ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

永遠の果て

2009-06-30 20:51:35 | Weblog
悲しげに揺れる影に戸惑い 錆び付く思考回路の憂い
泣き濡れた朝に光ひとしきり 待ち焦がれてる奇跡の救い

暗闇の中深い闇の中 あふれ出した痛みに目を閉じる

壊れた空を染める贖い 閉ざされた扉は開かない
重なる指先が今ためらい 忘れ得ぬ想いは届かない

無限とも想われていた軌道が 突風に浚われるかの如く

出逢いの行方 永遠の果て 沈みゆく星屑があって
誰を呼ぶ声 繰り返す夢 極普通の出来事なんだって
泡のように消えた


薄れてゆくのは微かな意識 人知れず変わって行く景色
夜毎打ち寄せて消える悪しき 欲望に奪われてくらしき

はかなく倒れる千年の幹 嵐が過ぎ去った後の爪痕

愛の行方 トワの戯れ 消えてゆく切なさがあって
誰が呼ぶ声 泣き出した夢 極普通の出来事なんだって
夢のように醒めた



無限とも想われていた軌道が 突風に浚われるかの如く
はかなく倒れる千年の幹 嵐が過ぎ去った後の爪痕

出逢いの行方 永遠の果て 沈みゆく星屑があって
誰を呼ぶ声 繰り返す夢 極普通の出来事なんだって
愛の行方 トワの戯れ 消えてゆく切なさがあって
誰が呼ぶ声 泣き出した夢 極普通の出来事なんだって
泡のように消えた
夢のように醒めた

6.27(土)大宮ストリート

2009-06-28 03:35:44 | Weblog
1.プライドオブライオン
2.永遠の果て

3.あいのうた(中断)

4.マーガレット
5.花鳥風月
6.金色の翼
7.No No Tears
8.グットタイムアンドバットタイム
9.アンダーザフラッグオブジャック
10.レモネード
11.月のお姫様
12.アイリス
13.ハニー

↓Sing, Shissy, Syowa

14.love and rose
15.青い鳥
16.ミツバチと三日月
17.ステキな一日
18.いとしい人
19.茜色
20.ゲリラ


今日は久しぶりにおまわりさんに怒られた。怒られたから怒ってやった。いつも通り、責任者の人こっち来てと言われ、個人情報を色々聞かれ、最後に「何回くらいここで演奏したことあるの?」と聞かれたので、「千回。」と正直に答えてあげた。目をまん丸くして驚いていた。「もうやめてね」と言われたので、「千回もやってるのに、あなたに怒られたくらいで辞めるわけないでしょ?」と言ってあげた。そして彼は困ってしまって帰っていった。そして、宣言通り、10時過ぎまで同じ場所で歌ってあげた。まいったか?

そんなこんながあって、最近のいいいいい感じのストリートではなくなってしまったんだけど、まぁこんな日もあるさ、という感じの楽しい一日。楽しんでもらえたでしょうか?

後半はマコが抜けて、しっしーと昭和くんと三人トラッシュ。トラッシュらしく、グダグダと歌いました。懐かしのゲリラで締めくくったのが楽しかった証拠。
来週はいいいいい感じのストが出来るように、頑張るので応援してくださいね。v。よろしくね。

思考の螺旋階段を僕は昇ってる、グルグルと。

2009-06-25 07:32:47 | Weblog
楽しくないより、楽しい方がいいよね。
悲しいより、悲しくない法がいいよね。
辛いより、辛くない法がいいよね。
当たり前のことだよね。
普通だよね。

お腹が減ってる時と、お腹がいっぱいの時はどっちがいいかな?
歌いたくてしょうがない時と、歌い終わって喉がちょう痛い時はどっちがいいかな?
美味しそうな食事を目の前にして食べられないのと、美味しそうな食事を見ることも出来ないのはどっちがいいかな?
気が狂う寸前の状態と、気が狂ってしまった後だったら、どっちがいいかな?
唄を歌えないのと、唄を作れないのはどっちがいやかな?
超寒い国に住むのと激暑い国に住むのはどっちがいいかな?
完全に独りぼっちなのと、大勢の中の孤独はどっちがいいかな?
ツバルの大木に縛られるのと、キルギスの砂浜に首だけ出して埋められるのはどっちがいいかな?
・・・
意味不明だよね。

