ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

パンダクラブたるゆえん。

2018-02-24 05:48:48 | Weblog


頼もう頼もうアトリエパンダ陶芸クラブの概要は・・・僕が思うに・・・

ひとつ。
会員制である。

ふたつ。
毎月の会費は、月謝ではなく会費。月謝ではないから先生はいなく、会員たちの自主運営。

みっつ。
会員は、ほぼほぼおじいちゃんとおばあちゃんである。もしくは、限りなくそれに近い人々。

よっつ。
年に一回、倶楽部の作品を出品するイベントがある。だなら、みんな、何かしら作る。

いつつ。
茶碗や湯呑みやなんちゃらは、入会してすぐに作り倒してしまうので、そのうちに作るものがなくなる。茶碗や湯呑みばかり作っても、置き場には困るし、実際それほど使わないし、作っても途方に暮れるばかりなので、みんなでパンダを作る。

むっつ。
きっと、展覧会にはパンダを出品するのだと思う。


僕が思うに。現代とは素晴らしい。
行きたいところがあれば徒歩で行かなくてもいい。飛行機や船や新幹線やバスや車やバイクで行けるから素晴らしい。

明治時代の初め、陸軍大将だった西郷隆盛は、職を辞して鹿児島へ帰った。
品川から横浜まで、開通したばかりの汽車に乗り、品川から船を乗り継いで熊本へ行く。熊本から鹿児島までは徒歩。
どんなに偉くても、手段がなければ歩くしかない。

アトリエパンダクラブは、新人会員の僕に何も教えてくれない。という話は書いた。

右も左も分からない新人会員は途方に暮れてしまう・・・しまうなーんてことはない。

時は現代である。
現代とは素晴らしいのである。

本がある。ネットがある。ユーチューブ、なんてものもある。
つまり、わからないことがあれば、なーんでも調べればいいのである。

「結局、自力じゃねーか。独学じゃねーか。会員になった意味がないじゃないか」なんてことは全然思わない。

どこかへ行きたいのならば、必ず道を通らなければならない。どんな道かは分からぬが、そこには必ず道というものがあるのである。
今回は、アトリエパンダクラブが「道」の入り口。

飯碗を二つ作ってみた。茶碗の裏には「ライオンとハチミツ」の刻印を入れた。

ここは道の入り口である。
未知への入り口である。

茶碗が宙を飛んでいった時は「・・・向いてないかも・・・」と思ったのだけれど。
茶碗が二つ出来上がった時に思ったのは、

「おれ・・・結構、向いてるかも」





アトリエ何クラブ?

2018-02-22 02:16:49 | Weblog
頼もう!頼もう!

とね。

陶芸倶楽部。

に、また行って来た。

今回は大勢いた。

かるーく自己紹介をしたりして、仲間に加わった旨を伝える。

前回、来週は「タタラ作り」を教えてやろう。と、陶芸倶楽部の長老が言っていた。

「今日はタタラ作りかぁ、どんなのかなぁ?」

と、椅子に座って待っている。

がしかしである。

ふと、僕は気づいた。

タタラ作りなんて教えてくれないかも・・・きっと、タタラ作りなんて教えてもらえない。なぜならここは、会員制倶楽部。

そうだった、そうだった。危ない危ない。延々と待つところだった。

僕は買って来たばかりの信楽粘土を取り出して、コネコネし始める。

そう、僕は、「はじめての陶芸」という教則本を読んで勉強してきたのである。先週までの僕とは違うのである。一人でも、出来る。はず。

コネコネしたりグイグイしたりしていると、長老が寄ってきて言った。
「今日は何を作ってるんだい?」

危ない危ない。ほらね、タタラ作りなんて教えてくれない。新人会員のことなんて忘れちゃってるんだよ。危ない危ない。よかったよかった。はじめての陶芸を買っておいて良かった。

