく空には星が瞬いた

さよなら僕が愛したたった一人の人よ
笑って手をかざしたら恋が零れた

Everybody just say good bye to me
Everybody just say good bye this world
Everybody just say good bye to me
Can't you hear me I say hello hello

痛まぬ夢ならばいらない 永遠には問わない今だけ
声なき声 叫びが夜を貫いた

#2 ペテン師の劇場

2017-04-25 03:45:23 | Weblog
二曲目。「コーヒー&ビスケット」。

僕はブルーボトルコーヒーが苦手だ。浅煎りの珈琲は酸っぱい。ブルーボトルのこは極度に酸っぱい。もう酸っぱさしか感じない。だから苦手だ。
新宿から広島へ向かうバスの中、僕の飲み物は、サーモスの水筒に移したブルーボトルの珈琲しかなかった。一晩中、酸っぱさと戦った記憶。

長野県飯山市、野沢温泉村近くにあるゲストハウス一里塚(まだ開業前)の主人と珈琲の話をした。ちなみに、一里塚の主人はブルーボトルの珈琲が大好きだ。好みというのは人それぞれで面白い。

一里塚の主人は、長野の山奥の古民家を買ってゲストハウスを開こうというくらいの自然派である。
ちなみに、僕も嵐山という埼玉の奥地に籠って、鴨長明のような暮らしを勤しむ、自称自然派だ。

話は、合う。

一里塚の主人が東京で買って来た珈琲を淹れてくれた。一里塚の主人の好み、酸味の効いた珈琲だ。ブルーボトルほどの酸味ではないので、美味しく頂いた。

僕は、自分で焙煎したブラジル産のフクダトミオブルボンという豆を持参していた。翌日の朝は、僕が珈琲を淹れた。一里塚の主人は、「美味しい」と言って飲んでくれた。

一里塚にいる間中、結構な量の珈琲を飲んだのだが、コデラーマンである。コデラーマンはオコチャマなので、珈琲が苦手。苦手なのだが、無理をして、「僕もブラックで」とか言っちゃって飲んでいる。一口飲むたびに、苦い顔をしていて笑えた。牛乳と砂糖を入れてコーヒー牛乳にして飲めばいいじゃん!と僕は言うのだけど、「いや、僕はいつもブラックなんで」と嘘をついて、苦い顔をしながら飲んでいてうけた。

一里塚の主人との珈琲の話。

僕の珈琲は自家焙煎である。自家焙煎というのは、コーヒーの生豆を買って、自分で炒ったということである。
なぜ自家焙煎なのかというと、その方が安いからである。美味しい珈琲豆というのは高い。高い豆というのは迂闊に飲めない。迂闊に飲めないから飲めないまま劣化するなんてこともままある。だから、自家焙煎をするのである。シャカシャカシャカシャカと人力で振るのである。
この一年で、人力焙煎も少しは上手になってきた。

安くて美味しい珈琲を気兼ねなく、いくらでも飲める生活なのである。焙煎したてを、いくらでも飲める生活なのである。お金をかけずに好きなものを・・・僕は自然派なのである。

そんな話をしていたら、一里塚の主人がこんなことを言った。

「贅沢な暮らしをしてますね」。

いえいえ、ただ貧乏だから・・・。
そう答えながら、僕は少し嬉しかった。


そんな珈琲を飲みながら書いている。今日の珈琲は、グァテマラアンティグア、ボルタル農園の深煎り。BGMは「コーヒー&ビスケット」(trash box jam マジカルステラーツアーに収録)。

僕は歌う。

誰かの愛が欲しい。
誰かの笑顔が欲しい。
誰かのリアルが欲しい。

さらに僕は歌う。

誰かの嘘が欲しい。
誰かのフェイクが欲しい。
誰かの怒りが欲しい。

ある時、ミネソタからやって来たハイディーという女の子が僕に聞いた。

「ねぇしんぐくん。愛とか笑顔とかリアルが欲しいというのは分かるわ。でも、なぜ、嘘やフェイクや怒りを欲しがるの?」

僕は答えた。

誰かの何かを欲しがるのならば、ポジティブなものだけじゃなくて、その裏側にあるネガティヴなものも受け止めなければいけないと思うんだ。つまり、その「全て」を、ということ。
嘘とフェイクと怒りを受け止める覚悟がなければ、愛と笑顔とリアルは手に入れられない。僕はそう思うからだよ。わかるかい?