でもさ、人生にあふれてる選択肢なんていつだって意味不明なんだよね。
意味不明の選択を繰り返しながら・・・シンプルな振りをして生きてる。
結構面白いよね。








いよいよ、もう寝る。



雨のち曇りのち晴れるといいな

2009-06-23 05:24:12 | Weblog
今日は、素敵なメールを頂いたので(天才って書いてあった)、「素敵な一日」の曲解説でもしてみましょう。

この曲の原型を作ったのは、もうだいぶ昔、たぶん、2000年だと想う。「コネコ。」とか「ラプソディ」とか、そんな唄を作った頃の曲。
”今日も電話は鳴らない・・・なんて素敵な一日”ってフレーズはその頃からそこにドッカリと座っていて、その存在感のありすぎるフレーズのせいで、作詞が進まずにお蔵入り。仮で録ったデモテープを、たまに聞いては「いい曲だなぁ、いつか作りたいな」などと想いつつ途方も無い時間が流れてしまった次第。

たぶん、仕事がとても大変だった。長時間の夜勤明けで大宮に歌いに行って、そのままベルボトムのジーンズを履いたまま仕事場に向かったり。アニーズガーデンが乗りに乗ってる時でもあったりして、夜勤明けで一人で原宿のスタジオまでラジオの収録に行ったりもして、またその足で仕事に行ったりして。アニーのレコーディングもあったし、トラッシュのレコーディングもあった。もちろんライブもあって、ライブの準備なんて、今とは比べようも無いくらい大変だった(今はスタッフのお陰で楽ちんです)。ライブ前になると4、5日眠らないなんてことは普通だったりして。キーボードの前で座ったまま意識を失ったりしてたりして(笑)。死人のような顔で仕事をして笑われたりして。

たぶんね、その頃は、いつも「南の島に行きたい」って言ってたような気がする。多分ね、何もかもから解放されたかったんだと想う。忙しさから逃げ出すんじゃなくて、早く全部を成し遂げて、自分にご褒美をあげたかったんだと想う。ギターも曲作りのためのテープレコーダーも持たずに南の島に行って、毎日打ち寄せる波の音だけを聞いて過ごしたいって想ってたんだな、きっと。

そんな時期に浮かんだフレーズを活かしつつ殺しつつ、今回歌詞を書き上げたわけだけど、ははは、まったくそんなことは歌っていない。だからもちろん、どんなに考えても意味なんてわからないはずではあるのだけどね。実は実は、やっぱり深かったりもしてね・・・それを説明してあげたいのはやまやまなんだけどね、でも、しかし、そんなところまで解説をしてしまうと、みんなの想像力を奪ってしまうことにもなりかねないから・・・やっぱりしないでおきましょう。


そんな忙しさに殺されそうだった時期なのに、「辛い」と想ったことなんて一度も無かったのは覚えてる。やばい、このままじゃ死ぬとは何度も想ったけど。忙しくて忙しくて、やることが山ほどあって、いくらやってもなくらならなくて、南の島なんて絶対行けるわけなんてなくて・・・でも・・・楽しくて楽しくて仕方ない日々でした。だって、死にそうな顔をしながら、いつも笑っていたんだもん。周りには仲間がたくさんいて、そんな僕らを一生懸命支えてくれるトラッシュっ子やアニーっ子たちが、時には笑い、時には泣きながら僕らを待っていてくれたからね。

・・・結局、話は全然それたけど(笑)、そんな唄です。はい。


写真は、その頃の仲間の一人、天才カメラマン「かわっち」が2001年に撮ってくれた ”しんぐついに路上で死す” です。握られたハーモニカホルダーが、素敵です。顔面、地面に付いてます。彼は間違いなく「天才」です。しんぐを世界一かっこよく撮る天才です。