「飯碗を作ってます」と僕は答えた。

そうかそうかと、長老は向こうへ行ってしまった。
はははは。さすがの会員制倶楽部である。

僕は、きっと、はじめての陶芸とともに生きていくのである。


隣を見ると、おじさんが何かを作っている。
聞くと、「パンダを作っている」と言う。

「へぇ、可愛いっすねぇ、パンダ」と言ったりなんだりして。

デフォルメされたアニメチックなパンダは、実際可愛い。そして上手なのである。

「それ、箸置きにしたらすごくいいっすねぇ」とか言ったりなんだりして。

実際、売り物になりそうなくらい上手い。

アトリエの反対側のスペースに女性陣が三人集まって何かを作っている。

道具を洗いに行く時に、女性陣のそばを通った。
何を作っているのかな?と覗いてみる。

「えっ!?」

「なんで?」

「なんでなの?」

「なんで、パンダ作ってるの?」

ねぇ、みんなパンダ作ってるじゃん。
俺以外、全員パンダ作ってるじゃん。
何?何?ここ、何?なんなの?

女性陣が作っていたのは、パンダはパンダでも、デフォルメされていないパンダ。つまり、そのままのパンダ。
わかりやすく言うと、北海道土産の鮭をくわえたヒグマの置き物くらいリアルなパンダ。

三人でそれぞれ作っているからね、リアルなパンダが三体、テーブルの上に載って色付けされている。

こわいこわいこわい。

そんなわけで、アトリエパンダクラブの謎。
今日のところは、そんなお話。

北大路しんぐじんへの道。

2018-02-19 01:11:43 | Weblog


頼もう!頼もう!

と、嵐山窯の扉の前で叫んで、弟子にしてくれ!と頼んで、ここは会員制だよと言われ、会員になるのか?と聞かれ、会員?弟子みたいなもの?と問いかけ、弟子みたいなものなら会員になると答え、会員になったという話を、書いた。

あれから一週間。
もういっちょまえの陶芸家になっていると思われていることだろう。

答は・・・ノンノンノンだよ。

知ってる?知ってた?会員と弟子の違い。

会員って、弟子じゃないから何も教えてもらえないんだよ。

勝手にやれば?と言われても、陶芸のトの字も知らないんだよ。僕は。

くそぉ、どうしたらいいんだ。どうしたらいっちょまえの陶芸家になれるんだ。

古本屋で「初めての陶芸」という本を買った。
そうか・・・会員は初めての陶芸という本から始めなければならないのか・・・知らなかった。

「初めての陶芸」という古本に、「必要なもの」が色々と書いてあった。

そうか・・・会員は「必要なもの」をそろえるところから始めなければならないのな・・・全然知らなかった。

ヤフオクで「手回しロクロ」なるものを1300円で買った。
なんだかよくわかんないけど、陶芸初心者道具セットなるものを、アマゾンで1000円で買った。

新規会員特別サービスとして白髪の老人がタダでくれた信楽粘土が手元にある。

よし、やるか!

手回しロクロに粘土をのっけて、クルクルー、クルクルー、クルクルー。
初めての陶芸という古本を眺めながら、クルクルー、クルクルー。

飯茶碗が出来た。

知ってた?
陶芸って、意外と難しい。

なんだか、ところどころ、おかしい。おかしくはあるが、まぁいい。初めてにしては上出来だ。やった。飯茶碗だ。

しばらく乾燥させて、ひっくり返して、手回しロクロにのっけて、台の部分を削る・・・と、本に書いてある。

よし、書いてある通りにやってみる。
クルクルー、クルクルー。

ぴょいーーーーん。

あぁぁぁぁ、おれの飯茶碗が!
あぁぁぁぁ、おれの初めての作品が!

クルクルーと回した勢いで、半ナマの飯茶碗が向こうの方へ飛んでいってしまった。飛んでいってグシャッと潰れてお亡くなりになった。

よし、手を洗おう。今日のところはこれで終わりだ。

あーびっくりした。まさか茶碗が飛ぶとはな。

会員になって一週間。
いっちょまえの陶芸家になるどころか、初めての作品さえ出来ていない。

うーん・・・陶芸家への道は、ちょっとだけ遠い。

道場破り。

2018-02-13 03:53:30 | Weblog


「頼もう!頼もう!」

と、掘っ建て小屋の扉の前で僕は叫ぶのである。

しばし待つと、掘っ建て小屋の中から白髪の老人が出てくる。そして言う。

「入り口はこっちじゃない。向こうだ」

えっ?そうなの?