僕は、ことさら僕の唄の歌詞に関しては、即興のペテン師になる。
こんな風にして、僕の唄の歌詞の意味が深まっていくのだよ。わかるかい?

「コーヒー&ビスケット」

Wake up コーヒーとビスケットかじりながらMonday morning
Everything 何もかも全部 ごちゃまぜにかき混ぜてShakin'

Take my hand 悲しくなりたくない 全てを受け止めてHappy
Sing my song 転がり落ちていくリアルとフェイクと天使と悪魔
This is my life

I need somebody's love. I need somebody's .
I need somebody's real. I'm lookin' for that.

I need somebody's lie. I need somebody's fake.
I need somebody's anger. I'm walkin' down the street.

Wake up コーヒーとチョコレートかじりながらWednesday morning
Everything 収集不可能 ぐちゃぐちゃになり始めてる

Take my hand 寂しくなりたくない 全てを抱きしめてHappy
Sing my song 甘い誘惑の中リアルとフェイクと天使と悪魔
Is this my life?

I need somebody's love. I need somebody's .
I need somebody's real. I'm lookin' for that.

I need somebody's lie. I need somebody's fake.
I need somebody's anger. I'm walkin' down the street.

I need coffee and biscuit.
I need coffee and chocolate
Give it to me to fly sky high.
Give me the something I want.

#1 ダイアモンドみたいな月明かりに照らされて。

2017-04-24 05:38:14 | Weblog
一曲目。「sweet days」。

知っている人は、頭の中でスィートデイズを再生しながら読んでほしい。
知らない人は、頭の中で、どんな曲かを想像しながら読んでほしい。

懲りもせず、前回のライブの回想録で無残にも企画倒れに終わった、セットリスト回想をやるのである。今回こそ、完遂したいのである。やれんのか?と聞かれたら、僕はこう言うよ。「・・・うん・・・やれる」。すごく小さな声でね。

スィートデイズの生い立ちは、よく思い出せない。初出はいつだったのだろう?
trash box jam The Bandのファーストアルバム「マジカルステラーツアー」に収録されているロックなナンバーである。

バンド用に書く曲、特にロックなナンバーを書く時の注意点は、「メロディアスになり過ぎない」ことである。どういうことか?それは・・・メロディーなんてなくていいのである。逆に、メロディーなんてあってはいけない。メロディーなんぞない方がロックになる。ということ。

これがなかなか難しい。メロディーなんて、自然についてしまう。がしかし、メロディーがついたらダメ。・・・難しい。

マコ先生が言う。
「もっとメロディーをなくしてください」

僕はこう言う。
「じゃあ、こんなのは?」

マコ先生は言う。
「まだメロディーがありますね。もっとなくして」

僕は言う。
「これ以上メロディーをなくしたら、棒になるよ?」

マコ先生は言う。
「棒はダメです。棒じゃないギリギリを狙って」

もう、めちゃめちゃ難しい。


そんなわけで、スィートデイズのサビのメロディなんぞは、ただ「スィートデーイズ!」と叫んでいるだけ、みたいになっている。そして、それがこの曲をロックな感じに仕上げているというわけなのです。

スィートデイズ。この曲の肝は、シッシーが弾くイントロのリフだと、僕は思う。このリフなしにこの曲は成立しない。ちょっと天才的なフレーズだと思っていたりする。

あぁ、スィートデイズが聴きたくなってきた。


「sweet days」

ダイアモンドみたいな月明かりに照らされて
この街で一番素敵な夢を見ているテディボーイ
ベルベットの計画に誰かが放った警告を
ピーナツバターの海に沈めたらIt's gonna be alright