My Sunshine

2009-06-22 11:09:51 | Weblog
おはようマイサンシャイン
僕は君から生まれた孤独な星
だから今も輝いていられる
今もなお輝いていられる

おはようマイサンシャイン
君は僕から生まれた孤独な星
曇り空の上で今日も輝いている
無限の光を際限なく振りまいている

足りないものはなんだろう?
足りないものなど何も無い
それに気づいたら僕はもう大丈夫
それに気づいたら君はもう大丈夫

グッドモーニング・マイサンシャイン
いつか陽が降り注ぐ道を歩こう
僕が夢見たその道を歩こう
君が夢見たその道を歩こう

Love And Rose

2009-06-21 12:23:57 | Weblog

今夜はちょっと寂しい夜だ
おまえの声が聞けない
連絡もなしに気紛れに消えて
まるでノラネコみたいだな
sweet honey

煙草をちょっと吸い過ぎちまった
おまえのせいだちょっと喉が痛い
どっかの誰かと気紛れに眠って
まるで捨て猫みたいだな

夜を飾る星の無い空月の雫を飲み干した分厚い雲の隙間から零れ落ちるため息一つ
なんで気づかないでなくさないで泣き出しそうなカナリアのキスの戯れを聞く
こんな夜は・・・おまえに逢いたい

泣き顔をちょっと横目で見てた
ドキッとするほど可愛いな
作戦通りにニヤッと笑った
おまえは嘘泣きが得意だったな
oh shit

悪戯猫の悪戯な恋は
悪戯にこの胸をくすぐって
おまえ次第のペースにやられて
いつでもどこでも探しちまう
oh honey

愛しさのベールに包まれる静かな夜星を想い窓辺に咲くローズの舞い溶けだしてく恋の病に
なんで届かないで壊さないで真夜中ガード下で燃え尽きる火種のように
こんな夜は・・・おまえに逢いたい


6.20(土)大宮ストリート

2009-06-21 09:48:24 | Weblog
1.サマンサのアイデンティティ
2.everyday
3.3グラムの奇跡
4.スィートデイズ
5.ミルクティー
6.コーヒー&ビスケット
7.メッセージ


8.レモネード
9.三日月の夜
10.カサブランカ
11.恋人
12.ジュークボックススター
13.あいのうた
14.アンダーフラッグオブジャック


15.口笛少年と雲の唄(新曲)~sing solo
16.永遠の果て~sing solo
17.カナリア
18.百花繚乱
19.Don't Let Me Down
20.クイーンオブランブルフィッシュ


今日も何かが、何かが絶好調でした。久しぶりに人だかりになりました(笑)。やった。一番の人だかりは「コーヒー&ビスケット」(久しぶりにやったんでいっぱい間違えたバージョン)の時の40人くらい。またもやいっぱいいっぱいの雰囲気が人の足を止める・・・と、マコと二人で苦笑いしました。まぁ全体的に、人の足を止められたなって感じです。やった。

申し訳なかったのが、「寝坊」したこと。新曲もCDも作って、やる気満々でいたのに、寝坊で台無し。。。七時前から待ってくれていた人もいて・・・本当にどうもすみませんでした。反省反省。

写真はしっしーアレンジの「カナリア~ボサノバ風」を歌っているところ。ちょっとメロディを変えて歌ったら、もっと良くなるだろうな。

ライブまで一ヶ月切ったし・・・さぁ、来週も頑張るぞ。

ホタルとコンピューター

2009-06-20 05:20:36 | Weblog
火曜日にパソコンがおかしくなった。というより壊れた。手間のかかる作業を繰り返し、新しいソフトを買ったりして、日々必死で修復を試みたが、金曜日の朝に死亡した。ご臨終です。まぁ今時、パソコン本体が壊れるってことはそうそうない。パソコンが壊れる=データが山ほど入ったハードディスクが壊れるってことであろう。僕の場合もそうなのである。つまりパソコンは壊れていない。だからして、あぁでもないこうでもないと頑張って、金曜の夜にはなんとか新しい感じに立ち上げることに成功した。が、しかしである。なぜ三日間も格闘したのかというと・・・この四年ほどに詰め込んだ膨大なデータ=僕の血と汗の結晶たちを失いたくなかったからなのであって、新しい感じに立ち上がった=そのすべてを失ってしまったということなのである。そして何が問題かと言うと、何を失ってしまったのか・・・今この時点では掌握できていないことなのである。さっきも「あっ、あれも無いってことか・・・」とため息を30回ほどついたところだったりする。かわいそうでしょ?うん、リアルにかわいそうなのだよ。失われた四日間・・・泣けてくる。