「頼もう!頼もう!」

と僕は重ねて言うのである。

なんだ?うるさいな。と白髪の老人が無言で振り向くのである。

「おれを弟子にしてくれ」と、僕は言うのである。

弟子など取らん!と白髪の老人は言うのである。

「そこをなんとか!頼もう!頼もう!」と僕は言う。

弟子なんて取らんと言うとろうが!ここは会員制じゃ!と白髪の老人が言う。

えっ?そうなの?

おまえ、会員になるのか?

「はい、なります」


ここは嵐山窯。
神社の裏にひっそりと建つ掘っ建て小屋。

頼もう!頼もう!

そんなわけで、僕は「嵐山窯」の会員になった。

ダイコン一番乗り。

2018-02-09 01:55:51 | Weblog


他人と同じじゃ嫌だ。とか、他人と違うことをしたい。とか、そんなことを思っていた時代もある。きっと、若かりし頃の話だ。

今は別に思わない。

どちらかというと・・・他人と同じだろうと違おうと、そんなことはどうでもいい、自分のやりたいと思うことをやる。といった具合だろうか。

そういう意味では、僕は若かりし頃を抜けた。


畑の話。

畑においては、他人と違うことをやっていてはダメなのである。絶対に。これは、経験則。

農作物の種には、蒔き時というものがある。
苗には、植え時というものがある。
肥料をやる時期ってのもある。
そしてもちろん、収穫をする時期。

この時期ってやつを守らねば、農作物というのは育たない。大げさに言うならば、時期を守らねば農作物は決して育ちはしない。


僕の話。

他人と同じことをするのは嫌だとは微塵も思っていない。畑に関しては、みんなと同じことをして、立派な野菜を育てたい。

なのに。なのにである。なのになのである。

僕の畑は、みんなの畑と様相が違う。だいたい違う。

なぜか。なぜなのか。

それはね、僕が種の蒔き時をいつも逃してしまうからだよ。
それはね、種の蒔き時を逃したら「今年は見送り」となるところを、散々時期を逃した時期に無理矢理種を蒔くからなんだよ。

つくづく想う。僕は農家にはなれない。向いてない。だって・・・種の蒔き時を守れた試しがない。
「あぁ、そろそろ蒔き時だなぁ」と想いながら、ゆうにひと月は過ごす。へたをしたら二カ月を過ごす。そして、「あっ、蒔き時!過ぎた!」と叫び、種を蒔く。

「こんな時期に蒔いて、芽なんかでねぇよ!」と、みんながひどい罵声を浴びせながら通り過ぎていく。

そして、蒔き時を逃して種を蒔いた僕は考えるのである。

「保温や!保温するんや!」

実際、散財である。蒔き時を逃したがための散財である。
保温のために地面を覆う穴あき黒マルチ。
種や小さな苗を守る不織布。
マイナス10度の外気から小さな苗を守るためのビニールトンネルと支柱。

一生懸命にビニールトンネルを被せながらつぶやく。
「向いてねぇなぁ・・・」


先日、ダイコンとほうれん草を混植した畝のトンネルをめくってみた。

「あれ、大きくなってるじゃん」

普通の三倍ほどの時間をかけて、ダイコンとほうれん草の苗が成長していた。


毎年毎年、今年は蒔き時を守る!というのが目標なのである。そして、毎年毎年「向いてねぇなぁ」とつぶやくのであるから、本当に向いてないのだと想う。


それはさておき、トウモロコシの種を蒔くのは四月なのだけどね、へへへ、僕はね、一月に種を蒔いたのさ。
でも、ちょっと早過ぎたみたいで、50本中8本しか芽が出ていない。やはり、寒すぎるようだ。

一月は早すぎる・・・と。メモメモ。

で、さっき、トウモロコシの種を濡れ布巾で包んで、電気毛布で包んで、空の衣装ケースに入れてスィッチオンした。ふふふ。

これがうまくいけば、二月中に畑に植えられる。メモメモ。


他人と違うことをしたいというわけではないのだけれど、ワクワクするような、楽しいことをしていたいのです。僕はね。・・・向いてないけどね。