寂しげに星を見上げているのはチェリーパイ チェッチェッチェリーパイ
今夜は君のために歌うよI'm gonna sing my song
塗り潰した現実をシャガールの夢に重ねて
シュールに夜を走り抜けてく でもまだちょっと眠たいぜ

sweet days 抱きしめて
sweet days 今すぐに

いつかの夢はまだ夢のままで いつまでこの夢の果てで待って
いつ頃なんてわかんない but it's gonna be alright
いっそこのまま君を連れ去って 世界の果てで過ごそうか
星屑みたいな愛を頬張った ままのままのま

sweet days 抱きしめて
sweet days 今すぐに

ロッキンチェアから転げ落ちてからラザニアの生地に包まれ焼かれ
目が覚めた世界はこんなにも勇気に満ちてる
複雑な思考気まぐれな思考今夜こそ聞こうどこまでも行こう
ハチミツの雨が優しい・・・もう眠らせてくれ

sweet days 抱きしめて
sweet days 今すぐに

ハチミツ色の空の下で。

2017-04-24 05:08:11 | Weblog


目を閉じて想う・・・「あぁ、楽しかったなぁ」

目を開けて想う・・・「あぁ、終わっちゃったなぁ」

2017.4.22下北沢lown
sing(from trash box jam)
「ライオンとハチミツ色の空」

無事に終了。

日々の練習の成果もあり、神が降りて来たように「声」が出た。ウルトラスーパースペシャルな「声」が出た。あのままあと50曲くらい歌えたんじゃないか、と想う。

笑い声と涙と手拍子と唄。思い出深い夜となった。

trash box jamの三人で出演することは出来なかったが、trash box jamの三人で演奏するような気持ちでセットリストを組んだ。
演奏中の色んなところで、マコのカホンやシッシーのギター、マコのコーラス、シッシーのコーラスが聞こえた。そんな風に組んだセットリストなのだから、そうなるのも当たり前の話なのである。

いやしかし、楽しかった。
僕は楽しかったが、来てくれたみんなも楽しかっただろうと想う。知らない曲がたくさんあったとしても楽しかっただろうと想う。なぜならば、演奏する側がこれほどまでに楽しかったのだから。

ありがとうございました。深く深く感謝します。
雨の中、ありがとうございました。深く深く感謝します。
遅くまでありがとうございました。深く深く深く感謝します。

しばし、呆然と余韻に浸ることとします。
ハチミツ色の空の下で、目を閉じて「フフフ」と笑っている人がいたら、きっとそれが僕なのです。ふふふ。

トウモロコシ畑でつかまえて。

2017-04-22 01:42:56 | Weblog


今日のライブに向けて、練習に来てます。
どこに?って。外に。
外って、どこ?って。そこらへん。

うちの辺りは田舎だから、どこでも歌える。それがいいところ。

昨日の夜は、家の前にタヌキがいて、しばしのにらみ合い。
ちょっと前はうちの裏でイノシシも見た。
それよりも、おととい、小さなカンガルーを見た。へぇ、ここらへんって、カンガルーもいるんだぁ・・・。ピョコピョコ跳ねて山へ逃げ込んで行った。ほんとだよ。ほんとにカンガルー。だと思う。ウサギを少し大きくしたくらいのやつ。

なんだったんだろう?あのカンガルー。


オーストラリアのケアンズに住んでいた時、車にギターを積んで歌の練習にをしに行っていた。
車ですっ飛ばして30分くらいかなぁ。街を抜けて、だーれもいないトウモロコシ畑の中へ車を入れて、唄を歌っていた。なんでって?僕は唄歌いだからだよ。