まぁいいさ。失ってしまったものは仕方がない。実際、失ってしまったものに、それほどの価値なんてないのかもしれないしね。色々と大事なIDだったりPasswordだったり。四年分のメールだったり。アドレスだったり。書きかけの手紙だったり。ビリーブラウンの本に載せようと想っていた写真だったり。まぁいいさ。だって、もうなくなっちゃったんだもん。

パソコンの立ち上げが一段落して、なんていうの、インストールとかする待ち時間があまりに長いから、家から5分くらいのせせらぎまでホタルを見に行ったのであった。もう時期が外れてしまったのかな。この前はヒラヒラと乱舞するホタルイルミネーションが何十も見れたのに・・・二匹しかいなかった。きっと、みんな一生懸命生きて、短い命を散らしたんだろうな・・・などとちょっと感傷的になって帰ってきたのであった。

木曜日はリハの日

2009-06-19 05:02:25 | Weblog
みなさんもご存知の通り、木曜日はリハの日になってるんですが、たまに例外があったりして、まとめてスタジオ取りをした時に、この週は水曜ねとか、伝えておくんです。向こう三ヶ月の間でたった一回の例外が今週の水曜日。
はい、メンバー&MK、四人揃って大ちょんぼです。水曜日にリハだったことをワンハンドレッドパーセント忘れて、集合。・・・唖然。呆然。苦笑い。大の大人が三人で楽器を担いだまま、入り口にしばし立ち尽す・・・。
まぁせっかく集まったことだし、レコーディングでもやりましょうということになり、うちに集合。あれやこれやとやり始めた頃、MKからメール。あっ、MKに連絡をし忘れてた。見事にMKも行ってしまってました。MKもうちに来て、ベッドに寝転んでレコーディングを眺めてました。

毎週木曜日はリハの日。今後しばらくは間違いないです。はい。

斜陽

2009-06-18 05:12:00 | Weblog
指が折れてから二ヶ月半。全治六週間と言われたのに、まだ痛む。これはおかしいと想い、湿布を外して、リハビリを始めることにした。曲がらない指を無理無理曲げて、揉んでやったりしてみる。曲がらない指をしげしげと見ながら、一生握りこぶしを作れない手になってしまったのか・・・と、半分本気で憂いてみたりする。そんな気持ちを知ってか知らないでか、この指は、またもやパンパンに腫れてくる。つい三ヶ月前までは、なんの苦労もなく華やかに動き回っていた指が、今では、ちょっと折り戻しを繰り返すだけで赤く腫れあがる。痛々しく引っ張られる肌が、今や甘美な艶めきを放っているようにさえ見えてくる。このままこの痛みが続くならば、一生こんな指でいなきゃいけないのなら、僕は生きられない。「姉さん、僕はここで死にます。僕の棺桶にはギブソンのハミングバードとオレンジ色のピックを入れてください。弾いてみたかったなぁ。」。

太宰治の「斜陽」を読みました。↑・・・そんなお話です(笑)。怒られるって。

6.13(土)大宮ストリート

2009-06-14 07:11:28 | Weblog
1.金色のライオン
2.サマンサのアイデンティティ
3.ジュエル
4.あいのうた
5.月のお姫様
6.金色の翼
7.everyday
8.メッセージ


9.羽根
10.カナリア(しっしーアレンジ、ボサノババージョン)
11.キリキリバランス
12.アンダーザフラッグオブジャック
13.太陽の季節
14.真夜中のプリンセス(w/ piano)
15.クライバード (w/piano)
16.3グラムの季節 (w/piano)


17.永遠の果て(しんぐソロ)
18.月のお姫様(ピアノバージョン~しんぐとマコ)

