電動ろくろと手ろくろの違い、知ってる?
電動ろくろは電動を使ってモーターが回ってクルクル回るの。
手ろくろは、手を使ってクルクル回すの。
違いは、それだけ。
二年半の修行中、修行なんてしてないけど修行中、よく言われた。
「手びねりなの?ろくろみたいに挽くわねぇ」
ろくろみたいに挽くってのは、手ろくろを使って、電動ろくろみたいに挽くはねぇ、という意味である。
僕はいつも、「へへへ」と笑っていた。
そう、僕は、手ろくろを電動ろくろみたいに使っていたのである。
どういうことか?
手ろくろをすごい勢いで回すのである。ものすごい勢いで回すのである。指と粘土の摩擦ですぐに止まってしまうので、とにかく凄い勢いで回すのである。
それ、意味あるの?
じゃあ、電動ろくろで挽けばいいじゃん。
そういう野暮なことは誰も言わない。
なぜならば、手びねりの良さってのがあるからなのである。とにかく手びねりの作品は、とにかく一個一個が手作り感満載なのである。
電動ろくろはつまらないという人がいる。それは、手作り感が無いから・・・らしい。
だから、陶芸を知る人は「じゃあ、電動ろくろで挽けば?」とは言わないのだが、言って欲しかった。ぜひとも言って欲しかったよ。
おまえは電動ろくろ向きだ!と言って欲しかったよ。
陶芸クラブには4台もの電動ろくろがある。自由に使っていい。使っていいのに使わなかった。なぜか?
それはね、一回一回泥だらけになった機械を掃除したり片付けたりするのが面倒そうだったからだよ。
そんな理由で二年半も無駄にしたなんて・・・信じられるかい?
おれは信じられない。相変わらずバカだ。
さて、そんな僕がついに手にした電動ろくろ。全然やらない電動ろくろ。
次回の焼成までひと月。
今から二週間くらい前だろうか。
やっと重い腰をあげて電動ろくろに挑むことにした。
何もできない僕なのである。本を読んでも出来なかったらろくでなしで無能な僕なのである。
さて、どうするか?
そうだ!YouTubeを観よう!
「電動ろくろの基本」と検索する。
そう、そこから始めるのである。だって、無能だから。
誰だって、最初は出来ないんだよ。大事なのは基本なんだよ。
よーし!やるぞぉ!と、三日間くらい、YouTubeを観ながら過ごしたのである。ははは。
つづく。