そんで、「そろそろ帰ろう」と思ったら、車が動かないの。前の日に降った雨のせいで、トウモロコシ畑の中は軽い沼みたいになってたのさ。絶対絶命だよ、僕は。いつも。

仕方がないから、とりあえず歩いて家へ帰ることにした。とぼとぼと。
遠いの。車ですっ飛ばして30分だから。・・・2時間はかかるなぁ・・・。

あっ!途中で電話をかけよう!誰かに助けに来てもらおう!と思ったの。名案!
そしたら、おれ、財布を持ってないの。家に置いて来たの。小銭さえもないの。
そもそも、電話があるところまで1時間は歩かなきゃならないんだけどね。家も店も、何もないただの道。真っ暗な道。とぼとぼ歩くの。延々と。

明日のライブで、この話をしようっと。ははは。お楽しみにね。

ハチミツ色の空の下で、みんなに会えますように。
7時スタートだよ。

写真は、自作の小銭入れだよ。


いまさらの前回のライブのセットリストなのだ。2016.12.10、下北沢lown。

2017-04-20 23:15:52 | Weblog


今週の土曜日に下北沢lownでライブがあるのだけどね。
そのセットリストを決める都合で、前回のライブのセットリストが必要になった。必要になったのだが、ない。なぜないのかというと、ブログにアップしていないからである。そういうことが起こる。怠けていると、そういうことが起こる。要注意である。

第1部の一曲目の「三日月の夜」から、アンコールの「メッセージ」まで、22回のブログを書く予定だったのだけれど、一回で終わった!はははははは!ひどすぎる!ははははははは!笑笑笑。

そんなわけで、また必要になることがあるやもしれぬので、載せておくのである。

それにしても、素敵な選曲のライブだった。意外性がすごい。

今回も、面白い選曲でお届けする予定です。お楽しみに(^。^)

写真は、全然関係ないんだけど、自作のレザーキーホルダー。初めてのシングルステッチ。なかなか可愛いと思うのですが、どうですか?はははははは。

12/10 下北沢lown

第1部

1.三日月の夜
2.コネコ
3.sweet age
4.恋歌
5.レモネード
6.ジュピター
7.パレード

第2部

8.12月のライオン
9.スノーパード
10.泣いて笑って
11.雨降りの君は傘もささずに
12.旅人の足跡を見かけませんでしたか・・・冬
13.不死身のライオン
14.砕いてごらんよガラスのハート

第3部

15.裸の王様
16.ありがとう
17.BIRTHDAY SONG
18.3gの奇跡
19.ジュークボックススター
20.Cowboy
21.MESSAGE

E.22.すくーるらいふ




ライオンとハチミツ色の空。

2017-04-13 00:05:10 | Weblog


下北沢lownでのライブまで、あと9日?・・・えっ9日なの?そうなの?へぇ、そうなんだぁ。

という感じのしんぐくんなのであります。

どうでもいいことで何かと少し忙しかったりもする。

今日は、近所の山を一時間ばかり探検した。なぜ探検をしたかというと、それは成り行きである。好き好んで山を探検などしたくない。

そんなこんなで少し忙しい。

ココロを張り切りライブモードに切り替えなければ、と、切に願っているところなのである。

いい唄を歌いたい。

さっき、瓦屋の親方から仕事の依頼が来たのだが、きっぱりと断った。だって、僕は、いい唄を歌いたいから。屋根の上に上っている場合ではない。仕事なんてしている場合ではない。

連絡が遅くなって申し訳ないのだけれど、今回のライブは、三年ぶりのtrash box jamの演奏でお届けするはずだったのだけれど、大変申し訳ないのだけれど、変更になったのであります。
理由は、たぶん、大人の事情ってやつなのです。ご察しください。ご容赦ください。

そんなわけで、申し訳なさすぎて、報告と連絡が遅くなってしまいました。

4/22はしんぐくんのソロライブです。「それでも良いよ」って方は、ぜひ来てください。

いい唄を歌うつもりでいます。いや、いい唄を歌います。

ライブのタイトルは、「ライオンとハチミツ色の空」。

なぜかっていうと、それは、ライブの時に話すかな。どうかな?

「ボクは、歌のある世界の中で、キミに逢いたい」

そんな気分です。

どうか、いい唄が歌えますように。

いや、いい唄を歌うよ。

かしこかしこ。