19.アルカディア
20.カサブランカ
21.スイートエイジ


今日はみなさんのご指摘の通り、こちら側の雰囲気があまり良くなかったようです。
な・の・に、たくさん人が集まって、たくさんCDが売れました。売り切れ続出。まぁ残り一枚ってのが多かったからね。新しいお客さんや、リピートのお客さんともたくさん話せたし、近いうちにサックスも加わってくれるかもしれないし、楽しみ。
つ・ま・り、雰囲気なんて関係ないんだと(笑)。いいに越したことはないんだけれど、結果オーライです。いい時はいい、悪い時は悪い。いい時が悪くて、悪い時が良かったりもする。結局何がいいのか分からないのだから、結果オーライでいいんです。結果オーライが毎週続いて、ライブにたくさんの人が訪れてくれるといいなぁ。

ニューチャレンジ作戦、意外や意外、まだまだ続いてます。今日はしっしーがカナリアをボサノバ風アレンジに、マコは月のお姫様をピアノアレンジに、しんぐは新曲をソロ演奏。個人的に、今日の一番は「3グラムの奇跡」にピアノを加えたバージョンでした。あともう一つ、太陽の季節のしっしーのギターがね、いいよね。あれはバンドでもストリートでも、絶品だと想うよ。ハッとするフレーズが散りばめられてるんですよ。好きだなぁ、あのギター。

写真は、先々週に試した、マコのスタンディングピアノと昭和君のカホンで編成したスタイル。これ、いいですよ。もうちょっとレパートリーを増やして、これで攻めていきたいっす。

個人的には、いつも通り、とっても楽しい夜でした。来てくれた人、どうもありがとう。来れなかった人、来週逢いましょう。v。

The Story Of Pumpkin Pie & Billy Brown ~Epilogue~

2009-06-12 04:13:50 | Weblog
この季節にしてはめずらしいひんやりとした風が、開け放した窓から吹き込んでくる。
目を覚ました僕は、少し泣いていたみたいだ。ベッドからゆっくりと起き上がり、見慣れた自分の部屋の風景を見回してから、ゆうべ眠る前に入れたハチミツ入りの紅茶の残りを飲み干した。

長い夢を見ていたみたいだ。現実みたいな長い夢・・・そんな表現がぴったりだ。

「パンプキンパイって言ったっけ…あの娘」・・・僕は短いため息を吐きながらつぶやく。
「で・・・オレはビリーブラウンだっけ、赤いブーツの・・・」・・・ほんの少し、口元から笑みが漏れる。

夢の中の感触、空気の匂い、興奮、切なさ…その全部が、目を覚ました今でも本物のように感じる。
全部が夢だったということに間違いはない。なぜなら、ここは確かに脱ぎ捨てた洋服や読み散らかした雑誌や本が散乱した僕の部屋で、実際に僕は干し草を積み上げて作ったベッドの上で眠ってはいなかったのだから。


僕はキッチンに行って冷蔵庫の中を覗いてみた。もしかしたらパンプキンパイが隠れてるかもしれないと想って。
僕は玄関に行って下駄箱の中を覗いてみた。もしかしたらパンプキンパイのサンダルが転がっているかもしれないと想って。
僕は部屋に戻って窓の外を覗いてみた。もしかしたらパンプキンパイが、僕が眠りから醒めるのを待ちながら、近所の子供たちと遊んでいるかもしれないと想って。
僕はギターの弦を爪弾いてハミングをしてみた。もしかしたらパンプキンパイが、「それって新しい唄?」って、嬉しそうに聞いてくるかと想って。
僕は床に頭をつけてガラステーブルの下をのぞいてみた。・・・あっ・・・あった。ひなげしの花びらが一枚。・・・見つけた。あるはずのない一片。まるで夢の続きみたいな・・・パンプキンパイのカケラ。



花びらをそっと手の平に乗せて窓際に立つ。頬にひんやりとした風があたる。僕は少しだけ幸せな気分になって、少しだけ笑った。

「現実みたいな夢じゃなくて・・・夢みたいな夢だったんだ・・・」

さよならパンプキンパイ・・・君と駆け抜けた冒険みたいな旅を忘れないよ。
さよならパンプキンパイ・・・君と探した宝石箱みたいな時間を忘れないよ。




さよならパンプキンパイ・・・君と出逢ったことを忘れないよ。




さよならパンプキンパイ・・・ボクはキミをワスレナイヨ。






(おわり)

The Story Of Pumpkin Pie & Billy Brown No.13

2009-06-10 14:10:15 | Weblog
渡り鳥が南へ向かって空を駆け抜けていく 僕はビリーブラウン
木の葉のシャワーを浴びてクルクルと回る 君はパンプキンパイ
柊の森で偶然に見つけた まるで宝物のように甘いハチミツ
寂しがり屋のコヨーテの遠吠え もう今は聞こえない

「ねぇ僕は氷の丘を探す必要がなくなったよ」
「そんなこととっくに知ってるわ・・・あなたのこと好きよ」
星がそっと目を閉じてキス 僕は笑って君も笑った

「ねぇ・・・次はローズ色の海にプカプカ浮かんでみたいの」
「明日・・・行こうか?」
僕らはずっと手を繋ぎながら寄り添って眠った

君の夢の中には「幸せの青い鳥」がそっと羽ばたいている

ぼくと1ルピーの神様

2009-06-09 01:30:01 | Weblog
最近は結構本を読んでます。薦められたものは薦められるままに。読みたいと想う本は読みたいと想うままに。

ちょっと前に読んだ本、「ぼくと1ルピーの神様」はとても良かった。
映画「スラムドッグ$ミリオネア」の原作です。映画は、ダニーボイル作品なので期待して観たのだけれど、総体的には「可もなく不可もなく」って感じ。個人的な感想としては・・・とにかく脚本が良くない。疾走感のある映像は素晴らしい。

原作の評判は良かったので、原作本を入手。これは良い。
勝手にキャッチコピーを付けるならば・・・「現代版アルケミスト~インド編」。アルケミストの主人公サンチャゴが、現代のインドに生まれていたならば、こんな風に生きたんじゃないか?ってな意味で。教訓めいたものは何一つ書かれてはいないが、彼の生き様、生命力、選択、置かれた環境への適応力・・・彼の人生こそが教訓かな。つまり、映画でクローズアップされている、クイズ番組で賞金を穫るってのは、あくまでオマケであると。オマケってほど重要じゃないってことじゃないんだけど。もっと深いのである。
こんな本を書ける作家はすごいなと想ったら、この人、本職は作家じゃなくて、外交官。天才っているんだなとまたびっくり。

原作を読んでみて、余計に「・・・なんであんな脚本になっちゃったんだろう」と・・・また想うのであった。まぁまったく別のお話になっちゃってる感もあるので、いいっちゃいいんだけどね。
そんな訳で訳で訳で、原作を読んでから映画を観て、「えっ?何この設定?」、「えっ、何この展開?」とか、ブツブツ言うってのが楽しみ方なのかもしれませんね。なんちゃって。

The Story Of Pumpkin Pie & Billy Brown No.26

2009-06-08 23:31:54 | Weblog
ねぇビリーブラウン、あなたと一緒に過ごしていたら星と友達になれたわ
ねぇビリーブラウン、あなたの真似をしていたら空を飛べるようになったわ
ねぇビリーブラウン、あなたに恋をしていたら世界の謎が少し解けたわ
ねぇビリーブラウン、あなたと手を繋いでいたら時間を忘れてしまったわ

赤とピンクのひなげしの花で部屋中を飾りたいの
あなたがわたしを忘れてしまっても、あなたがわたしを忘れてしまわないように
二人をずっと見守ってくれたハチミツのそばで眠りたいの
夜が朝になって朝が夜になっても、あなたがわたしを忘れてしまわないように

さよならビリーブラウン
独りぼっちになったら、きっときっと泣いてしまうけれど
さよならビリーブラウン
あなたがわたしに教えてくれたこと
さよならビリーブラウン
あなたはわたしを忘れてしまうけれど
さよなら、赤いブーツのビリーブラウン
「瞬間」と「永遠」と言う名の「幸せ」をありがとう




最後にお願いがあるの・・・わたしがいなくなってもわたしを探し続けてね